記事一覧

改正介護保険法が成立 たん吸引、介護職に認める

介護職員に、たん吸引などの医療行為を認めて在宅介護の充実を図ることなどを柱とした介護保険法改正案が、15日午前の参院本会議で、民主、自民、公明各党などの賛成多数で、可決、成立した。

 2012年度の介護保険制度改正に向け、65歳以上の月額保険料抑制のため、都道府県の「財政安定化基金」を取り崩せるようにする。これにより、月額保険料を全国平均で5千円程度になるよう抑える。

 医療と介護のケアを同時に必要とする高齢者の自宅を定期的に巡回する訪問サービスを全国で導入。たんの吸引など、原則的に医師や看護師に限られている医療行為を介護職員もできるようにし、在宅ケアを受けやすい環境整備を後押しする。

法か倫理か、救命士の処分がネットで物議

静岡県内の東名高速道路で4月中旬、交通事故の現場で静脈路確保の救命処置を行った茨城県石岡市消防本部の救急救命士の男性(54)が、5月31日付で同本部から停職6か月の懲戒処分を受けた。消防署から持ち出した注射針などを使用し、勤務時間外に医師の指示を受けずに処置を行ったことが、関係法令に抵触する可能性が高いと判断されたためだ。愛知県常滑市でも2月、職務中の救急救命士が、現行法が禁止する心肺停止前の患者に点滴を行った事件が発生しており、法律と倫理のどちらを優先させるかをめぐって、インターネット上で議論が巻き起こっている。

内視鏡検査203人、細菌感染の可能性 神奈川・秦野赤十字病院

秦野赤十字病院(秦野市立野台)は30日、今月初旬から内視鏡器具の消毒が不十分だったため、検査を受けた203人について「細菌感染の可能性が否定できない」と発表した。今後、患者の血液検査で感染の有無を調べる。

 病院側によると、今月24日、自動洗浄消毒装置の使用実績を担当職員が見誤っていたため、交換時期の過ぎた消毒液を使っていたことが判明。今月2日から24日午前10時までの間、内視鏡検査を受けた203人にサルモネラなどの細菌や、ごくまれにB型、C型肝炎のウイルスの感染の可能性が否定できないという。

 病院は表示確認や消毒液交換作業の管理不徹底が事故の原因と説明。6月2日から患者を対象に4回の説明会と血液検査を実施することにしている。
2011年5月31日 提供:毎日新聞社

特別養護老人ホームと老人保健施設の違い

歯科訪問診療の依頼は、病院では主治医や看護師、施設では相談員、居宅では患者家族や介護支援専門員などから寄せられる。そこでその当核患者の居所や要介護などの全身状態を把握することになる。その患者が通所リハビリテーション(デイケア)、通所介護(デイサービス)、施設でも短期ショートスティなどは、原則訪問診療の対象とならないため、確認をしておかなくてはならない。
 また、老健の看護師の職務と特養の看護師の職務は医師の診療補助と医師への連絡調整などで、介護行為を行うために配置されていない。しかし老健の看護師は療養上の世話も含まれているため、口腔ケアについても指示をして実施してもらうことができる。
 また、抜歯などの行為でリスクが高いと考えられる場合には、後方支援病院の歯科口腔外科に入院抜歯を依頼することになるが、特養であれば短期間であれば退所扱いにならないが老健では退所扱いとなり、再度入所するには時間を要することになり、入院抜歯は家族が反対することが少なくない。したがって、次回の改定では、短期入院であれば老健の場合にも、入院抜歯の場合には、退所扱いをやめていただきたい。
          日本歯科医師会雑誌 VOl.64 №2 2011-5

痛風は砂糖入り飲料の摂取が多いことと関係がある

痛風は、砂糖入り飲料の摂取増加と関係があることが報告された。痛風である人と痛風でない人のデータを比較検討した結果、明らかになった。オークランド大学のN. Dalbeth氏らが5月26日、ロンドンで開催されている欧州リウマチ学会(EULAR2011)で発表した。
第12回欧州リウマチ学会

歯が悪いお年寄りも楽しめるフランス料理を作った石原雅弘さん 「職業紹介企画」

東京の「ホテルメトロポリタン エドモント」の中にあるフランス料理のレストラン「フォーグレイン」では、歯が悪いお年寄(としよ)りや、病気でかたいものを飲みこめない人もおいしく食べられる料理が評判(ひょうばん)だ。料理長の石原さんは病院などで出る介護食(かいごしょく)では満足できない人も「笑顔で良かったと言ってくれます」とうれしそうに話す。

