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両親のDV目撃、脳に悪影響

子どもこ頃に両親の家庭内暴力(DV)を見て育つと、脳の発達に悪影響を及ぼすことが、熊本大の友田明美准教授(小児発達学)らの研究で分かった。児童虐待防止法では暴力を目撃することも心的外傷を与えるとして児童虐待に当たるとされており、医学的に裏付けられた形だ。
 研究は米ハーバード大と共同で米国人を対象に実施。3~17歳時に自身は虐待を受けず、日常的に父親が母親に殴るけるなどの激しい暴力をふるう姿を目撃した18~25歳の男女15人と、虐待のない家庭で育った33人を選び、MRIで比較した。その結果、目撃経験者は目からの情報を処理する右脳の「視覚野」の容積が、目撃したことのない人に比べ平均20.5%も小さかった。
 視覚野の血流量を調べると、目撃経験者の方が8.1%も多く、これは神経活動が過敏になっている特徴だという。学力や記憶力も調べたところ、目撃経験者の方が低い傾向が出た。
              4月23日/読売新聞

他医療機関での投薬、受診日以外も算定可

厚生労働省はこのほど、出来高入院料を算定する病床の入院患者に専門的な診療が必要となって他の医療機関の外来を受診した際に、外来医療機関がその診療に特有の薬剤を用いた投薬の費用を受診日以外でも算定できるとする事務連絡を、全国の地方厚生局などに出した。また、薬局で調剤した場合は、その薬局で調剤の費用を算定できる。
 事務連絡では、算定できる投薬の費用として、調剤料、薬剤料などのほか、これまで算定できなかった処方料や処方せん料も挙げている。廃止となった4月30日付事務連絡の問23では、他の医療機関や薬局が処方や調剤を行った薬剤料は入院医療機関が請求を行い、入院医療機関が他の医療機関や薬局に対して合議で取り決めた費用を支払うなどとしていた。

 出来高病棟に入院する患者が他の医療機関を受診した際、他の医療機関が院内処方を行う場合は、入院医療機関に対して処方の内容を情報提供する。他の医療機関が処方せんを交付する場合には、処方せんの備考欄に、▽入院中の患者であること▽入院医療機関の名称▽出来高入院料を算定している患者か否か―を記載して交付する。
 また、入院医療機関の診療報酬明細書には、他の医療機関で受診した診療科を、他の医療機関の診療報酬明細書には入院医療機関の入院中の診療科を記載する。

 入院基本料などを出来高算定している病棟の入院患者が、他の医療機関の外来を受診した場合の費用算定をめぐっては、今年4月の診療報酬改定で、外来診療を受け入れた医療機関が、初・再診料のほか、受診日に使った「専門的な診療に特有な薬剤」などの費用を算定するなどのルールが明確化された。
 しかし、今月2日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で診療側委員から、外来医療機関が受診日以外の投薬・注射の費用を算定できなくなるため、ルールの見直しを求める声が相次いだ。これに対し、厚労省側は、新たなルールを月内に決定すると説明していた。
( 2010年06月08日 10:45 キャリアブレイン )

「わたしたち抜きに決めないで!」自立支援法改正案可決に怒りー総合福祉部会

内閣府の「障がい者制度改革推進会議」は6月1日、障害者自立支援法に代わる新法「障がい者総合福祉法」(仮称)のあり方を議論する「総合福祉部会」の第3回会合を開催した。会合では、障害者自立支援法改正案が衆院厚生労働委員会で可決されたことについて、「わたしたちのことをわたしたち抜きで決めないで!」などと出席した委員らの怒りが爆発した。
 議員立法で提出された障害者自立支援法改正案は、5月28日に衆院厚労委で民主、自民両党などの賛成多数で可決された。これについて、部会の委員からは「政府から依頼されて議論しているのに、われわれに何の連絡もなかった。部会の議論の中身が十分に反映されていない改正法案を拙速に議員立法することは、(国と障害者自立支援法違憲訴訟団の)基本合意書に反する、われわれを愚弄する行為だ」などの声が多数上がった。

障害者自立支援法改正案が可決、利用者負担見直し

参院厚生労働委員会は5月28日、医療・福祉サービスの利用者負担の見直しなどから成る障害者自立支援法の改正案を、民主、自民両党などの賛成多数で可決した。共産、社民両党は反対した。法案は今国会で成立する見通し。
 法案は、利用者のサービス量で負担が決まる「応益負担」から、所得に応じた「応能負担」に改めることなどが骨子。障害者の範囲に新たに発達障害者を明記することも盛り込んだ。

 政府は、障害者自立支援法を違憲とする訴訟団と今年1月に和解し、2013年8月までに障害者自立支援法を廃止して新制度を創設する方針。改正案はそれまでの暫定措置という位置付けで、利用者負担の見直しは、訴訟団が緊急課題として政府に速やかな対応を求めていた。
( 2010年05月28日 21:10 キャリアブレイン )

