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薬局の薬剤師が行う対物業務を効率化

薬局の薬剤師が行う対物業務を効率化するため調剤業務の一部を別の薬局に委託できるようにする新たな制度の整備を巡り、厚生労働省は3日、委託側と受託側双方の義務や責任を法令で規定する案を厚生科学審議会の医薬品医療機器制度部会に示した。 厚労省はまた、患者の安全を確保するため、委託側と受託側の薬局に必要な基準を設定することも提案し、いずれも反対意見はなかった。薬局が行う調剤業務の一部を外部に委託する新たな制度の創設は、限られた資源や時間の中で薬局の薬剤師が行う対物業務を効率化することで、患者への服薬指導など対人業務に注力できる環境を整備するのが狙い。 厚労省が2022年7月に公表した「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」の取りまとめでは、外部に委託する業務の対象を、散剤などを除く「一包化」の業務に当面、限定することとされた。

医療ケア児、災害から守れ 地域連携で移送、受け入れ 保健所や福祉施設

地震や大雨の際、日常的に人工呼吸器などを必要とする「医療的ケア児」の避難を地域で連携して支援する取り組みが始まっている。寝たきりの子は移動が難しく、例えば停電で医療機器が使えなくなれば命に関わる。スムーズに避難できるよう、保健所と地域の福祉施設などが事前に移送や受け入れの段取りを整え、災害に備える。

 7月下旬、大阪府茨木市。最大震度6弱の地震が発生したとの想定で、府茨木保健所が医療的ケア児を対象とする避難訓練を実施した。先天性の障害のため人工呼吸器を付ける男子児童(8)と母親(40)が参加した。

 「大きい地震あったけど大丈夫?」。いつも利用している訪問看護事業所が安否確認の電話をすると、母親は「停電している」と訴えた。人工呼吸器のバッテリーは電源がなければ、長くても半日しか持たない。

 事業所などの情報で保健所が福祉施設側に連絡。母親が児童を抱きかかえてバギー型車いすに乗せ、迎えに来た社会福祉協議会の車で3キロ先の施設へ。施設の職員が発電機を稼働させ、人工呼吸器をつないだ。看護師が体調を確認。施設の職員が「避難が完了しました」と保健所に連絡し、訓練は終了した。

 茨木保健所は以前、災害が起きた際は自力での避難を呼びかけていた。医療的ケア児の保護者から不安の声が寄せられ、方針を転換。昨年1月以降、発電機を備え、ケア児の受け入れが可能な施設計12カ所と避難に関する協定を締結している。災害時は保健所が施設を手配し迅速に移送する。

 男児は普段、自宅からの外出でも、人工呼吸器や吸入器、薬、おむつなど大量の荷物に、車の運転と介助者が必要。母親は「災害時に親だけで守ることはできない。地域の理解や協力は欠かせず、こうした取り組みが他の地域でも進んでほしい」と話した。

 地域でケア児の避難を支援する動きは、青森県弘前市や千葉県香取市、新潟県新発田市、鹿児島県薩摩川内市など各地で広がりつつある。

 ケア児は、厚生労働省によると全国で推計約2万人いる。改正災害対策基本法は、ケア児や高齢者らの「個別避難計画」の作成を自治体の努力義務とする。だが、避難計画は自力で逃げることを前提としているほか、避難する際の支援者が見つからないケースもあるなど課題は多い。

 内閣府などによると、今年4月時点で約92%の自治体が計画作成に着手しているものの、計画に基づく訓練を実施したのは約17%にとどまっている。茨木保健所の担当者は「日頃から保健所と施設が密に連携してきた。地域でケア児の命を守るためには顔の見える関係を築くことが重要」と語った。

