7月31日付の朝日新聞夕刊は、医療ドラマ 現実路線」というタイトルで、地方の医療を主題にしたテレビドラマが話題になっていることを報じています。
ところで、身近な医療者にこれらのドラマの感想を聞いてみると「医療現場というには、リアリティはどうでしょうか?」と首をかしげます。
ドラマですから、『Tomorrow』のCPR(心肺蘇生法)時の心臓マッサージ(このところ正式には「胸骨圧迫」と呼ぶそうですが)が腕や手が屈曲しすぎ、胸骨を十分圧迫しているかどうか心配だというのは、実際の蘇生治療時のようにはいかないでしょうからおくにしても、気管挿管もなし、除細動器もなし、というのはリアリティに欠けそうです。
また大きい手術でも全身管理する麻酔科医の関与もなさそうで、さらに帝王切開の後にリスクが高いところをやっと生まれた新生児が助産師にも、小児科医にもケアされている風もないと批評します。
彼らは、医療ドラマでこのように重症者を容易に治すことのできるように描くと、非医療者の視聴者が、どんな病気や怪我でもササッと治せないのは、医師や看護師が下手くそだからと誤解されないか非常に危惧しています。
某医療サイトより