新任研修、4割の介護職員「受けていない」

介護関連の施設で働く職員の4割が、新任研修を受けずに現場の業務を担当していることが、介護労働安定センターのアンケート調査で明らかになった。さらに、新任時のOJT(現場実習指導)については、4人に1人の職員が満足していないことも分かり、介護業界における人材育成体制の未熟さが改めて浮き彫りになった。

 介護労働安定センターは昨年7月、全国の介護保険サービスを実施する事業所に所属する職員の中から無作為に1000人を選び、新任研修の有無や、社内外で受けた研修の内容などについて郵送による調査を実施。有効回答が得られた289人分のアンケート結果について分析を行った。
 
 その結果、新任研修については、「受けていない」との回答が全体の40.8%に達し、「受けた」(39.8%)を上回った。研修の有無について「不明」としたのは19.4%。

 社内研修については「受けた」が60.6%、「受けていない」が24.6%、社外研修については「受けた」が50.5%、「受けていない」が26.3%となっており、新任研修の実施率の低さが際立っている。

 また、新任時のOJTについては「受けた」が63.0%だったが、「受けていない」も32.9%に上った。OJTの内容に対しては、25.7%の職員が「不満」か「やや不満」「どちらでもない」と回答していた。

■研修内容と職員のニーズに食い違いも

 新任研修の具体的な内容(10個以内で回答)では、「接遇・マナー」が最多で、次いで「介護技術(実技)」「介護保険法・制度」「個人情報保護法」などが多かった。一方、職員が新任時に受けたかった研修の内容(10個以内で回答)では、「医学の基礎知識」「介護保険法・制度」が最も多く、以下は「認知症」「介護技術(実技)」「介護における医行為」と続いており、実際に行われている新任研修の内容と現場職員のニーズに食い違いが生じていることも明らかになった。
( 2010年05月27日 18:32 キャリアブレイン )

老人介護施設で8千人が「虐待」の身体拘束

高齢者虐待防止法で「虐待」とされる違法な身体拘束を受けている高齢者は、全国の主要介護施設で約8000人いることが、5月24日までに厚生労働省研究班の調査で分かった。虐待に当たらないものも含めると、身体拘束を受けている高齢者は約3万2000人いるとしている。
 調査は昨年、全国の特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設、認知症グループホームに実施し、5314施設から回答を得た(回収率23.9%)。

 2005年の前回調査と比較可能な特養、老健、介護療養型で見ると、拘束率は2.0ポイント減の3.2%、このうち「虐待」に当たる違法な拘束率は10.7ポイント減の21.4%だった。身体拘束を原則として禁止している施設の割合が、8.2ポイント増の23.4%になったことが影響した。

 医療・介護施設全体で見ると、11万人を超える高齢者が身体拘束を受けており、このうち3万4000人は「虐待」を受けていると推計している。

 一方、8割を超える介護施設が、身体拘束の減少が目指せると回答。調査結果では、身体拘束の「代替策の実行」「見直しの実行」「合議体による判断」を行政の指導と併せて実施することが必要だと提言している。
( 2010年05月24日 22:21 キャリアブレイン )

子どもが心肺停止 すぐに蘇生術で社会復帰2.6倍

事故などで子どもが心肺停止となっても、そこに居合わせた人が蘇生術を試みることで、社会復帰の確率が高まることが、わかった。総務省消防庁のデータを石見拓・京都大助教らの研究チームが解析。一般の人による蘇生が子どもに有効だと示せたのは、世界でも初めてという。
 2005年1月~07年12月、病院外で心肺停止になった17歳以下の5千人以上の例を検討。倒れた場所で、居合わせた人から心肺蘇生を受けたのは2439人。1ヶ月後、後遺症をほとんど残さず学校などに復帰できたのは110人だった。蘇生を受けなかった2719人では同53人。病院到着までの時間といった要因を考慮すると、蘇生がある場合の復帰率は2.59倍となった。
              小児歯科臨床 2010年5月号

養育放棄3割が無職 経済格差も背景

児童虐待をした親や保護者について全国児童相談所長会が調べたところ、全体では2割が無職だったのに対し、ネグレクト(養育放棄)をした親などに限っては3割が無職で、1.5倍に上っていることが分かった。非正規雇用の割合も、全体では19%だったのにネグレクトでは26%。親たちの経済格差がネグレクトにつながっている疑いが浮かんだ。
 調査は08年4月の改正児童虐待防止法施行などを受け、同所長会が実施。同月から08年6月にかけ、全国195カ所の児童相談所が虐待として対応した8108人について集計した。
 加害者側の就労状況を見ると、全体では、正規就労が30.2%、無職20.4%、非正規就労19.2%の順。しかし、ネグレクトに限れば無職が30.9%、非正規雇用26.4%、正規就労19.3%、無職と非正規雇用の合計は6割近くに達した。
 虐待の背景とみられる家庭状況(複数回答)は、全体では経済的困難33.6%、親たちの心身状態に問題がある31.1%、ひとり親家庭26.5%。一方、ネグレクトに限ると、経済的困難54.1%、ひとり親家庭41.1%、親たちの心身状態に問題がある33.8%。全体では3分の1だった経済的困難が、ネグレクトでは半数を超えていた。
              小児歯科臨床 2010年5月号

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