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社会的地位に関わらず、喫煙経験がない非肥満女性の死亡率は低い、英国調査

文献:Hart CL et al.Cause specific mortality, social position, and obesity among women who had never smoked: 28 year cohort study.BMJ 2011; 342:d3785.

 喫煙未経験女性3613人を対象に、死因、職業の社会的地位、肥満の関連を28年間の前向きコホート研究で調査。社会的地位の低い女性は高い女性に比べ、肥満傾向で、全死因死亡率は3割以上高く、心血管疾患および呼吸器疾患での死亡率上昇が見られた。社会的地位に関わらず、喫煙経験がなく、肥満でない女性の死亡率は低かった。

「レバ刺し」の規制検討 提供禁止の可能性も

焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、生食用牛肉の罰則付き衛生基準を検討する厚生労働省の審議会の初会合が28日開かれ、肉だけでなく、内臓のレバーについても、生食の規制の是非を検討することを決めた。

 厚労省によると、肉は表面を削り取る「トリミング」をすれば食中毒の原因となる菌を取り除くことができるが、レバーは中心部まで菌で汚染されている場合がある。今後の議論次第では、飲食店での生レバーの提供が禁止される可能性も出てきた。

 この日の会合では複数の委員が「生レバーが原因の食中毒が相次いでいる。何らかの規制が必要だ」と主張。一方で、食肉の基準づくりを優先させるべきだという意見も出た。

 牛レバーについて厚労省は「生食用としての提供はなるべく控えること」と都道府県に通知。トリミングなど適切な処理をすれば生食を認める牛肉とは区別しているが、実際には飲食店などで広く提供されている。

 基準づくりにあたっては、対象を牛に限定することを確認。馬肉の安全性は現状でも十分に確保されていると判断した。

ダイエット清涼飲料の飲みすぎは禁物、胴囲の増加が飲まない人の6倍に

ダイエット清涼飲料を1日2本以上飲んでいる人は、胴囲の増加が飲まない人の6倍に達していることが報告された。サンアントニオ長寿高齢化研究(SALSA)により明らかになったもので、テキサス大学サンアントニオ健康科学センターのSharon P Fowler氏(写真)らが、6月24日から米サンディエゴで開催されている米国糖尿病学会(ADA2011)で発表した。

 カロリーゼロをうたうダイエット清涼飲料の消費は、肥満やメタボリック症候群および糖尿病の発症増加と関係していると言われてきた。演者らは、これらの関係を検証するため、サンアントニオ長寿高齢化研究(San Antonio Longitudinal Study of Aging ;SALSA)の参加者を対象に、ダイエット清涼飲料の消費が胴囲に及ぼす影響を調べた。胴囲は、内臓脂肪の指標であり、また糖尿病や心血管疾患、癌および他の慢性疾患の主たる危険因子として広く使われている。

児童の炭酸飲料の多飲は血圧上昇を招く可能性

児童が習慣的に炭酸飲料を多く飲んでいると、血圧を高める可能性が報告された。セルビアUniversity of BelgradeのKatarina Paunovic氏らが児童の食習慣と血圧の関連を検討し、6月18日から20日までミラノで開催されている第21回欧州高血圧学会(ESH2011)で発表した。

 本研究の対象は、セルビア・ベオグラードにある8つの小学校の第1学年(7歳)から第4学年(11歳)の児童1113人(男児533人、女児580人)。血圧測定には水銀血圧計を用い、安静後に5分間隔で3回測定した。食習慣については、質問票を用いて、炭酸飲料やミネラルウオーターを飲む頻度、食塩含有量の多い食品やスナック菓子を食べる頻度を調べた。

 炭酸飲料の1日当たりの摂取量別にBMIをみると、飲まない群は17.7、1杯の群は18.1、2杯の群は18.4、3杯以上の群は18.8と、飲む量が増えるにつれBMIは高まる傾向にあった(P=0.002)。同様に、収縮期血圧や拡張期血圧も高くなる傾向があった(順にP=0.009、P=0.032)。また、炭酸飲料を1日に3杯以上飲む習慣のある児童は飲まない児童に比べて、収縮期血圧、拡張期血圧、BMIが有意に高かった。

 食品に含まれる食塩量との関連については、含有量が多いとBMIは高くなる傾向が認められた。一方、血圧に関しては、関連が認められなかった。

 ミネラルウオーターに関しては、飲む回数が多い児童ほどBMIが高くなる傾向が認められた。毎日飲む習慣のある児童のBMI(19.7)は、まったく飲まない児童(17.8)に比べて有意に高かった。しかし、ミネラルウオーターを飲む回数と血圧との間には有意な関連性は認められなかった。

