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ALS患者ら、介護行政の遅れ指摘 在宅生活支援のNPO、シンポジウム

全身の筋力が低下する難病「筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症」(ALS)の患者の在宅生活を支援するNPO法人「リターンホーム」が、千葉市でシンポジウム「進化する介護in千葉」を今月開き、介護関係者や識者、ALS患者やその家族らが活発に意見交換した。
ALS患者には、痰(たん)の吸引や呼吸器具使用など医療的ケアを伴う24時間の見守り介護が必要だが、障害者自立支援法の定める「重度訪問介護事業」を引き受ける事業所は少ない。このため患者が地域生活を送るのは難しく、長期入院を強いられるケースが大半だ。
父親が今年ALSを発症した県内の男性は「父は呼吸器を付け命ある限り生きたいと願っているが、家族介護には限界がある」と悩みを吐露した。
討論では、立命館大の立岩真也教授(社会学)が「難病患者に必要な介護保険法と障害者自立支援法の両方を熟知する人材は圧倒的に少ない。地域差もあり、千葉は遅れている」と指摘。介護事業所代表の伊藤佳世子さんは「県内で在宅24時間介護が実現したのは千葉市など3市のみ。自治体の裁量次第だが、担当者には家族が介護すべきだとの考え方が根強い」と介護行政に疑問を表明した。【中川聡子】
2010年10月13日 提供:毎日新聞社

0.67%増の3,277億円、特対費は廃止・組替えへ/国保組合概算要求

厚労省が8月26日に公表した23年度予算概算要求では、国保組合の助成費として22年度予算比0.67%増の3,277億円を要求した。被保険者数を1.6%減の355.5万人、1人あたり医療費を3.6%増の18万4,597円、医療費総額を1.9%増の6,194億円と見込んだ結果、「療養給付費補助金」の要求額は1.47%増の2,217億円となった。
 国保組合の補助金制度は来年度から大きく見直される予定。概算要求では「特別対策費補助金」の要求額がゼロとなっている。厚労省では「特別対策費補助金については概算要求ではゼロとされているが、補助金制度全体を見直す中で、同様の機能を維持し、保険者機能の強化を支援する仕組みを検討する」としている。
      「国保情報(国保中央会発行)№974~976より転載」

70~74歳、窓口負担2割に 現行1割から引き上げ 13年度から5年かけ 新高齢者医療で厚労省方針

厚生労働省は2日、2013年度に導入予定の新たな高齢者医療制度で、医療機関の窓口で支払う患者の自己負担割合について、現在は暫定的に1割となっている70~74歳の負担を見直し、早ければ13年度から段階的に2割負担に引き上げる方針を固めた。

 新制度では現役世代の負担増が避けられない見通しとなったことから、厚労省は高齢者にも応分の負担を求める考え。高齢者の窓口負担は総額で1700億円増える一方、公費投入は同程度減ると試算している。ただ、負担増には政府、与党内にも慎重な意見があり、調整は難航しそうだ。

 厚労省の方針では、早ければ13年度に70歳を迎えた人(10年度に67歳)から引き上げを開始。5年間かけて年度経過ごとに順次、70歳になる人へ対象を広げ、70~74歳の全体が2割負担となるのは17年度の見通しだ。現在68歳以上の人は1割負担のまま。
2010年10月4日 提供:共同通信社

 方針通り見直されれば、高齢者の窓口負担は、一般的な所得の人で(1)75歳以上が1割(2)70~74歳が2割(3)69歳以下は3割-と整理される。

 ただ、70歳以上でも課税所得が145万円以上で、かつ夫婦の合計年収が520万円以上(単身は年収383万円以上)の世帯は「現役並み所得」と扱われ、現行通り3割負担だ。

 70~74歳の窓口負担は本来、自公政権の法改正に基づき08年度から2割になる予定だった。だが同年度の後期高齢者医療制度開始に伴う高齢者の負担軽減策の一環で、それまでの1割を維持し引き上げを凍結していた。

 後期医療制度廃止後の新制度では、75歳以上は国民健康保険か、健康保険組合など被用者保険に移る予定。高齢者医療の枠組みが変わるのに合わせ、厚労省は現在の負担軽減策を見直し、本来の規定に戻すことにした。

※新高齢者医療制度

 後期高齢者医療制度を2012年度末に廃止し、13年度から75歳以上は国民健康保険(国保)か被用者保険に加入。国保に約1200万人、被用者保険に約200万人が後期医療から移る。75歳以上の国保は都道府県単位の運営とし、財政も区分し別会計とする方向。厚生労働省は、一連の見直しを盛り込んだ関連法案を11年の通常国会に提出することを目指している。

