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糖尿病 下 免疫低下で原因菌増加

近年、関連が明らかになってきた糖尿病と歯周病。糖尿病患者は歯周病にかかりやすく、歯周病は糖尿病の「第六の合併症」と呼ばれている。一方で、歯周病が糖尿病を悪化させることも分かってきており、歯科医師と糖尿病を診る内科医との連携が始まっている。
 歯周病は細菌による感染症。その細菌はどの人の口の中にも存在するが、生活習慣の乱れや加齢、糖尿病などの病気といったさまざまな要因が加わって発症する。
 糖尿病が進むと、高血糖状態が続き、体の免疫機能が低下、歯周病を起こす特殊な細菌も増える。また、歯周病がすでに口の中にあって重症化すると、細菌と戦おうと、炎症性細胞から「TNF-a」と呼ばれるタンパク質が大量に出される。このTNF-aがインスリンの働きを悪くして、血糖コントロールも悪化させると考えられている。
             東京新聞 2010.2.19

中年期の大幅な体重の増減、死亡リスク上昇に関連

厚生労働省の研究班は3月23日、「中年期における大幅な体重の減少・増加はともにその後の死亡リスクの上昇に関連している」との研究結果を発表した。
 調査は、1990年と93年に、岩手県二戸、秋田県横手、新潟県長岡、長野県佐久、茨城県水戸、東京都葛飾区、大阪府吹田、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県中部・宮古の11保健所管内に住んでいた人のうち、がんや循環器疾患になっていなかった40-69歳の男女約8万人を2005年まで追跡。その結果を基に、研究開始時から5年間の体重変化と、5年後以降の総死亡、がん死亡、循環器疾患死亡との関連を調べた。
 5年後の調査から約8.7年の追跡期間中に、4232人の死亡が確認され、このうちがん死亡は1872人、循環器疾患死亡は1021人だった。

 研究班は、研究開始時と5年後調査時の体重を基に、5年間の体重の変化を算出し、「5kg以上減少」「2.5-4.9kg減少」「2.4kg以内の変化」「2.5-4.9kg増加」「5kg以上増加」の5グループに分類して、死因別死亡リスクを調べた。

 その結果、中年期の5年間に体重があまり変化しなかった「2.4kg以内の変化」群と比べると、「5kg以上減少」群では総死亡リスクが男性1.4倍、女性は1.7倍に上昇。「5kg以上増加」群では総死亡リスクが、男女ともに1.3倍に上昇した。また、がん死亡のリスクは、「5kg以上減少」群で男女ともに1.5倍、循環器疾患死亡のリスクは、女性の「5kg以上増加」群で1.9倍に上昇した。

 今回の研究で、中年期における大幅な体重の変化がその後の死亡リスクの上昇に関連していることや、特に体重減少に伴うリスク上昇が顕著であるという結果が得られた。研究班では「体重をある範囲内に維持していることが生命予後にとって好ましい状態であることが示唆される」としている。
 なお、今回の調査では、体重減少の理由は把握していないため、研究班はこの点についてさらに検討が必要と指摘している。

 詳しくは、厚労省研究班による多目的コホート研究のホームページで。
更新:2010/03/24 13:10 

看護師以外の医療スタッフの役割も拡大へ

厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」が3月19日に大筋で了承した報告書案では、薬剤師や管理栄養士、臨床工学技士など、看護師以外の医療スタッフの役割の拡大についても、法律やガイドラインなどの解釈を「明確化する」方向性が示された。同省医政局の杉野剛医事課長は検討会終了後、記者団に対し、「早い段階で、(現行法やガイドラインなどで可能な)行為の範囲を明確化する通知を発出する準備に入りたい」と述べた。
 薬剤師については、薬剤の選択、投与の量・方法・期間など積極的な処方の提案や、薬物療法中の患者(在宅も含む)に対する薬学的管理(副作用の状況把握、服薬指導など)などに関して、活用を促すよう業務内容を明確化すべきとしている。

