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道内9人感染、1年ぶり1桁 札幌は5人 新型コロナ

道などは3日、新型コロナウイルスに新たに9人が感染したと発表した。道内の日別の感染者が10人を下回るのは昨年9月26日の7人以来、約1年ぶり。死者の発表はなかった。

 発表者別の新規感染者数は札幌市が5人、道が1人、旭川市が3人。道内の感染者は延べ6万304人(実人数6万118人)となった。死者の発表は6日連続でなく、道内の死者は計1467人で変わらない。

 新たなクラスター(感染者集団)は6日連続で発表がなかった。

100歳以上の高齢者

 厚生労働省は9月14日、100歳以上の高齢者が過去最多の8万6510人になったと発表しました。
 性別でみると女性は7万6450人と全体の88.4%を占めます。女性の比率は前年を0.2ポイント上回り、過去最高となりました。男性は1万60人と、初めて1万人を超えました。
 人口10万人当たりで見ても100歳以上の高齢者数は68.54人と過去最多を更新。
10万人当たりの人数を都道府県別にみると、島根県が134.75人と9年連続で1位。
高知県(126.29人)、鹿児島県(118.74人)が続きました。最も少ないのは32年連続で埼玉県(42.40人)でした。
 女性の最高齢の118歳の方は、施設内で車椅子の移動が多くなったものの大好物のチョコレートやコーラをおいしそうに召し上がられたり、オセロゲームを楽しまれるなど、元気にゆったりと過ごされているとのことです。男性の最高齢の111歳の方は、身の回りのことはゆっくりながらも自分のペースでしておられ、リハビリも前向きに取り組まれ、孫様やひ孫様とのオンライン面会を励みに日々元気に過ごされているとのことです。

コロナによる国保料減免 「改めることはない」厚労相

田村憲久 厚労相は8月27日の閣議後会見で、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した国保の被保険者の保険料減免について、「現状、改めることは考えていない」と述べた。一部報道でコロナにより2年の所得がゼロになった人が、3年の所得見込みがゼロでも減免対象にならないことが問題とされていた。
 コロナの影響で前年より収入が3割以上減少した被保険者の保険料を減免した場合、減免額を最大で全額国費で支援している。一方で、2年に所得が3割以上減って減免された人は、3年もさらに所得が3割以上減らないと減免対象とならない。
 田村厚労相は、「前年の所得から大幅に下がった場合に減免となる。生活を急に変えることができないことも踏まえての対応だ」理解を求めた。

百歳以上、8万6510人 51年連続増、女性が88% 男性初めて1万人超え 「敬老の日」前に厚労省

「敬老の日」(今年は20日)を前に、厚生労働省は14日、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の8万6510人になったと発表した。昨年から6060人増え51年連続で増加。女性が全体の88・4%を占め、男性は初めて1万人を超えた。

 厚労省によると、男性は昨年から585人増の1万60人、女性は5475人増の7万6450人。老人福祉法で「老人の日」と定めた9月15日時点で100歳以上の高齢者の数を、同月1日時点の住民基本台帳を基に集計した。

 2021年度中に100歳になったか、なる予定の人は4万3633人(昨年度比1831人増)としている。

 女性の最高齢は、ギネスワールドレコーズ社から、男女を通じ「存命中の世界最高齢」に認定されている福岡市の田中カ子(たなか・かね)さんで、1903(明治36)年生まれの118歳。男性の最高齢は奈良市の上田幹蔵(うえだ・みきぞう)さんで、10(明治43)年生まれの111歳。

 人口10万人当たりの100歳以上の数は68・54人。都道府県別では島根が9年連続最多で134・75人となり、高知126・29人、鹿児島118・74人と続いた。

 100歳以上の人数は、調査が始まった63年は153人だった。81年に千人を、98年に1万人を、昨年に8万人をそれぞれ超えた。医療の進歩などが背景とされる。

 厚労省の今年7月の発表によると、2020年の日本人の平均寿命は女性が87・74歳、男性が81・64歳となり、ともに過去最高を更新した。

10分の動画で自閉スペクトラム症をスクリーニング

自閉スペクトラム症(ASD)は、社会的コミュニケーションなどに困難を伴う先天的な発達障害である。早期の療育プログラムが良好な結果をもたらすが、近年の報告では「70%以上のASD児が生後51ヶ月までの診断に至っていない」という。信頼できるバイオマーカーは確立されておらず、ASDの診断は行動症状を特定することに依存している。

