新型コロナウイルス感染者の急増で、解熱鎮痛剤「カロナール」が医療機関で不足しているとして、後藤茂之厚生労働相は29日の記者会見で、過度な買い占めを控えるよう医療機関や薬局に周知すると明らかにし「適切な対応をしていく」と述べた。
カロナールは、発熱や喉の痛みなどに有効な成分アセトアミノフェンを含む処方薬。後藤氏は「急激な感染拡大で需要が急増し、製薬企業からの供給が厳しくなっている」と説明し、特に必要としている患者に処方できるよう、代替薬が使用可能な場合は別の薬を使うことも求める。
新型コロナウイルス感染者の急増で、解熱鎮痛剤「カロナール」が医療機関で不足しているとして、後藤茂之厚生労働相は29日の記者会見で、過度な買い占めを控えるよう医療機関や薬局に周知すると明らかにし「適切な対応をしていく」と述べた。
カロナールは、発熱や喉の痛みなどに有効な成分アセトアミノフェンを含む処方薬。後藤氏は「急激な感染拡大で需要が急増し、製薬企業からの供給が厳しくなっている」と説明し、特に必要としている患者に処方できるよう、代替薬が使用可能な場合は別の薬を使うことも求める。
日本救急医学会などは15日、新型コロナウイルス流行下の熱中症診療に関する手引を公表し、「マスクの着用が熱中症のリスクとなる根拠はない」と明らかにした。マスクを外すことで息苦しさは軽減されても熱中症予防にはならないとして、主に部屋の換気やエアコンの活用、水分補給などを行うよう呼びかけた。
学会などは、熱中症と新型コロナとの関連を調べた国内外の文献を分析。その結果、健康な若年成人の場合、マスクを着用した状態で、暑い中での1時間程度の軽い運動や、20分のランニング程度では、着用していない場合と比べて運動後の体温の上昇に違いはみられなかったという。ただ、高齢者や子ども、既往症がある人に関するデータはなく、注意が必要という。
学会の横堀将司・日本医大教授は「『熱中症予防のためにマスクを外しなさい』というメッセージは、国民をミスリードする可能性がある。場面に応じて着用を判断し、(感染対策との)両立を考えてほしい」とした。
91歳、男性。胃瘻にて栄養を摂取していますが、誤嚥性肺炎を併発しています。どのように対処すべきでしょうか
まずは胃瘻からの経腸栄養を中断
まずは、胃瘻からの経腸栄養を中断することです。栄養補給に関しては、短期間であれば末梢からの輸液でOKと考えます。ただ、肺炎が軽快後も誤嚥を起こすリスクは相当高いと考えて、栄養補給のルートを患者本人や家人と相談されるのがよろしいかと思います。年齢から意味がないとおっしゃる先生も多いのですが、実際の場に立ち会っていると理屈先行とはいきません。患者や家人の希望、また患者の状態によっては、高カロリー輸液も選択肢に上がると考えます。
へき地医療に尽力する医師をたたえる「第9回やぶ医者大賞」の審査会が25日、兵庫県養父市内であり、丹波市の兵庫県立丹波医療センターの見坂恒明さん(47)と、広島県尾道市にある百島診療所の次田展之さん(49)が選ばれた。
同賞は、養父市が若手医師の育成や医療過疎地域の発展を目的に2014年に創設。能力の劣る医者を意味する「やぶ医者」の語源が、かつて同市にいた名医とする説にちなむ。今回は全国から7人の応募があり、市医師会の枚田一広会長ら医療関係者が審査した。
丹波医療センターで地域医療教育センター長を務める見坂さんは、県内医師として初の受賞。住民と協力してホームステイ形式で医学部生の実習セミナーを開き、若手医師が自ら考えて診療することを主眼とした指導など、教育への熱心な取り組みが評価された。
次田さんは、医師が不在だった百島(人口約400人、高齢化率66・9%)で11年に診療所を開設。小型船に加え、ヘリコプターを操縦し、近隣の離島へも訪問診療を続ける。地元の子どもたちが手作りしたかるた「みんなの百島」では、次田さん自身が「島の名医」として登場するなど住民に親しまれている。
精神病性障害で初めて入院した患者の縦断コホート研究(Suffolk County Mental Health Project)のデータを用いて、精神病性障害患者428例(統合失調症212例、他の精神病性障害216例)の一般認知能力の長期的な推移をコホート研究で調査。学校の記録および診療記録から入院前の認知スコアを抽出し、精神障害発症から6カ月後、24カ月後、20年後および25年後の経過観察時の神経心理学的検査に基づき認知スコアを算出した。
精神障害発症時の平均年齢は27歳だった。認知能力の変化に正常、低下、悪化の3つの段階が観察された。統合失調症患者では、発症14年前から知能指数(IQ)0.35ポイント/年(P<0.001)の割合で認知機能が低下し始め、他の精神病性障害患者(年IQ 0.15ポイント低下、P<0.001)よりも低下速度が有意に速かった。発症22年後、統合失調症患者と他の精神病性障害患者ともに、IQが0.59ポイント/年(P<0.001)の割合で低下していた。
