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消毒ミス内視鏡で検査 600人超、兵庫県立病院

兵庫県立柏原病院(丹波市)は20日、消毒が不十分だった内視鏡を京都、兵庫両府県の患者計658人の検査に使用していたと発表した。病院は全員を対象にB型肝炎やエイズなどの血液検査をする。

 病院によると、胃や大腸の検査に使う内視鏡は通常、消毒液に5分間漬けるが、洗浄機の設定時間が0分になっていたため、十分な消毒ができていない可能性があるという。業者の2010年7月の点検以降、設定を確認していなかった。

 これまで体調不良を申し出た患者はいない。足立確郎(あだち・かくろう)院長は「安全安心な医療を提供していけるよう取り組みます」とコメントした。

肺炎は死につながらない病気?

ファイザー株式会社が、全国の30歳以上の男女9400人を対象に行った肺炎に関する意識調査で、約7割が「肺炎は治る病気」という認識を持っていることが明らかになった。具体的には、「抗生物質で治療すれば治る病気」と考えている人が58.8%(5528人)を占め、「安静にしていれば治る病気」と回答した人も10.0%(938人)いた。

ヒヤリ・ハットの背景・要因分析し注意喚起促す

日本医療機能評価機構は薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業のうち、特に共有すべき事例を公表した。今回公表した事例はいずれも内服薬調剤などに関するものとなっている。

 事例1では、「フェノバール散10%1g、90日分で秤量すべきところ、0.5g、90日分で秤量した」というもの。背景・要因としては「処方せんを発行した病院が当日より処方せんの書き方を変更した。1回分と1日分は括弧書きで両方の併用表記になった。1回分を1日分と勘違いしてしまった」ことをあげている。

 同事例のポイントとして機構は、「処方せんの記載方法が変更されたときはより一層の注意が必要。初めて1回量と1日量が併記された処方せんに対応するときは、慎重に読まなければヒヤリ・ハットが増加する可能性がある」と指摘しており、変更点があった際の調剤には注意を怠らないことを呼びかけている。

 事例2では「ベプリコール錠100㎎の処方に対して、併用薬のイトリゾールカプセル50を患者から確認した。その後、ベプリコール錠100㎎の添付文書を確認し、問題なしと判断して投薬した。患者が帰ったあと、イトリゾールカプセル50の添付文書を確認したところ、併用禁忌の記載があったため、医師に連絡、患者から感謝の電話があった」というもの。

 機構は「一方の薬剤の添付文書のみに当該薬への併用禁忌記載があった例。両剤ともに併用薬に十分留意する必要性のある薬剤ではあるが、必要があれば企業においても添付文書の記載内容等を検討してもらう必要がある」とし、薬局が添付文書の落とし穴を発見した例であるとしている。

 事例3では「オキシコンチン錠5㎎3錠/分3毎食後で処方されたが、食後・食前の指示がなく、時間で服用する際は通常の用法とは違う入力方法を行い、あとで薬袋の修正をかける方法をとっていた。事務員の入力ミス、薬剤師の確認不足で薬袋の表記方法が1回3錠になっており、患者が服用してしまうこととなった」という内容。

 その背景としては「事務員がマニュアルどおりに入力していないことと、薬剤師も薬袋表記を確認できていなかった」ことをあげている。機構は「処方せんは1日3回の決められた時間による内容だったが、対応するコードが無いため独自入力で対応し、後で手直しする方法を採用していたと思われる。マニュアルがあってもそれに従わないと大きな問題につながるケース」とし、事務員と薬剤師による薬袋、薬剤情報提供文書の表記にチェックが重要であるとしている。

 なお、薬局ヒヤリ・ハット事例収集事業への参加薬局数は6314軒となっており、増加傾向にある。

エコチル調査 高知・宿毛市など7市町村でも 妊婦6000人目標に募集

エコチル調査:宿毛市など7市町村でも 妊婦6000人目標に募集 /高知

 環境省が全国15カ所で進めている「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)について、県内拠点のエコチル高知ユニットセンター(UC)は12日、宿毛市など4市2町1村を新たに調査地区に加え、調査に協力してもらう妊婦を1000人増やし6000人とすると発表した。

 胎児期から小児期にかけて、化学物質が体にどのような影響を及ぼすかを調べる調査で昨年1月にスタート。全国10万人規模で妊婦の参加者を募り、子どもが13歳になるまで血液や尿などを分析することで、アレルギーやぜんそく、自閉症などの疾患と水銀や化学物質、生活習慣との関連を調べている。

 県内では当初、高知市など4市町で5000人を3年間で集める計画だったが、他県で東日本大震災のため目標を達成できない地域が出たため、高知の調査地区と参加者を増やすことになった。

 高知UCによると、3月末時点で調査に同意を得られたのは2088人。達成率は全国1位の41・8%。参加者を6000人に増やしても、残り2年間で集めることは十分可能としている。

