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病院長に「お前がやめろ」 旭川医大学長発言を国が調査

旭川医科大学病院(北海道旭川市)での新型コロナウイルスの患者受け入れを巡り、大学の吉田晃敏学長が受け入れの許可を求めた同院の院長に、「その代わりお前がやめろ」などと発言したとされる問題で、大学を所管する文部科学省が、発言の事実確認を行っていることが分かった。同省国立大学法人支援課は「事実であれば、ハラスメントにあたる恐れがある」と問題視している。

 旭川市では昨年11月6日に吉田病院でクラスター(感染者集団)が発生。寝たきりの高齢患者が多かったため転院を急がなければならず、市内5カ所の基幹病院で協議し、旭川医大病院で1人を受け入れることになった。

 同院の古川博之院長は朝日新聞の取材に対し、協議の結果を吉田学長に伝え、患者を受け入れる許可を求めたが、同院は主に重症者の担当だったことから、「大学が受け入れる対象ではないと言われた」と証言した。また、面談して再び許可を求めた際は、「受け入れてもいいが、その代わりお前がやめろと言われた」と証言していた。

 国立大学を所管する文科省国立大学法人支援課は、朝日新聞の取材に対し、「学長が職員に対してそのような発言をしたことが事実だとすれば、ハラスメントととられかねない。大学の事務局を通じ、学長に発言をしたのかどうかを確認している」と回答。発言を問題視し、調査していることを明らかにした。
2021年1月5日 (火)配信朝日新聞

医学生、7%が退学検討 親の収入減、実習に不安も

新型コロナウイルス感染拡大を巡り、学生団体による医学生調査で、回答者の約7%が親の収入減などを理由に退学を検討していると答えたことが21日、分かった。実習が実施されずカリキュラムに遅れが生じ、進級や医師国家試験への影響を不安視する声もあった。

 調査は「高等教育無償化プロジェクトFREE」が4月9日からインターネット上で実施。5月14日時点で回答が寄せられた国公私立大38校の計224人分を集計した。メンバーで、東京都内の私立大医学部5年の戸田さや香(とだ・さやか)さん(23)は記者会見で「将来の医療を担う医学部生の実態に目を向けてほしい」と話し、一律の経済支援や、国家試験の実施方針など今後の見通しを示すよう求めた。

 調査によると、「親の収入減などで大学をやめることを考えている」と回答した医学生の内訳は「少し考える」が6・3%、「大いに考える」が0・9%。このほか「やめないが休学を検討」も1・3%となった。家計を支えている人の影響(複数回答)は、46・9%が「収入が減った」、4・0%が「収入がなくなった」と答えた。

 自由記述欄には「来年の学費を払えるか心配」などの記述があったほか、病院などでの実習が中断していることへの不安を訴える声も目立った。

「コロナまき散らす」発言で釈明文書 旭川医大学長

新型コロナウイルスの感染拡大が続く北海道旭川市で、旭川医科大学の吉田晃敏学長がコロナ対応の医療体制を巡り不適切な発言をしたと「文春オンライン」が16日報じた。大学側は17日、発言があったことは認め、「関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけした」としたうえで「(音声の)切り取られ方が本学、特に吉田学長の意図とかけ離れたものと言わざるを得ない」などとするコメントを出した。

 文春オンラインによると、吉田学長はクラスター(感染者集団)が発生した市内の吉田病院について、11月17日にあった学内の会議で「コロナを完全になくすためには、あの病院(吉田病院)が完全になくなるしかない、ということ」「この旭川市に吉田病院があるということ自体が、ぐじゅぐじゅ、ぐじゅぐじゅとコロナをまき散らして」などと発言したとされる。文春オンラインは吉田学長のものとされる音声データも公開した。

 これを受け、旭川医大は17日に吉田学長名でコメントを公表。「音声は大学運営会議でのものと認められます」と認めたうえで、「『なくなるしかない』といった私の発言は、吉田病院の閉鎖等を望むことを意味するものではありません」「なくなるしかないのは、吉田病院ではなく、吉田病院の新型コロナウイルス感染症です」などとし、「不適切な発言であったと深く反省しています」とした。

 「まき散らす」という発言については、吉田病院からコロナ患者を受け入れた他の病院で「院長自らが『医療崩壊』という激しい言葉で現状を語る事態に陥っていることを説明した際に使われた表現」などと説明している。