新型コロナウイルスの感染者数は減少傾向で、政府は社会経済活動の全面再開を探る。一方で重い後遺症に苦しみ、生活に支障を来す人が全国で相次いでいる。各党の参院選公約で後遺症への言及はほとんどない。症状を訴える夫妻の夫は「国は何もしてくれない。取り残されてしまったと感じる」と政治への不信感を募らせる。
どうにもならない倦怠(けんたい)感。少し無理をすると激しい疲労で身動きできなくなる。北海道東部に住む60代の夫と50代の妻は2年以上、体の不調が続いている。夫は一時ほぼ寝たきりとなって休職し、今も外出は難しい。体調不良をこらえながら妻が介助している。
夫妻は2020年2月、道内のホテルに宿泊した後、せきや発熱などコロナの症状が出た。夫が1週間後に受けたPCR検査は陰性。妻は検査を受けられなかった。夫はひどいだるさや耳鳴りにさいなまれ、妻の体調も悪化した。
地元の病院を回ったが「精神的なもの」と相手にされず、医師に「コロナかも」と尋ねると鼻で笑われたことも。夫は「保健所に連絡しても『なんのために電話してきた』と言われた」と憤る。
20年8月に車で4時間かかる道内の医療機関を受診。2人とも筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と診断された。ウイルス性疾患流行後に集団発生することが知られており、コロナ感染後に発症するケースが多発している。
オンライン受診した東京の専門医には「典型的なコロナ後遺症だ」と明言された。だが検査が陽性でなかったため自治体の相談窓口は対応してくれず、支援の枠組みからこぼれ落ちている。
妻は「誰も助けてくれない。先が見えず、夫の症状が本当にひどかった時は死ぬことも考えた」。夫は「医師が対応しないと福祉も動かない。同じ境遇の人は大勢いるが、一部の医師が奮闘しているだけで政府は何もしていない」と吐露した。
外国人観光客の受け入れが再開し、新たな観光支援事業も取り沙汰される。岸田政権は防衛費の大幅増を掲げ、参院選では安全保障が争点の一つに。妻はもどかしそうな口調で言った。「こっちにも安全をくれ。コロナは終わっていない。後遺症をなかったことにするのだけはやめて」
国立成育医療研究センター(東京)が、自分の体を傷つける子どもを支援しようと、対応策をまとめたリーフレットをホームページで公表している。担当者は「自傷行為を頭ごなしに否定すると、つらい状況の子どもたちを一層孤立させかねない」と指摘し「まずはひとりではないと伝えたい」と強調した。
センターが昨年12月、およそ300人を対象に実施した調査によると「自分の体を傷つけたことがある」と答えた割合は小学4~6年生で14%、中学生12%、高校生25%に上る。
リーフレットには、傷つけたくなった場合は「手首や腕に赤ペンで線を引く」「スマートフォンや紙に書き殴る」といった対応策を示した。気持ちが落ち着いている状況ならば、自分だけが読める日記をつけてみる。自分がいつ傷つける傾向があるのかの分析も提案した。傷つけてしまったら、その部分を清潔にするといった手当てを行う。
つらい状況を解決する手段は自傷だけでないと思える日が来るかもしれないと指摘。相談に関しては「相談先リストから幾つかを選ぶ」「期待と違ったら、やめても大丈夫」と呼びかけている。
医療事故の再発防止を目的に、過去の医療事故情報やヒヤリ・ハット事例(※)から原因や対策を知る「医療事故、ヒヤリ・ハット事例に学ぶ」シリーズ。今回は「薬剤を投与する前のダブルチェックを怠った」事例を取り上げます。
※出典:公益財団法人 日本医療評価機構の「医療事故情報収集等事業」
※事例は「研修医」のキーワードが含まれる事例から掲載。
【発生場所】
救急外来
【患者】
入院/20歳代(男性)
【疾患名】
アナフィラキシーショック
【当事者】
医師(1年)
【事故の内容】
アナフィラキシー患者に観察室のベッドに臥床してもらい、研修医がポララミンを投与する予定がボスミンを誤って点滴投与した。
看護師が点滴に貼ってある注射のラベルを確認すると、ポララミンであるはずがボスミンを投与したことを発見。
直後、患者の血圧、心拍数が上昇。
直ちに投与を中止し酸素投与、ポララミンをショットで投与し経過を見守ったところ、血圧、心拍数とも投与前の値に落ち着いた。
【事故の背景】
薬剤を投与する前のダブルチェックを怠った。
【改善策】
急ぐ場面であっても薬剤投与する前は必ずダブルチェックで確認する。