 新たに調査地区となる宿毛、土佐清水、香南、香美市と黒潮、大月町、三原村では、10月以降に出産予定の妊婦に協力を求める。問い合わせはエコチル調査コールセンター(0120・53・5252)へ。

救急車の出動、1回4万円です…コストを公表

税金の使われ方を詳しく知ってもらおうと、さいたま市は、救急車の出動1回に要した支出相当額など、各行政サービスのコストについて公表を開始した。

 試行として広報紙の発行、税証明書の交付など106事業の人件費、減価償却費などを含めた総経費を開示している。アンケート結果を踏まえて対象の拡大などを進め、今秋にも本格実施する。税金の使い道を「見える数値」として市民に身近に感じてもらうとともに、職員のコスト意識向上を図るのが狙いで、サービスごとに目的、人件費、事務費などの必要経費、財源なども明示。市ホームページで公開し、各区役所でも閲覧できる。

 2011年度でみると、救急車出動1回当たりのコストは報償費、役務費、備品購入費などを含めて4万2425円。広報紙は印刷物としては1部当たり20円だが、人件費や減価償却費などを含めると45円となった。市民が「納税証明書」を受け取る場合、200円の手数料を支払う必要があるが、多数ある税証明書類の交付では、1枚当たり709円要した計算になる。
読売新聞 4月9日(月)

医師の定年制、設けるべき?

m3.com意識調査で、「医師の定年制を設けるべきか」を聞いたところ、医師会員の回答は、「設けるべき」が計44%、「設けるべきではない」が46%で、賛否が分かれました(Q4、詳細な結果はこちら)。定年制を設ける場合、「70歳まで」もしくは「75歳まで」辺りが多いという結果に。

 ご自身は、何歳まで働きたいかを聞いたところ、やはり「70歳まで」「75歳まで」が多く、75歳までの合計は、医師会員では67%、医師以外の会員では78%を占めました(Q5 )。

医師会の在宅医療バックアップ機能、ますます重要  日医総研

日本医師会総合政策研究機構は3月27日に、日医総研ワーキングペーパーとして「病院の在宅医療機能および退院支援に関する実態調査」を発表した。

  社会保障・税一体改革や24年度診療報酬改定では、病院の機能分化(真に入院医療が必要な患者への特化)や、退院患者の受け皿整備が打ち出され、具体的な対応として在宅医療や退院調整の推進が掲げられている。そうした中、日医総研では、2011年11月-12月に、全国の200床未満の中小病院(在宅療養支援病院が18.9%、それ以外が81.1%)が実施している在宅医療(訪問診療・往診)と退院支援の実態について調査を行った。

  結果の中から、特筆すべき点をあげると、(1)在宅患者の緊急一時的入院の受入は、在支病では73.9%が実施していたが、それ以外では31.1%にとどまる(p17参照)(2)入院患者に対し、介護サービスの必要性等を総合的に評価を行っている(総合評価加算を算定している)のは、在支病で21.7%、それ以外で10.8%(p27参照)(3)訪問診療の実施は、在支病では88.7%、それ以外では36.4%(p43参照)(4)夜間や時間外の往診は、在支病で55.7%、それ以外で9.8%が実施(p45参照)(5)患者宅での看取りは、在支病の55.7%、それ以外の14.6%が実施(p47参照)(6)ケアマネとの連携については、在支病の24.3%、それ以外(退院調整部門あり)の23.4%に対して、それ以外(退院調整部門なし)では5.5%に止まる(p71-p72参照)―などとなっており、在支病ではより積極的に在宅医療や介護との連携を実施している状況が再認識できる。

  日医総研では、(a)中小病院の在宅医療では、自己完結型でなく、かかりつけ医等との連携重視型が期待される(b)緊急時入院やレスパイト(介護者等の疲弊を防ぐための入院)の受入は不十分なので、政策的な検討が必要(c)医師会には、在宅医療関係者のネットワーク拠点、バックアップする存在としての役割がますます重要となっている―とコメントしている。

薬学会も6年制薬剤師に期待

 昨年は東日本大震災の影響で中止を余儀なくされ、実質2年振りの開催となる日本薬学会第132年会のテーマは「創薬フロンティアが拓く未来医療」となった。組織委員長を務める松田彰氏は、「薬学研究が創薬の最前線で今まで以上に活躍し、これからの医療に積極的に貢献することを目指すことを特徴として打ち出したい」と意欲的だ。その目標に向けて大きく期待されるのが6年制薬剤師で、西島正弘会頭も「初の卒業生は6年制のパイオニアとして活躍してくれるはず」と力を込める。その一方で「6年制教育は医療人としての薬剤師育成に力を入れているため、大学の研究環境は悪化している側面もある」との懸念も示す。その懸念からか今回の学会では、「6年制教育プログラムの第三者評価」と「実務実習モデル・コアカリキュラムの検証」の2つのシンポジウムが組み込まれた。本紙も開催地となる札幌まで出向き、これらのシンポジウムに耳を傾けることとする。

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