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なぜ人は「つい食べ過ぎてしまう」のか?

「おいしい」には“意味”がある
 ダイエット中に「つい」一口食べたら、止まらなくなってしまった。

 好きなお菓子をつまみながらテレビを見ていたら、「つい」大量に食べてしまっていた。

 こうした、おいしくて食べ過ぎてしたという経験は、だれでも身に覚えがあることではないだろうか。どうして「つい、つい、食べすぎてしまう」をやってしまうのだろうか。

 その謎を考える前に、そもそも「おいしい」と感じること、その正体について述べたい。

 おいしさとは、食べ物を食べたときの「快感」だ。私たちは食べないと生きていけない。そこで、食べることに快感がもたらされることで、食欲がわくようにできているのである。私たちは体に必要なものは本能的においしく感じる。それを識別する役割を担っているのが味覚である。

 味覚は「甘味」「塩味」「旨味」「酸味」「苦味」で構成されており、このうち、甘味、塩味、旨味は、おいしく感じる。

 甘味はエネルギー源の糖、塩味は生体調節などに必要なミネラル、旨味はたんぱく質のもとになるアミノ酸や核酸に由来し、人体に必要な栄養素の存在を知らせるシグナルになっている。

「本能的なおししさ」と「経験的なおいしさ」
 一方、腐ったものは酸っぱくなり、毒のあるものは苦いものが多いため、酸味は腐敗を、苦味は毒素の存在を知らせる味だ。

 そのため、生まれたばかりの赤ちゃんでも甘味や旨味を口に入れると気持ちよさそうな表情になり、苦味や酸味は嫌がる。

 やがて食経験を重ねると、味覚は発達し、苦味や酸味を受け入れるようになる。大人になって苦いコーヒーやビールがおいしくなるなど、食経験を重ねることで感じるのが経験的なおいしさだ。

 このようにおいしさは、本能的なおいしさと経験的なおいしさに大別される。経験的なおいしさは、人それぞれで基準が異なるが、本能的なおいしさは生まれながらに感じる共通なものである。

 さて、味覚だけをとっても、「おいしさ」は、複雑なことがわかるが、味覚以外にもさらに多くの要因がからんでくる。

香りは食欲を制する!
 食欲をそそる、おいしさをもたらす要因には、味以外にも、においなど食べ物に由来するものはもちろん、食べる人の体調や食べるときの環境、食文化の背景など、多くのものがある。おいしさの要因には実に多くのものがあり、実際はかなり複雑な感覚といえるだろう。

 そのなかでも、甘い香りの果物、香ばしい香りのトーストなど、香りは味や食感などとともにおいしさの重要な要素だ。ポテトチップスやスナック菓子につい手が伸びるのも、香りが大きく絡んでいるのだ。

技術の進化が目覚ましい、フレーバーのすごい力!
 そういった食品に重要な香りや風味を与えているのがフレーバー(食品香料)だ。フレーバーは、調理や加工で薄れた香りを補い、食材由来の好ましくない臭いをマスキングする役割を担う。さらに、食品に新たな風味を加えるために添加される場合も多い。

 近年は技術の進歩によって、より本物に近い自然な香りのするフレーバーや、味と一体となっておいしさを生み出すフレーバーなどが開発されている。フレーバーは、食品の香りを再現するようにつくられており、味わう人の想像力をかきたて、食品のおいしさを引き立てている。
 
 マクロバイオティックのクッキングスクールなどを行っている「日本CI協会」で講演した際に、果汁含量の異なる2種類の果実飲料の官能試験を行い、香りがおいしさに及ぼす影響を評価してもらった。

 官能試験とは、人の感覚を使って物の特性を評価することで、試料の違いを評価することもあれば、好ましさを調査するために行われることもある。品評会や新商品の開発、市場テストなどさまざまな用途で使われる試験だ。

 試料の果実飲料は、どこのスーパーやコンビニでも売られている、よく知られている2製品を用いた。白い紙コップに入れて並べられると製品の区別はつかない。果実味をどちらで強く感じるか、色や味、香りなどどちらが好ましいかを評価してもらった。


2つの飲料の果実味、色や味、香りの比較

 実際は、Aが果汁25%、Bが果汁40%であった。だが結果は、色や香りの好ましさについては大差がなく、果実味の感じ方にも差がなかった。果実味や味の好ましさを感じる人の数は、果汁の濃度が低い方にむしろ多かったことが興味深い。

 また、フレーバーの加えていない果実飲料を25%に薄めたものも試してもらうと、果実味はあまり感じられないという人がほとんどだった。

 香りは味覚を操っているといっても過言ではないほど、おいしさに大きな影響を及ぼしていることを実感することができた。

 しかし、いくら「味」や「香り」が良くても、永遠に食べ続けることはできない。では、この「食欲」とは、どのようなしくみでコントロールされているのだろうか?

