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平成29年度版 高齢社会白書 

先月、内閣府は「平成29年版 高齢社会白書」を公表しました。

 まず、「高齢化の状況」では、下記の事が記されています。
・2016年の65歳以上の高齢者人口は3,459万人となり、総人口に占める割合(高
齢化率)は27.3%となった。
・2015年現在の高齢化率は、最も高い秋田県で33.8%、最も低い沖縄県で19.6
%。今後、高齢化率はすべての都道府県で上昇し、2040年には最も高い秋田県
では43.8%となり、最も低い沖縄県でも30.3%に達すると見込まれている。

 「高齢化の国際的動向」では、下記の事が記されています。
・世界の総人口に占める高齢化率は、2015年には8.3%に上昇しているが、さら
に2060年には18.1%にまで上昇するものと見込まれており、今後半世紀で高齢
化が急速に進展することになる。
・地域別に今後の推計を見ると、これまで高齢化が進行してきた先進地域(2015
年:17.6%→2060年:27.4%)はもとより、開発途上地域においても高齢化が
急速に進展する(2015年:6.4%→2060年:16.8%)と見込まれている。

 また、「我が国の高齢者の健康・福祉」では、下記の事が記されています。
・65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計についてみると、2012年は認
知症高齢者数462万人と、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)で
あったが、2025年には、約5人に1人になるとの推計もある。
・日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、2013年時点で男性が71.19年、女
性が74.21年となっており、それぞれ2001年と比べて延びている。しかし2001年
から2013年までの健康寿命の延び(男性1.79年、女性1.56年)は、同期間に
おける平均寿命の延び(男性2.14年、女性1.68年)と比べて小さい。
・「治る見込みがない病気になった場合、最期はどこで迎えたいか」について
みると、「自宅」が54.6%で最も多く、次いで「病院などの医療施設」が27.7
%となっている

 そして、「平成29年度の高齢社会対策」では下記のようにまとめられています。
・高齢社会対策を、就業・年金等分野、健康・介護・医療等分野、社会参加・
学習等分野、生活環境等分野、高齢社会に対応した市場の活性化と調査研究の
推進、全世代が参画する超高齢社会に対応した基盤構築の各分野にわたり着実
に実施する。
・我が国の構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、「希望を生み出
す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」の「新・
三本の矢」の取組を通じて「一億総活躍社会」の実現を目指す。
・働き方改革の実現に向けて平成29年3月28日に策定された「働き方改革実行計
画」では「高齢者の就業促進」がテーマの一つとされ、65歳以降の継続雇用延
長や65歳までの定年延長を行う等の企業への支援を充実させる。

がん患者に最適な薬見極め- 北海道、遺伝子検査容易に-

北海道がんセンター(札幌市白石区)は14日、患者のがん細胞の遺伝子を解析し、最適な治療薬を見極める最先端の「網羅的がん遺伝子検査」を始めると発表した。15日から予約を受け付け、7月4日に開設する「がん遺伝子外来」で患者を受け入れる。

同センターによると、京都大病院(京都市左京区)などが同様の検査をしているが、手術や抗がん剤服用、放射線治療などを終えた後でないと検査を受けられないケースがあったという。同センターでは医療機関でがんと診断されていれば検査でき、この方式を他の医療機関に広めたい考え。 (メディファクスより)

75歳以上「老老介護」初の3割超え…同居世帯

高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が広がる中、要介護者と、同居する介護者の年齢がともに75歳以上の割合は、前回調査(2013年)に比べて1・2ポイント増の30・2%になり、初めて3割を超えて過去最高を更新したことが、厚生労働省が2016年に実施した国民生活基礎調査の結果、明らかになった。

 統計を取り始めた01年に比べると11・5ポイント増えており、介護者の高齢化が一層進んで深刻な状況になっている。

 調査は医療や福祉、年金、所得など国民生活の基礎データを全国的に集めて分析するもので、1986年から毎年実施。今回は3年に1度の大規模なもので、介護や世帯、貧困の状況について質問項目や分析対象を増やした。調査対象は質問項目によって異なり、介護は約7000人、世帯は約22万世帯から回答を得た。

サ高住事故、道内147件8人死亡 15年度 転倒、誤飲多く

道内のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の施設内で、2015年度に転倒や誤飲など、少なくとも147件の事故が起こり、8人が死亡していたとの報告が道や札幌市などにあったことが分かった。サ高住は安否確認を義務づけられているが、介護を目的とした施設ではない。しかし、入居者全体の2~3割は中重度の要介護者が入居するミスマッチが起きており、対策が求められそうだ。

 政令市の札幌市、中核市の旭川、函館両市、それ以外の道内市町村を管轄する道に北海道新聞が取材し、直近データがそろう15年度時点の道内382施設からの事故報告を集計した。

 事故は、転倒による骨折や打撲、食べ物を喉に詰まらせる―など。死亡した8人のうち7人は要介護か要支援の認定を受けていた。

 稚内市では、要介護3の入居者が自室で転倒し、後頭部を打って失血死した。職員は午前1時に巡回で寝ているのを確認したが、その後は部屋が施錠され、同6時半まで異常に気付かなかったという。胆振管内白老町では、要支援2の入居者が施設内の浴室で溺死した。夕食に訪れないため、捜しに来た職員が見つけた。

 11年の制度設立当初、サ高住は「要介護度の高くない高齢者の安心住居」という位置付けだった。しかし各自治体や道によると、昨年度の要介護3以上の入居者は、札幌市が15%、旭川市が21%。函館市は食事を提供している施設のみの調査で33%だった。3市を除く道内では、要介護3以上は18%、要介護2以下を含む要介護・要支援者の割合は86%に上った。