 リハビリテーションの関係職種については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士に関する法律やガイドラインなどの解釈を明確化すべきとしている。
 理学療法士については、患者の姿勢を変えて痰をのど元まで移動させる「体位排痰法」を安全で適切に行うため、喀痰吸引は「当然に必要となる行為」とし、これを認める方向性が示された。また、作業療法士では、作業療法士法2条の「その他の作業を行わせること」の解釈を明確化し、発達障害や高次機能障害などへのリハビリテーションなど、チーム医療における専門性を発揮できるようにする。さらに、言語聴覚士では、嚥下訓練の際に喀痰吸引が必要となる場合があるため、現行法で可能な行為として明確化すべきとしている。

 管理栄養士では、特別治療食の内容や食事形態、軽腸栄養療剤の種類の選択について、医師に提案(変更を含む)できることを明確化すべきとしている。一方、臨床工学技士では、気管挿管チューブ内の喀痰の吸引や動脈に留置されたカテーテルからの採血について、ガイドラインで解釈を明確化すべきとしている。
更新:2010/03/19 22:35  キャリアブレイン

糖尿病 中 膵臓保護する新薬も

糖尿病治療には、過食や運動不足といった悪習慣を改善しても血糖値を十分にコントロールできない場合、薬物療法が加わる。比較的早期から正常に近い血糖値を実現して、膵臓の保護や合併症の予防につなげる治療が重要とされている。
「経口血糖降下薬」と呼ばれる飲み薬と、自分で注射するインスリン治療が中心だが、昨年末には「インクレチン」というホルモンの働きに着目した新たな治療薬も加わり、注目を集めている。生活習慣の改善指導に加え、併用可能な飲み薬による治療を行っても十分な血糖コントロールが得られない場合はインスリン注射の出番となる。
 一方、インスリン分泌促進薬などの飲み薬に、持効型のインスリン注射を1日1回上乗せする治療方法も広がりをみせている。1日4回の注射が難しい人にとっては、注射が1回で済む簡便性は魅力。入院せずに外来でインスリン注射を始められる点も評価されている。
             東京新聞 2010.2.12

禁煙したい喫煙者、「増税を機に」が6割以上

禁煙・節煙意向を持つ6割以上の喫煙者が、今年10月から予定されている1箱当たり100円の増税を機に、たばこをやめたいと思っていることが、ジョンソン・エンド・ジョンソンの調べで分かった。
 調査は今年2月、禁煙・節煙を考えている全国の20-50歳代の喫煙者を対象に、たばこ増税が禁煙・節煙意向に与える影響などを把握することを目的として、インターネット上で実施。312人から回答を得た。

 調査結果によると、「増税を機に本数を徐々に減らし、やめたいと思う」が40.7%で最も多く、次いで「増税を機に完全にやめたいと思う」(21.5%)、「増税を機に本数は減らしたいが、やめたいとは思わない」(20.2%)、「やめたい、減らしたいと思っているが、増税とは関係ない」(17.6%)の順だった。

 また、禁煙・節煙関連の製品を選ぶとき、重要だと思うポイントを聞いたところ(複数回答)、「吸いたくなった時にすぐ吸いたい気持ちを抑えてくれる」(56.4%)、「効果を感じられる」(53.5%)、「禁煙時のイライラを感じない」(52.9%)、「簡単に使える」(50.0%)などが多かった。

 さらに今回のたばこ増税については、「やむを得ないと思う」が45.2%、「納得ができない」が54.8%だった。
更新:2010/03/16 12:15  キャリアブレイン

インフル、流行指標下回る―患者6週連続減で

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全国のインフルエンザ定点医療機関当たりの患者報告数が、3月1-7日の週に0.77となり、全国的な流行の指標となる「1.0」を下回ったことが12日、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。1.0を下回ったのは昨年8月3-9日以来、約7か月ぶり。
 定点当たり報告数は前週より0.59ポイント減り、6週連続の減少となった。定点以外を含む全国の医療機関を受診した推計患者数は、前週より3万人減の約4万人。検出されるインフルエンザウイルスのほとんどが新型になった7月6-12日以降の累積は2063万人になった。ただ、最近ではA香港型やB型のウイルスも散発的に検出されているという。
定点当たり報告数を都道府県別に見ると、秋田と京都を除く45都道府県で前週よりも減少した。少ないのは愛媛(0.03)、和歌山(0.08)、高知(0.17)などで、37都道府県が1.0を下回った=表=。一方、最多は佐賀(2.95)で、次いで新潟(2.35)、富山(2.08)などの順だった。