食行動のカギを握るホルモン「レプチン」
 生命を維持するためには、エネルギー源になる栄養素を摂取しなければならず、そのための食行動をコントロールしているのが食欲である。

 脳のなかの間脳にある視床下部には、摂食中枢や満腹中枢があり、摂食を調節している。ここは自律神経系の中枢で、体温や睡眠など、生命維持に重要な機能を制御しているところだ。

 脳にはホルモンなどを介して体内の栄養状態が伝えられ、栄養素が不足していれば、脳の摂食中枢が作用し、空腹を感じる。一方、十分に栄養素が摂取できれば満腹感を感じ、食べるのをやめる。

 体重は摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスの調節の情報で、体重を一定に保つことで、エネルギーのバランスを維持することができる。もし、食欲によるコントロールがなかったら、まったくお腹がすかず、やせ細っていくか、食べても食べても満腹にならず、体重が増え続けることになる。

 肥満や糖尿病の病態を解明する研究には、食欲を抑制できず体重や体脂肪が増加した肥満マウスが使われている。そのマウスでは「レプチン」という食欲を抑制するホルモンがはたらかないようになっている。

 正常マウスに比べて明らかに巨大な肥満マウスの様子を見ると、普段当たり前に感じている満腹や空腹が、生体にとって重要な意味があることを認識させられる。また、肥満状態の人を調べると、摂食は必ずしも抑制されておらず、レプチンが効きにくくなるという現象が起きていることが知られる。

食べ過ぎを防ぐには「脳をだます」!?
 おいしさは口や舌で感じるのではなく、脳で感じている。味覚や嗅覚、視覚、触覚、聴覚の五感をフルに活用して、食べ物の情報を脳に伝えている。では、食べすぎを防ぐために効果的な方法はあるのか?

 前述の通り、脳はおいしさを覚えており、おいしさは食べるという行動を促す。おいしさは食欲を引き起こし、さらに食欲が食行動を支えているのである。

 また、もしも何かを食べた後に下痢や吐き気など不快な思いをすると、その食べ物が嫌いになり、食べなくなることもある。内臓の不快感と味覚の情報が脳の中で合わさって、先天的に好きな甘い味でも嫌いになったりする。

 このような後天的な味覚の学習には脳の扁桃体の機能が関わる。偏桃体は味覚をはじめ、嗅覚や視覚などあらゆる五感の情報が集まるところで、「快」「不快」「好き」「嫌い」などの価値を判断している。内臓の感覚情報も集まってくるので、偏桃体の中でそれらの情報が処理され、その味を嫌うように記憶づけられている。

 また、味は同じでも、色が違うだけで食べ物はおいしそうに見えたり、まずそうに見えたりする。一般的に赤やオレンジ色など暖色系の色はおいしそうに感じ、青や紫色など寒色系の色はあまり感じない。

 色は、食欲をコントロールする手段かもしれない。

 また、実験マウスのところで述べた、食欲を抑える「レプチン」のメカニズムと、それに関わる酵素などの研究が進んでいる。将来的には、そのメカニズムを利用して食欲をコントロールできるのではないだろうか。

   ◇   

 さて、おいしさと食欲の関係ついて概観してみました。さまざまな味や味覚にあふれ、彩り豊かな食べ物が揃うお正月。青く寒々しいおせちも、不快な思い出いっぱいのお正月もありえないから、おいしいものをがまんするのは難しそうです。「1年のエネルギー源になる栄養素を摂取」と考えて、お正月はおいしいものを食べますか!

少量飲酒継続または飲酒量減量で認知症リスク低下

韓国国民健康保険データベースに登録された393万3382例(平均年齢55.0歳、男性51.8%)のデータを用いて、飲酒量の変化とあらゆる原因による認知症、アルツハイマー病(AD)および血管性認知症(VaD)の新規発症との関連を後ろ向きコホート研究で検討。対象者を飲酒量で4段階に分類し(なし、少量、中等量、大量)、2009-11年の摂取量の変化に基づき非飲酒、断酒、飲酒量減少、飲酒量継続、飲酒量増加に分類した。追跡期間は平均6.3±0.7年だった。