医療事故、頻発医師27人、日医が指導・勧告 13~16年度

 日本医師会(日医)が、医療ミスや不適切な医療行為を繰り返していたとして、2013~16年度の4年間で医師27人に再発防止を指導・勧告していたことが、25日分かった。日医会員が医療事故に備えて加入する保険の支払い請求が多いケースについて、治療経過などを調べて判定した。民事裁判などでも被害者が異なるミスの繰り返しが表面化することは少なく、実態の一端が初めて浮かんだ。【熊谷豪】

 ミスを繰り返す医師は「リピーター」と呼ばれ、重大な医療事故が相次いだ1999年ごろからたびたび問題視されてきた。昨年12月には、愛媛県内の産婦人科医院で05年以降に死亡3件を含む6件の重大事故が起きていたことが発覚し、県が立ち入り検査した。

 だが、リピーター医師を見つけ出す国の仕組みはなく、15年10月に始まった「予期せぬ死亡」を第三者機関に届け出る医療事故調査制度でも、把握できない。

 国内の医師約31万人のうち、約12万人は日医と保険会社が共同で運営する「医師賠償責任保険」に加入している。医療事故で患者や家族への支払い義務が生じた際の保険で、日医は会員医師から請求があれば治療内容や結果を調べ、査定している。

 日医は13年8月から、この仕組みを医師の倫理と資質の向上に活用。弁護士らで作る指導・改善委員会が、医師側に問題がある事故重複例をリピーターと判定している。日医によると15年度までに19人が該当し、25日に開かれた定例代議員会で16年度は8人と報告された。氏名やミスの内容は明らかにしていない。

 対象となった医師は、地元の医師会から、重い順に▽指導▽改善勧告▽厳重注意――のいずれかを受ける。東京都医師会はこれまでに3件の指導をし、幹部が事故の経緯を聞き取った上で、危険性の高い手術を今後行わないと誓約する書面を提出させるなどしたという。

 リピーター医師を巡っては、日本産婦人科医会が04年から独自の事故報告制度を設け、事故を重ねる会員医師らへの指導や研修を課している。

「健康県」は長野がトップ…15年の県別死亡率

 厚生労働省は14日、人口10万人当たりの年間死亡者数を示す2015年の「年齢調整死亡率」を発表した。

 国民の健康水準の指標として5年ごとに集計されており、男性は10年の前回調査より58ポイント減って486人、女性も同20ポイント減の255人で、いずれも過去最低を更新した。

 年齢調整死亡率は、年齢構成の異なる都道府県間で、住民の死亡状況を比較できるように調整した数値で、健康福祉行政に活用されている。女性の方が平均寿命が長いことなどから、男性の死亡率の方が高い。

 死因別では、がん、心疾患、脳血管疾患の3大死因の死亡率が、男女ともに前回を下回った。

 都道府県別で見ると、全国最低は長野県で男性は434・1人、女性は227・7人。全国最高は青森県で、男性は585・6人、女性は288・4人だった。長野の全国最低は、男性が6回連続、女性が2回連続。一方、青森は前回も男女の死亡率が全国最高で、同省は、「塩辛い食べ物が多い食習慣などが影響しているのではないか」としている。

肺がん死亡率 道内男女が全国1位 高い喫煙率影響か

厚生労働省は14日、2015年の「都道府県別年齢調整死亡率」を発表した。北海道は肺がんによる死亡率で男女とも都道府県別の1位となり、いずれも2位だった10年の前回調査より悪化した。喫煙率の高い道民の生活習慣が影響したとみられる。

 年齢調整死亡率は、地域間や年次間の死亡状況を正確に比較するため、都道府県によってばらつきのある年齢構成を補正した上で、人口10万人当たり何人が死亡したかを算出する。厚労省が国勢調査に合わせて1960年から5年ごとに実施している。

 道内の肺がんによる死亡は男性が前回比2・3人減の47・8人、女性が同0・3人増の14・4人だった。13年の厚労省の国民生活基礎調査によると、道内の喫煙率は27・6%で都道府県別で全国トップ。中でも女性の喫煙率は17・8%で、全国平均より7ポイント以上高い。厚労省は「喫煙が肺がんの死亡率の高さの一因となっている」(人口動態・保健社会統計室)と分析している。

やぶ医者大賞:臼井恒仁氏と澤田弘一氏の2人に

養父市は10日、過疎地での医療に励む若手医師を表彰する第4回「やぶ医者大賞」の審査を市役所で行い、滋賀県米原市の「地域包括ケアセンターいぶき」の臼井恒仁医師(46)と、岡山県鏡野町の「鏡野町国民健康保険上齋原歯科診療所」の澤田弘一所長(50)が選ばれた、と発表した。受賞者の表彰式と講演会が8月5日、養父市広谷のビバホールで開かれる。

 「やぶ医者」は医術のつたない医師を意味するが、語源については「養父にいた名医」だとする説があり、市では2014年に創設したこの賞を通じて医師を大切にする自治体としてPRし、医師確保も目指すという。

 今年4月までに応募した4人の中から、書類選考で2人を選んだ。選考には、養父市医師会の井上正司会長ら計7人の審査員があたった。

 市の授賞理由などによると、臼井医師は岐阜大医学部卒業。「いぶき」開設当初からのスタッフで、その後沖縄県の座間味診療所に派遣された。「いぶき」に戻った後は、座間味で覚えた三線(さんしん)を演奏して患者を癒やすなどして地域医療に貢献した。

 澤田所長は岡山大歯学部卒業。歯科医としての「やぶ医者大賞」への応募は澤田さんが初めて。子どもたちの健診や夜間の保護者への教育、自らケアマネ資格を取得するなどして口腔(こうくう)と全身の総括的健康管理に努め、健康なまちづくりに尽力した。

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