スイス・ジュネーブ大学(UNIGE)の研究チームは、子どもが大人と遊んでいる様子を撮影したビデオから、5歳未満のASDを80.9%の精度で判別するAI解析手法を開発した。研究成果は学術誌 Scientific Reportsに発表されている。同研究では、人体の骨格を検出できるAIシステム「OpenPose」を利用し、ASD児に特徴的な非言語的行動(指差しや周囲への関心の持ち方など)を識別できるアルゴリズムを訓練した。遊びのシナリオは設定されておらず、10分程度の動画内容があればASDの初期評価を自動で行うことができる。

この自動ビデオ解析では、個人を識別可能な外観的特徴が取り除かれ、空間・時間・骨格に関連する情報のみを残すため、完全な匿名性が確保されることも大きな利点として挙げられている。また、接触型センサーはASD児の心の動きを乱す可能性があり、非接触かつ専門家の同席を必要としない本アプローチは診断上のメリットともなる。ASDの可能性を親が最初に心配してから診察を受けるまでに平均1年以上かかっているという調査結果もあり、場所・人を選ばないスマホ用AIアプリの開発をチームは目標としている。

胃瘻フィーバーの終焉に強い「政策誘導」-新潟県福祉保健部長・松本晴樹氏

 飛龍。松本氏と話してまず持ったのはこのイメージだ。この若き高級官僚は、水を得た魚のように厚生労働省、新潟県と飛び回っている。世を睥睨し全体を見ながら、近づけばその鱗には無数の傷がついている。以前ここで対談させてもらった、同じ厚生労働省医系技官の堀岡伸彦氏はどこからどうみても猛虎だったが、今回の松本氏は飛龍だ。なんとなく、二人の対決を見てみたい、など勝手なことを考える。

 それにしても私の出会う官僚たちはみな、どうしてこうもエネルギーに満ちあふれているのだろうか。個人的な知人が厚生労働省以外の省庁にもいるが、その人間もマグマの塊のようだ。こういう人が、この国の制度を考えて作り、問題を解決し続けているのだと思うと大変心強く思う。それも、私たち臨床医よりもはるかに安い給料でだ。城山三郎の小説「官僚たちの夏」でも、日本という国のために心を尽くして悩み抜く官僚たちの姿が描かれる。時代は少し前だが、あれはけっこうリアルだと知人の官僚は言っていた。

 松本氏に伺いたかったのは、官僚がどんな仕事をしているのか、ということだ。答えは非常に明快で、「官僚は問題解決が仕事」とのこと。なるほど、問題解決の能力を磨けば、1、2年で部署がコロコロ変わっても同じスキルが積まれていくのだろう。臨床医とはかけ離れた仕事内容で、とても面白そうである。対談では聞けなかったが、「関係者の説得」では裏技や寝技も使うのだろう。教科書的であればあるほど高い能力になり、良い結果を生み出す臨床医とはまた違う。

 医系技官は数年おきに部署を変わるが、その度にまずやることは2次情報に当たることだという。「広く浅く学んでから、詳しい情報を入れ」、その上で「鍵になる人に聞きまくる」という態度はとても学びになった。そんなこと、あまりやっていないなあ、と自戒する。今自分がやっている臨床研究では、京大公衆衛生大学院で広く浅く学び、詳しい情報もまあ入れたのだが、「鍵になる人に聞きまくる」ことは全然やっていない。もっとそういうアクションも取っていかねば。

 それにしても驚いたのは、2014年度の診療報酬改定で胃瘻造設術の保険点数を下げる仕事に松本氏が携わっていたことだった。ご存知の読者の方も多いと思うが、あの頃、胃瘻造設術まわりがドル箱になり一斉に消化器内科医、外科医が胃瘻を作りまくったのだ。その後点数が下がり、同時期に胃瘻への批判も高まったこともあり急速に廃れた印象がある。もちろん今でも必要な患者さんへは作られているが、乱造と言われていた当時の胃瘻フィーバーは私もおかしいと感じていた。療養病院へ行けば、10人中8、9人は胃瘻の入った高齢者だった。日本の医療は規制産業で、非常に強い「政策誘導」がある。保険点数が高くつけば人が集まり専門施設が立ち、充足したところで点数が下がるとプレイヤーが去り程良い塩梅となる。この胃瘻がいい例だ。それも良し悪しである。

 松本氏の人生を考えた。臨床医を3年、その後、医系技官として厚生労働省に入省し、ハーバード大で公衆衛生を学び新潟県への出向。すぐにまた厚生労働省に戻るのだろう。そこでいろいろな部署でのキャリアを積み、どこを目指していくのだろうか。