 文部科学省国立大学法人支援課は朝日新聞の取材に対し、「大学に対し、学長の発言の事実確認を進めており、結果を踏まえて対応を検討する」としている。

 吉田病院では11月初めにクラスターが発生し、入院患者や職員の間で感染が拡大。今月17日時点で計207人が感染する大規模クラスターとなっている。鈴木直道知事の災害派遣支援の要請を受け、今月9日には自衛隊の看護官ら5人が治療の支援に入った。

新型コロナ 基幹病院でクラスター 旭川、妊婦30人2度「転院」 崩壊、人ごとじゃない

北海道旭川市の二つの病院で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が、同市周辺の地域医療に深刻な影を落としている。東京や札幌など大都市圏と異なり、地方都市は医療体制が貧弱で、クラスターの発生が医療崩壊に一気に結びつく危険がある。

 クラスターの発生で、北海道旭川市の医療体制は逼迫(ひっぱく)状態が続く。看護体制の強化などを目的に、自衛隊が派遣されるなど深刻な事態となっている。

 同市の基幹病院である旭川赤十字病院では7日、入院患者1人の陽性が確認された。感染したのはその2日前に院内で出産したばかりの30代女性だった。

 感染が広がっている懸念もあり、病院側は院内での分娩(ぶんべん)を当面の間中止することを決定。分娩を控えていた40人はほかの病院で対応してもらうことになった。

 しかし、40人のうち30人は、すでにクラスターが発生した旭川厚生病院から移ってきたばかりの妊婦たちだった。2度にわたる病院変更は、出産を控えた女性たちに精神的にも体力的にも大きな負担を強いた。

 さらに、濃厚接触者などになった麻酔医3人が自宅待機となり、全身麻酔を伴う手術のローテーションが回らなくなった。緊急度が低い手術を取りやめ、手術を予定していた複数の患者を一時退院させたという。

 旭川赤十字病院の牧野憲一院長は「すでに通常の医療が行えなくなっている。スタッフはぎりぎりの状態で、非常に逼迫している」と疲労感をにじませる。「ほかの主要病院で新たにクラスターが発生したら、市内の医療体制はもうもたない」

 人口約33万人の旭川市は道北の中核都市。市内の1週間(12月2~8日)の人口10万人当たりの感染者数は59・7人で、大阪市(36・2人)や札幌市(38・5人)を上回る。

 旭川市では複数の病院で感染が広がったケースが多いため、「受診控え」と言える状況も起きている。

 同市の大西病院によると、道内で感染者が急増し始めた10月ごろから受診数が減り、手術の先延ばし希望も相次いだ。11月以降はさらに減っているという。

 「『感染が怖くて受診できない』との相談が寄せられている」と話すのは北海道難病連(本部・札幌市)の増田靖子代表理事だ。難病患者はわずかな体調の変化が命に関わる恐れもあり、受診控えが増えることを増田代表理事は憂慮する。「コロナ患者が増えると、結果として他の患者への対応が手薄になる点を忘れないでほしい」と強調する。

 旭川市の医療体制が逼迫したのは、中核医療機関「旭川厚生病院」と民間総合病院「吉田病院」で発生した大規模クラスターがきっかけだった。

 旭川厚生病院では12月10日時点で患者ら258人が感染して25人が死亡。吉田病院では201人が感染し31人が亡くなった。

 北海道医師会の長瀬清会長は「すでに医療体制の崩壊に近い。旭川市の病院はその周辺地域の患者も診ている。これは旭川だけの問題ではない」と危機感を募らせる。

【兵庫】同じ端末のキーボード共有、クラスター原因か…ボタンに「高さ」あるタイプ

兵庫県姫路市は6日、市内などに住む10歳未満~70歳代の20人が新型コロナウイルスに感染し、1人が死亡したと発表した。20人のうち5人は、医療法人公仁会「姫路中央病院」(飾磨区三宅)の医療従事者で、市によると、この病院での感染者は、7日に発表予定のものも含めて少なくとも42人に上る見込み。市は同病院でクラスター(感染集団)が発生したと認定した。

 市によると、同病院で2日に感染が確認された60歳代の男性医師について濃厚接触者を検査した結果、周辺で働く医療スタッフ5人が感染していることがわかった。医師と同じ端末のキーボードや控室を共用していたことなどが原因とみられる。