ペイハラ対策、警察連携も 患者の暴言、理不尽要求... 看護師「日常茶飯事」

患者や家族から医療従事者が暴言や理不尽な要求などを受けるペイシェントハラスメント(ペイハラ)が問題視されている。診察内容に不満な患者が居座ったり、自分や家族の診察を優先するよう要求したりするものから、暴力やセクハラといった事件性を帯びた被害もあり、警察と連携して講習を開く病院も出てきた。識者は「国や自治体などが主導し、業界全体で対策をとる必要がある」と話している。
 腕や胸ぐらをつかまれた講師役の署員が相手の手をふりほどく方法を披露し、職員も実践。署員は「精神的な負担を減らし、被害を深刻化させないためにも上司へ報告、警察に通報を」などと呼びかけた。

健康保険証、予定通り廃止 厚労相、総裁選で見直し論

武見敬三厚生労働相は10日の記者会見で、自民党総裁選の一部候補が見直しを提起した現行の健康保険証の廃止期限に関し、予定通り12月2日に廃止する考えを示した。「政府方針に変わりはない」と述べた。

 健康保険証の廃止期限を巡り、自民党総裁選に立候補を表明している林芳正官房長官が見直しを検討すると言及。廃止を主導してきた河野太郎デジタル相は「真意を確認しなければならない」とけん制し、争点の一つとなっている。

 河野氏も10日の会見で「政府として従来の方針に何ら変わりはない」と強調した。

 武見氏は、林氏の見直し論について「総裁選に向けた個人の考えだ」と指摘し、直接の評価は避けた。閣内不一致ではないかとの質問には「閣僚同士の閣内における方針は全く揺るぎない」と語った。

 総裁選では、石破茂元幹事長が廃止期限の見直し論に賛同。小林鷹之前経済安全保障担当相は期限延長を否定している。

 現行の保険証は12月2日以降、新規発行されなくなる。政府はマイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」に一本化する方針。マイナ保険証の7月の利用率は11・13%と低迷している。医療現場の一部からは「高齢者にとって使い慣れた保険証を残してほしい」との声が出ている。

石破氏、保険証廃止の先送り「選択肢として当然」 総裁選の争点に

 マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」への移行をめぐり、自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を表明している石破茂元幹事長(67)は8日、政府が今年12月とする健康保険証の廃止時期について、先送りも検討するべきだとの考えを示した。東京都内で記者団の取材に答えた。総裁選の争点の一つになりそうだ。

 石破氏は、政府方針に対する国民理解を広める重要性を指摘したうえで、「納得していない人、困っている人がいっぱいいる状況があったとすれば、(従来の保険証との)併用も考えるのは選択肢として当然だ」と語った。

 同じく総裁選に立候補を表明している林芳正官房長官(63)が7日に「不安の声に応え、必要な見直しをしっかり行いたい」と主張。石破氏は林氏に賛同する姿勢を示した。

 しかし、マイナンバー制度を所管する河野太郎デジタル相(61)は、3日の閣議後記者会見で「12月2日からマイナンバーカード保険証を基本とするシステムに移行する方針に変わりはない」と強調。総裁選の立候補予定者のなかでも考えが割れている。

 一方、拙速なマイナ保険証への切り替えに慎重姿勢を示してきた立憲民主党の泉健太代表は8日、福岡市内での街頭演説で「立憲の言っていたことはやはり正しかった。(自民は)立憲の周回遅れを走っている」と指摘した。

医療ケア児 災害に備え サークルが避難訓練 甲府市

 人工呼吸やたんの吸引など医療的ケアが必要な子どもや重症心身障害児とその家族を対象とした「インクルーシブ防災避難訓練」が1日、甲府市下飯田2丁目の甲府支援学校で開かれた。医師や看護師、理学療法士らとともに、体験やクイズを通じて災害時の行動や備えを考えた。

 県内の療育に特化した親子遊びサークル「なーさんのひきだし」が、医療従事者の立ち会いの下で避難所体験を行い、個別の避難計画を考えてもらおうと初めて企画した。家族約10組が参加した。参加者は非常用持ち出し袋や携帯用の医療機器を持参し、足踏みポンプを使った吸引や非常食の試食を体験。小児科医や防災の専門家が講演と○×クイズを行い、避難先の決め方や予備電源を使う際の注意点などを確認した。