 スナック菓子を食べる頻度については、血圧だけでなく、BMIとの間にも有意な関連は認められなかった。

こむら返りに神経ブロック

布団に入ってうとうとした頃に、ふくらはぎに激痛が──。多くの人が一度は
経験したことがある「こむら返り」。腰椎変性疾患や糖尿病などでは発生頻度が
高く、中には日常生活に支障を来す人も少なくありません。

 こむら返りは、腓腹筋や足指筋に突然起こる一過性の痙攣で、末梢神経の異常
興奮や、筋肉内の電解質異常などが関与していると考えられています。特に発生
頻度が高い腰椎変性疾患の患者の場合、こむら返りに有効とみられているのが、
深腓骨神経ブロックです。深腓骨神経の末梢部、母指と第2指MP関節の間の圧痛点
に、局所麻酔薬を注射する方法で、こむら返りの発生頻度が1カ月に1回以下に減
少したという報告も出ています。

 こむら返りが起こりやすい疾患としては、糖尿病も見逃せません。発生頻度を
減らす治療法には、芍薬甘草湯やタウリンなどの投与、就寝前のストレッチやマ
ッサージがありますが、効果を裏付けるエビデンスは確立されていません。最近
ではマグネシウム(Mg)の効果に着目し、Mgを多く含む緑黄色野菜や雑穀類、海
藻などを積極的に摂取するよう、患者に食生活の改善を指導するケースも出てい
ます。こむら返りに有効な、治療の工夫を紹介しました。

メタボ健診、見直し開始 実施率低迷で、厚労省

厚生労働省は25日、40~74歳を対象とした特定健康診査、いわゆる「メタボ健診」の見直し作業をスタートした。2008年度に始まった医療制度改革での医療費抑制の目玉施策だったが、実施率の低迷などを受け、開始から3年余りで見直しを余儀なくされた。

 メタボ健診は、生活習慣病を予防することで増え続ける医療費を抑制するために導入された。ルールを弾力的に運用し実施率を高めるのが狙いで、同日立ち上げた有識者検討会で議論して、来年夏までに結論を示し、13年度から適用する方針。

 厚労省によると、09年度の受診率(速報値)は全国で40・5%で、スタート時に掲げた70%を大きく下回った。現行制度では原則として、健診を受けられる医療機関は、健保組合などが選定する仕組みになっている。このため、単身赴任世帯で、夫の勤務地から離れたところに住んでいる妻ら家族が受診できないケースが多発し、受診率の引き下げの要因になっているとの指摘が出ている。

「鼻呼吸」がいい理由

そもそも鼻は、高機能な空気清浄機と、加温・加湿器の機能を
合わせ持ってると言われています。
ですので、呼吸により外部から空気を体内に取り込んでも、
鼻の中で菌やホコリなどを落として清浄な状態にし、
さらに、加温・加湿して肺に届けてくれるので、
体を冷やしてしまうことによる、悪影響もないわけです。
以下のような効果があると言われています。
※これらには、個人差があります。
・いびきの防止
・のどの保護
・風邪をひかない、ひきにくい
・睡眠が深くなる
・夜間にトイレで起きなくなる
・無呼吸症候群がよくなる
・集中力がアップする
・唾液の分泌促進
・虫歯ができにくくなる
・免疫力がアップする
・顎関節症の改善
・顔のゆがみ・たるみ・しわの改善
・アレルギーの改善

1日3ドリンク以上の飲酒で膵臓癌死亡のリスクが上昇

1日3ドリンク(350mL缶ビール約3本分)以上の飲酒は、喫煙歴の有無にかかわらず膵臓癌死亡のリスクを上昇させることが、前向き研究のデータ分析で明らかになった。米癌学会疫学研究プログラムのSusan M. Gapstur氏らが、Arch Intern Med誌2011年3月14日号に報告した。

 大量飲酒は急性と慢性の膵炎の原因になるが、膵臓癌との関係は明らかではなかった。WHOのInternational Agency for Research on Cancer(IARC)は、09年に専門家を招集し、ヒトの癌の原因になる食物や嗜好品について検討したが、「飲酒と膵臓癌の関係を示すエビデンスは限られている」との結論を出している。その検討過程で、既存のデータは十分なパワーを持たない研究に由来しており、飲酒の交絡因子の調整が十分ではなく、研究の規模が小さい、想起バイアスが存在するなど様々な問題を抱えていることが明らかになった。
アルコール飲料の種類ごとに膵臓癌死亡リスクとの関係を調べたところ、蒸留酒3ドリンク以上/日の摂取(1.32、1.10-1.57)は有意なリスク上昇を示したが、ビール3ドリンク以上/日(1.08、0.90-1.30)、ワイン3ドリンク以上/日(1.09、0.78-1.49)との関係は有意にならなかった。

 1日3ドリンク以上の飲酒、特に蒸留酒の摂取は、喫煙とは無関係に膵臓癌死亡リスクを上昇させることが明らかになった。

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