 さらに家族の付き添いで医師と接触した姫路市の男性職員1人の感染も判明した。医師は、病院への入院患者を通じて感染したとみられる。

 これまでの調査で、同病院ではスタッフ17人、患者17人の感染も確認されており、市は7日に発表する予定にしている。いずれも軽症または無症状という。

 同病院は、外来診療の一時休止と新規入院の受け入れの一時中止を決めた。

 市保健所によると、医師が使用していた端末のキーボードは、複数のスタッフで共用していたが、一つ一つのボタンに高さがあり、入力時には深く打ち込むタイプのもので、十分な消毒が難しかった。

 キーボードに飛まつなどを通じて付着したウイルスはすぐには死滅しないとされ、厚生労働省は、ドアノブや電話などとともに特に注意して対策を取るよう呼びかけている。

 市保健所は「感染を防ぐには、消毒しやすいように、ボタンの高さが低いキーボードに切り替えるのも有効」と説明している。

クラスター拡大止まらず 旭川・吉田病院162人 地域医療に影響 /北海道 地域 2020年12月2日 (水)配信毎日新聞社

旭川市で11月以降、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)の発生が相次ぎ、感染拡大が医療現場に深刻な影響をもたらしている。1日も感染者の増加は止まらず、吉田病院で7人増の計162人、旭川厚生病院では16人増の計156人にまで拡大し、道内1、2番の多さのクラスターとなっている。新たなクラスターは、旭川大学高の生徒ら10人とスポーツサークルの7人の2件が判明し、市内では計7件に達した。【土谷純一、渡部宏人】

 同市では、11月7日に吉田病院、22日に旭川厚生病院のクラスターが公表されると、感染者は徐々に増え、20日に初めて20人、22日は40人を超えた。12月1日現在の累計感染者487人だが、11月だけで404人と、わずか1カ月間で8割超を占める。

 旭川厚生病院は新型コロナ感染者も受け入れていた道北の基幹病院だが、外来診療が原則休止に追い込まれ、地域医療にも影響が出ている。同病院は12月1日午後4時現在で計171人の感染を確認したと独自に発表した。

 また、同日、最前線で働く女性保健師の感染も確認され、記者会見で市保健所の幹部は「感染防止を指導する立場の者が感染した。重く受け止めている」と述べた。保健師は院内感染が拡大する吉田病院を拠点に消毒作業、疫学調査などに従事していたという。市は今月3日から、現在の33人から70人体制に拡大するため、保健師を増員、学校の保健師にも応援を依頼する。

 死者は1日、新たに8人が発表され、累計で23人になった。8人の中には吉田病院、旭川厚生病院の入院患者が含まれているという。このうち、吉田病院の患者は11月22日に死亡したが、1週間以上遅れての発表となった。病院からの報告が遅れたのが原因といい、市保健所は「なぜ遅れたのか病院に報告を求める」とし、連絡体制のあり方も検証する。

「GoToトラベル」と感染拡大の因果関係について考える

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの第14回(11月19日)会議で、資料3(参考資料)として、内閣官房・内閣府が作成した資料(題:「航空旅客数と感染者数の増加には統計的な因果関係は確認できない」)が公開された(資料は、厚労省のホームページ)。

 この参考資料は、以下に記すようにアドバイザリーボード会議では明示的に出すべきでないという議論があったものである。会議資料として公開されたのは事実であるが、まるでこの資料をアドバイザリーボードが認めたと捉えられることは同組織の信頼あるいは科学的な分析能力を毀損しかねないものであると認識している。そこで、私自身が疫学専門家の一人として、GoToトラベルと感染の間の因果関係についてどう考えているのかを整理しつつ以下に説明したい。
2020年11月22日 (日)配信西浦博(京都大学大学院教授)

【因果関係の分類】

 そもそもGoToトラベルキャンペーンと感染の拡大の間の因果関係はいくつかに分類して議論したほうがわかりやすい。旅行による感染を考えたとき、キャンペーンに伴う感染者だけを検討しても、それはキャンペーンを通じて生じた2次感染者など全感染者中にすれば最初の一部でしかなく、また、直接的に観察することが困難である。そのため、キャンペーン利用者の直接的サーベイだけでなく、キャンペーンに伴う2次感染など、調査可能なアウトカムについて総ざらいをした上で詳細に検討することが望ましい。以下が仮説として考えられる。