 その結果、非飲酒継続に比べ、少量継続(調整後ハザード比0.79、95%CI 0.77-0.81)および中等量継続(同0.83、0.79-0.88)であらゆる原因による認知症リスクが低下し、大量継続では上昇した(同1.08、1.03-1.12)。このほか、飲酒量継続に比べ、大量から中等量への減量(同0.92、0.86-0.99)および少量飲酒の開始(同0.93、0.90-0.96)であらゆる原因による認知症リスクが低下し、飲酒量増加および断酒では上昇した。ADとVaDでもほぼ同じ傾向が認められた。

電気自動車導入

 2023年は、タクシーの電気自動車導入が一気に加速し、タクシーがEV普及の
起爆剤になりそうです。昨年12月、タクシー配車アプリ「GO」などを運営する
モビリティテクノロジーズ(MoT)は、「タクシー産業GX(グリーントランスフォー
メーション)プロジェクト」について記者会見を開き、タクシーの電気自動車導入・
運用支援を発表しました。MoTが提供するのはトヨタ自動車の「bZ4X」や
日産自動車の「リーフ」「アリア」などの電気自動車で、新エネルギー・産業技術
総合開発機構(NEDO)の助成を受け、手始めに2023年春までに700台を提供、
2031年までに最大2500台規模にまで拡大する予定でNEDOの助成を使って
提供する2500台を含め、2030年までに全国のタクシーの5台に1台をEV
タクシーに置き換えたいとしています。また、MoTは車両提供と合わせ、事業者の
営業所等に急速充電器400台、普通充電器2500台の計2900台の設置を発表。
タクシー事業者はMoTとリース契約を結び、また、充電量に応じたチャージ
サービス料を支払う仕組みです。
 計画では2027年までに二酸化炭素排出量年間3万トン削減を見込んでおり、
これは新たに東京ドーム800個分の森林を作るのと同等の削減効果となります。
運輸業界の二酸化炭素排出量は、全産業の中で約17%と大きな割合を占めて
いるだけに、日常的に使うタクシーのEV化は、利用者の意識を変え、自動車業界
に大きな変革をもたらす可能性があります。

タクシーの電気自動車導入

 2023年は、タクシーの電気自動車導入が一気に加速し、タクシーがEV普及の
起爆剤になりそうです。昨年12月、タクシー配車アプリ「GO」などを運営する
モビリティテクノロジーズ(MoT)は、「タクシー産業GX(グリーントランスフォー
メーション)プロジェクト」について記者会見を開き、タクシーの電気自動車導入・
運用支援を発表しました。MoTが提供するのはトヨタ自動車の「bZ4X」や
日産自動車の「リーフ」「アリア」などの電気自動車で、新エネルギー・産業技術
総合開発機構(NEDO)の助成を受け、手始めに2023年春までに700台を提供、
2031年までに最大2500台規模にまで拡大する予定でNEDOの助成を使って
提供する2500台を含め、2030年までに全国のタクシーの5台に1台をEV
タクシーに置き換えたいとしています。また、MoTは車両提供と合わせ、事業者の
営業所等に急速充電器400台、普通充電器2500台の計2900台の設置を発表。
タクシー事業者はMoTとリース契約を結び、また、充電量に応じたチャージ
サービス料を支払う仕組みです。
 計画では2027年までに二酸化炭素排出量年間3万トン削減を見込んでおり、
これは新たに東京ドーム800個分の森林を作るのと同等の削減効果となります。
運輸業界の二酸化炭素排出量は、全産業の中で約17%と大きな割合を占めて
いるだけに、日常的に使うタクシーのEV化は、利用者の意識を変え、自動車業界
に大きな変革をもたらす可能性があります。

大坂なおみが妊娠発表 復帰は2024年に

女子テニス元世界ランキング1位の大坂なおみ(Naomi Osaka)が12日、妊娠を発表し、2024年まで選手活動を休止する意向を表明した。

 大坂はツイッター(Twitter)に胎児のエコー画像を投稿し、「将来に向けてたくさん楽しみなことがあります。それらの一つには自分の子どもが私の試合を見て、『あれが私のママ』と誰かに言うことです(笑)」とコメント。

 「2023年は私にとっていろいろ勉強する年となります。来年明けから皆さんに会えることを期待しています」とし、24年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2024)には出場する意向を示した。

 25歳の大坂は昨年9月に東京で行われた東レ・パンパシフィック・オープン(Toray Pan Pacific Open 2022)を最後に試合に出場していない。同大会では2回戦を前に腹痛のため棄権。来週開幕する全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2023)も欠場を表明したが、理由は明らかにしていなかった。