インフル予防接種開始 新型と季節性混合ワクチン

今シーズンのインフルエンザの予防接種が1日、スタート。この日に開始しなかった医療機関も順次始める。厚生労働省によると、使われるのは昨年から今年にかけて流行した新型インフルエンザと、季節性のA香港型、B型の計3種類を混ぜたワクチン。

 最大約5300万回分と見込まれる需要に対し、5800万回分以上が供給できる見通し。昨シーズンの新型ワクチンのように、接種を受ける人の優先順位は付けない。費用は自治体ごとに違うが、多くが3600円前後になるとみられる。

 国立感染症研究所によると、全国の定点医療機関から報告されるインフルエンザ患者は依然、流行入りの指標よりもかなり低い水準。ただ、夏の間も学校などで集団発生は散発し、新型やA香港型のウイルスも検出されているという。

障害者自立支援法改正、6団体中5団体が難色―民主PT

民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」は9月28日、5回目の会合を開き、障害者自立支援法の見直しの在り方について障害当事者団体からヒアリングした。ヒアリングに参加した6団体のうち5団体が同法の改正に難色を示した。

薬包装誤飲 のどに傷、86件 高齢者ら10年間で

国民生活センターは15日、錠剤を包装シートごと誤ってのみ込み、のどなどを傷つける事故が00年からの10年間で高齢者を中心に86件あったと発表した。60代以上が8割を占め、10件は入院が必要なほど重症。1錠ずつ切り分けていたため、間違えてのみ込むケースが目立った。

 包装シートはプラスチックにアルミなどを張り付けており、誤飲を防ぐため、96年から手で切り離せない構造に改良された。包装はレントゲンで見つかりにくく、08年には内視鏡検査で80代男性から包装が見つかり、十二指腸に穴があいていた。同センターは「1回分の薬の量が多い場合や急いでいる場合、誤飲が起きやすい。1錠ずつに切り離さず、周りの人も気を配ってほしい」と話している。
2010年9月16日 提供:毎日新聞社

様変わりする手術部位感染予防法 

「手術前の手洗いは、ブラシは使わず、石けんと流水で汚れを落とした後に速乾性擦込式アルコール製剤を使用」「抗菌薬投与は術後2、3日までがメド」「滅菌被覆材は術後48時間まで」―。
手術部位感染(SSI:surgical site infection)の予防法は、ここ数年で大きく様変わりしました。きっかけは、米疾病対策センター(CDC)が1999年に発表
した「手術部位感染予防ガイドライン(SSI予防ガイドライン)」。これにより、術前の剃毛やブラシによる手洗い、創面への消毒など、従来の“常識”の多くが否定されました。

嚥下機能訓練と口腔ケアで誤嚥を防ぐ

全身状態が徐々に悪化してしまう在宅高齢者の場合、誤嚥性肺炎の根本的な原因を取り除くのは難しい。それでも、肺炎の頻度が減らせるとして最近注目を集めているのが歯科の介入だ。

 誤嚥性肺炎の原因となる誤嚥には、(1)嘔吐して吐物を誤嚥、(2)食事中の誤嚥、(3)就寝中に唾液と一緒に口腔内細菌を誤嚥―の3つのパターンがある。これらをなるべく防ぐことが重要だ。

 日大歯学部摂食機能療法学准教授の戸原玄氏は、医師やケアマネジャーなどから依頼があった患者の家に訪問し、(1)(2)に対しては摂食嚥下機能の評価や嚥下リハビリ、(3)に対しては口腔ケアを行っている。

 戸原氏は、初診時に経鼻細径内視鏡を使ったビデオ嚥下内視鏡検査(VE)で患者の嚥下機能評価を行っている。この検査は、直径3mm程度の細経内視鏡を鼻から咽頭部まで挿入し、咽頭部を観察しながら食事をしてもらうというもの。飲食物を飲み込む瞬間や直後の残留具合を確認することで、患者が安全に食べられる食事の内容や、リハビリの必要性を正確に把握できる。

 むせこみや食べこぼしなどの見た目の判断だけでは、誤嚥の有無や嚥下機能は評価できない。VEで観察すると、本来は食形態(きざみ、とろみなど)の調整が必要なのにそのまま普通の食事を食べていたり、逆に訓練すれば経口摂取が可能なのに経管栄養だけで摂取していたりと、食事摂取の方法が嚥下機能と合っていない患者がとても多いことが分かるという。「嚥下機能に見合った食形態(とろみ、きざみなど)や食べ方を指導することで誤嚥は減らせる」と戸原氏は話している。

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