1.GoToトラベルの使用者(旅行者)あるいは被使用者(宿泊施設等の事業者)の間で感染を認めた(キャンペーンがなければ感染は認めなかった)
2.GoToトラベルという政策を通じて旅行関連感染者数*が増えた(キャンペーンがなければ増えなかった)
(*ここで旅行関連感染者とは、便宜的に発病前7日以内に他の都道府県との境をまたいで移動した履歴があり、当該移動先での感染であった蓋然性が高いと考えられるものを指すこととする)
3.GoToトラベルという政策を通じて(地域などで)流行が起こった(キャンペーンがなければ起こらなかった)

 上記に加えて、感染症は伝播することが特徴であるから、間接的な被害対象(GoToトラベル利用者の感染者から2次感染・3次感染が起こった関係者や第三者。さらに、GoToトラベルで旅行者が訪れた街の隣町など)もたどることができれば重要な追加情報になり得る。

 さらに、別の意味での政策インパクトとしての間接的な因果であるが、GoToトラベルの推奨に伴うヒト移動全般の活発化が起こることも間接的影響の一部と考えられる。つまり、GoToトラベルを実施すると、通常の心理としては「旅行してもいいのだ」として緩和ムードが増したと感じることにつながる。それによって利用者以外も含めて移動が活発化する。直接的因果ではないが、間接的な政策的インパクトが確かならば為政者はその点に配慮して分析・判断すべきなのは当然である。

 残念ながら、1に関しては十分な調査がされていない。確実に把握していないが、事前の観察研究デザインも十分でなかったと思われる。観光庁が集積しているデータで、官邸関係者が報道等で言及しているものは1に相当する。ただし、このデータは調査方法が公開・明示されておらず、感染症法のように宿泊施設等の事業者が届け出をしないことによる罰則規定もない。そのため、十分に制御をした上で観察する手段を作った上で政策を履行しなければ、感染に係る情報が選択的に業者によって報告されることを抑制する「報告バイアス」がかかった統計になってしまう。加えて、8月5日の観光庁見解では事業者の風評被害に配慮して「公表しない」方針を明確にしていた。それにもかかわらず、11月10日に延長する際に初めて「131人である」という合計値の発表のみがなされた。

 1が十分にわからないときでも、2や3については様々な周辺データで検討が可能である。内閣官房・内閣府が作成したグレンジャー検定を用いた資料は、2と3の中間的な意味合いでの「感染者数」と東京からの航空旅客数との間での検討結果である。2や3のような時系列データを基にした因果関係の立証は、1よりも因果の強さとして反証に耐えられない弱さも兼ね備えている。

 例えば、第1次GoToトラベルキャンペーンは政治判断によって7月22日から前倒しして実施されたが、実施日と4連休が重なっていた。その場合、仮に当該日付以降に感染者数が増えたとしても「単に4連休があったからだ。GoToだけではない」という理屈自体は成り立つ(しかし感染を制御する視点からすれば、感染者が増えているならば「GoToの影響がない」とは口が裂けても言えない)。同じような苦悩として、3について流行拡大が見られても、他の対策の変化との関係は単純には切り離せない。例えば、東京都を対象地域に追加した10月1日開始の第2次GoToキャンペーンと国際的なヒトの往来に関する「留学」、「家族滞在」などの緩和は同タイミングで実施されている。気温が次第に低下していて感染性が高くなる傾向にあることも影響する。

北海道 旭川 新型コロナ患者受け入れの病院でクラスター発生

北海道旭川市は、市内にある「旭川厚生病院」で新型コロナウイルスのクラスター=感染者の集団が新たに発生するなど、これまでで最も多い、合わせて40人の感染が確認されたと発表しました。

旭川市によりますと、新たにクラスターの発生が確認されたのは、旭川市1条通24丁目にある旭川厚生病院です。

のどの痛みを訴えた看護師1人の感染が、20日確認されたため、接触が疑われた患者や職員などのPCR検査を実施したところ、2つの病棟で、患者16人と職員12人の合わせて28人の感染が新たに確認されました。

先に感染が確認された看護師1人を含め、29人はいずれも軽症、または無症状だということです。

旭川厚生病院は、病床数がおよそ500床の総合病院で、新型コロナウイルスの患者を受け入れている市内の5つの病院の1つです。

クラスターの発生を受け、旭川厚生病院は22日から、外来や入院患者の受け入れを原則、中止しています。

このほか、市内では、これまでにクラスターの発生している「吉田病院」で、患者や看護師など合わせて6人の感染が新たに確認されるなど、22日、これまでで最も多い、合わせて40人の感染が発表され、感染拡大が急速に進んでいます。

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