 料理は、前菜(ぜんさい)に始まり、スープ、メーン、デザートとふつうのフランス料理と同じコースメニューだが、かまなくても、なめらかに、のどを通るという点だけがちがう。材料はやわらかくにこみ、ミキサーにかけてすりつぶした後で、料理に使っている。フランス料理ではもともと、ムースやピューレなど、こうした調理法(ちょうりほう)が多いので作りやすかったという。

 メーンの「牛肉の赤ワインにこみ」は歯ごたえはないが、口の中で肉のうまみが広がる。肉にそえるブロッコリーやタマネギ、トマトといった野菜は、もとの形はなくなっているが、取れたてで材料の味がわかり、季節感たっぷりだ。

 病気で胃を手術(しゅじゅつ)して、退院(たいいん)したばかりのお客さんに食べやすいメニューを2年前に出したのが、新しい料理を工夫(くふう)するきっかけになった。今では病院から患者(かんじゃ)さんの食事に出すため、作り方を教えてほしいとたのまれている。
2011年5月18日 提供:共同通信社

北海道・災害支援ナース、高齢者ケア手探りで

東日本大震災の被災地には、専門知識を持つ多くの「支援のプロ」が駆け付けている。日本看護協会の「災害支援ナース」もその一つで、4月末までに全国から936人が派遣され、北海道からは東日本で東京(67人)、埼玉(42人)に次ぎ多い40人の看護師が現地入りした。4月中旬、宮城県石巻市で支援に当たった岩見沢訪問看護ステーションの三原清美さん(46)は「今後は福祉系など、いろいろな職種の人の力が必要になる」と語る。

 6~7割が高齢者で、病歴も、受けていた医療も分からない――。4月8~11日、三原さんが赴いた避難所の小学校の当時の状況だ。震災直後は約700人に上った避難者は約70人に減っていたが、医療や介護が必要な災害弱者が多く残されていた。

 お年寄りの中には、寝具や栄養状態の悪さから床ずれを起こしている人もいた。プライバシーなどに配慮しながら状況を探り、必要なケアをするのが三原さんの役目だった。

 東北人の気質なのか、避難している人は誰もが辛抱強くて遠慮がち。健康状態を尋ねると、熱があっても「私は大丈夫」との答えが返ってきた。「迷惑をかけて申し訳ないと感じているようだった。だからこそ、こちらから看護師の目で、昨日と今日の様子の違いを見つけなければならなかった」と振り返る。

 派遣2日目、前日は問題なく歩いていた60代男性が片足を引きずっていることに気付いた。男性は「大丈夫」と答えたが、何度も聞くと、以前に脳梗塞(こうそく)を経験したことがあり、それ以来飲み続けていた血流改善の薬が3日前から切れていることが分かった。日本赤十字社の医療スタッフに橋渡しして薬を処方してもらったが、症状は改善しない。そこで、病院を手配して検査を受けてもらったところ、脳腫瘍が見つかったという。

 三原さんは09年、看護師仲間に誘われて計4日間の災害支援ナース研修を受け、登録をした。震災直後から「いても立ってもいられなかった」といい、被災者の役に立てて「行けてよかった」と話す。北海道看護協会の高橋結子常任理事は「震災前199人だった道内の登録ナースは、3月末には226人になった。登録者の交流会なども開いており、派遣されたナースの経験を共有していきたい」と話している.
2011年5月14日 提供:毎日新聞社

除菌後のGERDは心配無用

ピロリ除菌後の胃酸分泌亢進による胃食道逆流症(GERD)発症を危惧する声がある。しかし、除菌とGERD発症リスクに有意な関連は認められず、GERD患者の自覚症状が除菌で改善するとの報告もある。
ピロリ菌は胃酸を中和し、胃粘膜に炎症を引き起こして消化性潰瘍や癌を引き起こす。そのピロリ菌を除菌すると胃粘膜が修復し、それに伴い胃酸分泌が亢進する。その結果、胃食道逆流症(GERD)が発症しやすくなると一般に考えられている。実際、除菌薬(商品名ランサップ)の添付文書の副作用欄には「胃食道逆流」の記載がある。

 ピロリ除菌とGERDについては、1997年、ドイツの研究者が非GERD患者を対象に除菌群と非除菌群を前向きに調査し、除菌群のGERD発症リスクが高いと報告したことから注目を集めた。

欧米ではGERD増は否定
 しかしその後に行われた、ランダム化比較試験(RCT)では、GERD発症率に関して両群間に有意差は見られなかったとする報告が多い。2010年1月に発表されたメタ解析でも、除菌後に新たなGERDを発症するリスクは、オッズ比1.17(95%信頼区間 0.94-1.45)となり、有意差がないことが確認された

過去ログ