 いや、そんなことはあまり考えていないのかもしれない。その場その場で全力を尽くし、泥臭くのたうち回ってめざましい結果を出していく。それにただただ夢中になっているのかもしれない。ふと、そう思った。翻って自分の来た道を振り返る。外科医をずっと続け、大腸癌の専門家として技術を高め続け、ロボット支援手術など新しい技術を取り入れ、ひたすらその道を追い求める。

 全く違う二つの道だが、こんなところでクロスしたのはただの偶然か。いつかコロナが明けたら酒でも呑みに行きたい。

 臨床医の給与が下がることについても、松本氏は触れた。これを読む若手医師の皆さんへは、「従来の臨床+αをしないと、コモディティになってしまう」というセリフをよくよく覚えておいていただきたい。医師の人数が相対的に増え、さらに「超長時間働ける」スキルが働き方改革で使えなくなるなどすれば、医師の能力はさらに均てん化される。誰でも同じになり、差別化ができなくなることをコモディティ化と言う。もはや医師というライセンスだけで1500万円を超すような高給は期待できなくなるのだ。自分にもしっかりと言い聞かせつつ、本対談を振り返った。

医療用アセトアミノフェン 5月の65歳以上への処方、直近5年で最多

新型コロナウイルスのワクチン接種後の熱や痛みといった副反応に対処するため解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンに注目が集まるなか、65歳以上に対する医療用のアセトアミノフェンが2021年5月に、直近5年の同月と比較して最も多く処方されていたことがわかった。

 これは調剤レセプトで実際の処方動向を把握・分析する医療情報総合研究所(通称:JMIRI、読み:ジェイミリ)のデータによるもの。ワクチン接種による副反応を背景としたアセトアミノフェンの処方かどうかまでは不明だが、過去4年の5月と比較して21年の処方患者数は突出して多いことから、JMIRIは「コロナワクチンの接種による発熱や痛みを抑えるために処方された可能性が高い」と分析している。

 同社のデータによると、5月のアセトアミノフェンの処方患者数(65歳以上)は、21年は3万9418人、20年は2万7730人、19年は3万2305人、18年は2万8547人、17年は2万5548人――だった。

 なお、例年8~9月に流行するRSウイルス感染症が今年は5月に急増した。ただ、過去の8~9月にアセトアミノフェンの処方患者数は大きく伸びていない。このためJMIRIは、今年5月のアセトアミノフェンの処方患者数の増加にRSウイルス感染症はあまり影響していないとみている。

◎アセトアミノフェン 自費処方が急増

 5月に保険外(自費)で医療用のアセトアミノフェンを処方してもらった患者数は前年同月比で88%の大幅増となったこともわかった。ロキソプロフェンの自費での処方は例年とほとんど変化はなく、アセトアミノフェンだけ急増していた。ワクチン接種による副反応発生前の予防投与とみられる。

 アセトアミノフェン及びロキソプロフェンの自費での処方は、全体の1%弱と稀なケースであることに留意が必要だが、ドラッグストアでアセトアミノフェンを買い求める人が急増しており、医療用のアセトアミノフェンの処方動向もしばらく注視する必要がありそうだ。

「やぶ医者大賞」決まる 滋賀と北海道の医師

へき地医療で功績のあった若手医師をたたえる「第8回やぶ医者大賞」の審査会が26日、兵庫県養父市役所であり、滋賀県長浜市の浅井東診療所の松井善典所長(40)と、北海道松前町の町立松前病院の八木田一雄院長(50)が選ばれた。

 同賞は養父市が2014年に創設。能力の劣る医者を意味する「やぶ医者」の語源が、かつて養父にいた名医とする説にちなむ。今回は全国から6人の応募があり、市医師会の枚田一広会長ら9人が審査した。

 松井さんは、約1万4千人が暮らす地域唯一の診療所で勤務。院外でのみとりを望む声に応えるため、介護施設と連携し、容体が急変した際に昼夜を問わず駆けつける体制を整え、住み慣れた場所で最期を迎えられる環境づくりに尽力した。市民目線で課題解決に取り組む姿勢が評価された。

 八木田さんが勤務する松前町は高齢化率が約50%で、総合病院までは約2時間かかる過疎地。松前病院では1人の医師が内科や外科、整形外科など複数の診療科を日替わりで受け持つ「全科診療医」を設け、限られたマンパワーで地域のニーズに応えている。

 表彰式と受賞者の講演会は11月13日、養父市内で行われる。(竜門和諒)

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