 災害時は医療機器に必要な電源が確保できる保証がなく、防災頭巾をかぶったり靴を履いたりするのが難しい子もいる。参加した甲府市の女性(38)は「食事のときに使っているミキサーも電源なしには動かせない。備蓄する非常食を本人が食べられるかどうか、事前に確認しておきたい」と話した。

 サークル代表を務める看護師の永井由香さん(47)=甲府市=は「慣れない環境で子どもが安心して過ごすためには何が必要か、事前のシミュレーションが大切。体験を通じて、自宅待機ができるか、どんな備蓄をすべきか、考えるきっかけにしてほしい」と話している。

喫煙率14・8%、過去最低 国民健康・栄養調査

厚生労働省の2022年国民健康・栄養調査で、たばこを習慣的に吸っている20歳以上の男女の割合は14・8%だったことが28日、分かった。前回19年調査(16・7%)を下回り、03年に現行の設問になって以降の過去最低を更新した。

 政府の健康づくり計画「健康日本21(第2次)」で定めた22年度の目標値12%には達していないため、厚労省担当者は「啓発を通じ、喫煙をやめたい人のモチベーションを保てるようにしたい」としている。

 20歳以上の喫煙率の男女別は、男性24・8%(前回比2・3ポイント減)、女性6・2%(1・4ポイント減)で、いずれも過去最低となった。年齢別で最も高いのは男性が30代の35・8%、女性は40代の10・5%。喫煙者のうち、たばこをやめたいと思う人は25・0%だった。

 受動喫煙の機会がある人の割合も調査。対策を強化した改正健康増進法の施行が影響したとみられ、場所別では前回19年に比べ、飲食店は半減の14・8%、遊技場は3分の1程度の8・3%となった。一方、高かったのは路上23・6%(3・5ポイント減)や職場18・7%(7・4ポイント減)だった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響による体重や生活習慣の変化を尋ねたところ、体重が増えたとした男性は13・2%、女性は16・7%。1週間あたりの運動日数が減ったと回答したのは男性が12・7%、女性が13・8%となった。

 調査は22年11、12月に実施し、全国の約2900世帯から回答を得た。コロナの影響で20、21年は調査中止となったため、今回は3年ぶりに実施した。

生活保護者は後発品調剤‐長期品の必要性なしで 厚生労働省

厚生労働省は21日の事務連絡で、長期収載品の選定療養が導入されることを受け、長期収載品の処方や調剤の取り扱いに関する疑義解釈を公表した。

 生活保護受給者である患者が医療上必要性があると認められないにも関わらず、単にその嗜好から長期収載品の処方・調剤を希望する場合は、医療機関、保険薬局で後発品の提供が可能である場合は長期収載品を医療扶助、保険給付の支給対象として処方、調剤できないと説明。

 そのため、長期収載品を希望した場合であっても、医療扶助の支給対象とはならないため、「後発品の処方・調剤を行う」ことになるとした。

 ただ、長期収載品の処方で医療上の必要があると認められる場合は、その長期収載品は医療扶助の支給対象とする。

 また、10月1日前に処方された長期収載品で、薬局に10月1日以降に処方箋が持ち込まれた場合、2回目以降の調剤のためにリフィル処方箋や分割指示のある処方箋が持ち込まれた場合は、制度施行前の取り扱いとなるとした。

 10月1日以降に旧様式の処方箋で処方された長期収載品で、後発品変更不可にチェックがあるものの、理由について記載されていないものについては「薬局から処方医師に対して疑義照会を行うなどの対応を行うこと」とした。

 診療報酬明細書の記載については、医事会計システムの電算化が行われていないものとして、地方厚生局長に届け出た医療機関や薬局については、薬剤料に掲げる所定単位当たりの薬価が175円以下の場合は薬剤名や投与量等を記載する必要がないとされているが、医療上の必要性等で長期収載品を処方・調剤した場合についても「記載不要」との見解を示した。

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