 警報レベルを超えた保健所地域は3週連続でゼロ。前週は4か所あった注意報レベルのみを超えた保健所地域も無くなった。
更新:2010/03/12 12:42  キャリアブレイン

グループホームの防火体制点検を―厚労省

札幌市の認知症高齢者グループホーム「みらいとんでん」で3月13日未明に発生した火災を受け、厚生労働省は14日、グループホームの防火安全体制などを点検するよう求める通知を都道府県などにあてて出した。
 通知では、▽非常災害に関する具体的計画の策定状況▽非常災害時の関係機関への通報体制などの構築状況▽定期的な従業者に対するこれらの周知状況▽定期的な避難訓練の実施状況―の4点について点検を行うよう求めている。

 認知症高齢者グループホームなどの防火安全体制をめぐっては、昨年4月に施行された消防法施行令で、延べ床面積275平方メートル以上の施設にはスプリンクラーの設置が、また、すべての施設に自動火災報知設備や消防機関に通報するための火災報知設備の設置が新たに義務付けられた。しかし、既存の施設については設置が2011年度末まで猶予されている。通知では、火災に対して一定の効果が期待できるとして、速やかに設置を進めるよう求めている。

 「みらいとんでん」で発生した火災では、入所者7人が死亡した。この施設は木造2階建てで、自動火災報知設備や消防機関に通報するための火災報知設備は未設置だった。延べ床面積は約250平方メートルで、スプリンクラー設置の対象外だった。
更新:2010/03/16 16:26  キャリアブレイン

OECD並み医療費「4年間でと確約できない」  

衆院予算委員会は2月26日、社会保障をテーマに集中審議を行った。
昨年夏の総選挙のマニフェストの基となった「民主党政策集INDEX2009」
に盛り込まれた「総医療費をGDP比で経済協力開発機構(OECD)加盟
国平均まで引き上げる」とした方針について、鳩山由紀夫首相は「努力
はするが、4年間でと確約できるとは必ずしも限らない」と発言。自民党
の大村秀章・前厚生労働副大臣は「国民を欺く詐欺的行為だ」と批判
した。
 鳩山首相は政策集の位置付けについて「目指す国の在り方の指針
として書いたもの。マニフェストと違い、すべて4年間でやると約束した
ものではない」と説明。「やるかやらないか、ゼロか1かという話ではな
い。今後、引き上げるということで、そういう方向で努力することは間違
いない」と述べた。長妻昭厚生労働相も「初年度に一気に上げることが
できればいいが、そういう状況ではない」とし、「(旧政権が行った)社会
保障費の2200億円削減の立て直しを今やっているところだ」と述べた。
 これに対し大村氏は「詐欺的行為だ。努力するが、やるかどうか分か
らないという答弁では納得できない」と批判。医療費の引き上げに向け
た工程表を示すべきだと指摘した。
 さらに大村氏は、2010年度診療報酬改定の改定率は「マイナスだっ
た」とあらためて指摘。09年度第1次補正予算の執行停止と合わせ
「命を守るというのはポーズか」と迫った。
 鳩山首相は「地域の医療崩壊を招いたのは旧政権じゃないんです
か」と返し、「前政権の過ちを繰り返してはいけないということで、本体
は前回の4倍も増やし、医療崩壊の現場を救おうというのが基本的な
考え方」と強調。長妻厚労相も「補正予算のような単年度の措置では
なく、10年ぶりにネットプラスを実現し、恒久的な措置として医療を立
て直していく」と述べた。

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