 SNSでは最近、19年から交際しているとされる米ラッパーのコーデー(Cordae)さんと欧州を旅行する様子を投稿していた。

2022年を振り返って

みなさまこんにちは。
 2022年を一文字で表す漢字は「戦」でした。たしかにコロナウイルスとの長い「戦」い、ロシアによるウクライナへの侵略「戦」争、安倍元首相銃撃のあった選挙「戦」、サッカーワールドカップで日本中が盛り上がったドイツ・スペイン「戦」。いろいろな「戦」がありました。さて、みなさまならどんな一文字を選びますか?私なら・・「老」かな。

 さて1月2・3日に行われる「箱根駅伝」ですが、この「駅伝」のルーツは駅伝制や飛脚とされています。駅伝制とは宿場間を馬を乗り継いで物資を運ぶ制度です。また、飛脚の場合、東京~大阪間(約500Km)を3~4日で走ったそうです。また駅伝に欠かせない「タスキ」のルーツは、宿場間の移動の際の身分証明書に「駅鈴」なるものを携帯したことからとか、長距離のリレーにバトンは邪魔なので負担の少ないタスキになったとか、諸説ありますが定かではありません。何にせよあのタスキを無事に次の選手につなげた時、時間切れでつなげず繰り上げスタートになった時、それぞれにドラマがあり目が離せません。

有酸素運動で老化した脳が活性化?

有酸素運動を習慣的に行うことで、脳の血流が良くなることを示すデータが報告された。研究者らは、このような脳の血流改善効果を介して脳の老化が抑制されるのではないかと述べている。

 この研究は、米テキサス大学サウスウエスタン医療センターのRong Zhang氏らによるもので、詳細は「Journal of Applied Physiology」に10月4日掲載された。Zhang氏は、「週に4~5回、1回30分以上の速歩またはジョギングを行うと良い。その運動強度は、会議のスタートに遅れそうで急いでいる時の歩行と同じぐらいであって、息切れを感じるぐらいの強度だ」と解説する。

 Zhang氏によると、脳はその機能を維持するために、体全体の血流量の約20%を必要とするが、歳を重ねるとともに脳に血液を送る動脈の加齢に伴う変化のために、脳血流量が減少するという。脳血流量が少ないということは、脳への酸素や栄養素の供給量が不足することを意味し、かつ、脳で発生した老廃物を運び出す力も低下して、脳内に蓄積しがちになる。

 一方、習慣的な運動、特に有酸素運動は、心臓などの動脈の加齢変化を抑制することが分かっている。ただし、脳血流量の維持を担う動脈にも同じように作用するか否かは十分明らかになっていない。同氏らは、習慣的に運動を行うことが、脳血流量の維持にも役立つのではないかと考え、60~80歳で重度の疾患のない73人を対象とする、1年間の介入研究を行った。

 参加者を無作為に2群に分け、1群は有酸素運動、他の1群は筋力トレーニングとストレッチを行う群とした。有酸素運動群では、介入の前半は1回25~30分のエクササイズを週3回行い、介入後半(26週目以降)は1回30~40分、週4~5回を目指して運動量を徐々に増やした。1年後、頸動脈の血圧や経頭蓋超音波検査による血流速度などの検査の結果、有酸素運動群では有意に脳血流量が増加していることが示された。その一方で、筋力トレーニングとストレッチを続けた群は、そのような変化が認められなかった。

今年の漢字は「戦」 清水寺で発表、最多1万804票 2位は「安」

2022年の世相を表す漢字は「戦」――。日本漢字能力検定協会(京都市東山区)は12日、全国から募集し、最も選んだ人が多かった「今年の漢字」を清水寺(同)で発表した。森清範(せいはん)貫主が縦1・5メートル、横1・3メートルの和紙に文字を書き上げた。

 募集期間は11月1日から12月5日で、22万3768票の応募のうち、「戦」は最多の1万804票だった。

 選ばれた理由は主に、ロシアのウクライナ侵攻▽サッカーW杯での日本代表の試合▽MLBの大谷翔平選手の活躍▽新型コロナや物価高への対応――などだった。「戦」が選ばれたのは2001年以来2度目。2位は「安」(1万616票)、3位は「楽」(7999票)だった。以下、4位「高」(3779票)▽5位「争」(3661票)▽6位「命」(3512票)▽7位「悲」(3465票)▽8位「新」(3070票)▽9位「変」(3026票)▽10位「和」(2751票)。

 同協会は1995年から、「いいじいちじ」と読む12月12日の「漢字の日」に「今年の漢字」を発表している。今年で28回目になった。

 揮毫(きごう)を終えた森貫主は「『乱』ではないかと思いながら手のひらに描いて稽古していた。来年こそは『戦』が終わって、皆が心安らかな日々を送れるようになっていただきたい」と話した。

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