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 能力に応じた負担主流に 介護保険料見直し

介護保険を巡っては、高齢化で年々増大する給付費に対応するため、厚生労働省が年末にかけて負担の在り方の見直しや給付抑制を検討しており、大企業の従業員や公務員の負担が増える「総報酬割」の導入もその一環に当たる。

 政府の社会保障制度改革では「高齢者も現役世代も、収入があって可能な人には負担してもらう」という考え方が主流になりつつある。

 これを受け、今後の検討課題には65~74歳が介護サービスを利用したときの自己負担割合(原則1割)を2割とする対象者の拡大も挙がっている。利用料が高額になった場合に自己負担額に上限を設ける「高額介護サービス費」でも、一定以上の所得がある人の負担増を議論する。

 一方、給付抑制策では、訪問介護のうち掃除や調理などの「生活援助」サービスで、要介護度が低い人への給付縮小が検討されている。ただ、いずれも国民生活への影響が大きく、負担と給付のあるべき姿について丁寧な議論が不可欠だ。

自分の心の闇、目凝らし 「安楽死」考え一変 日本ALS協会理事 川口有美子 「相模原殺傷事件」

19人もの障害者が未明に襲われ命を奪われた。しかも、そこを退職した職員によって。陰惨だ。もう二度と起きてほしくない。

 容疑者は衆院議長に宛てた手紙の文面で「障害者が安楽死できる世界」を求めていたという。ドキッとした。というのも、私も筋萎縮性側索硬化症(ALS)の母の安楽死を真剣に望んでいた時期があったから。24時間の介護労働に加えて、意思疎通が難しくなり、閉塞(へいそく)感がピークに達していた時だった。

 この事件が起きた直後に、NPO活動で同僚のALS当事者に聞いてみた。発症から30年、呼吸器を付けて生きてきた橋本操は、わずかに動く口の形をヘルパーに読み取らせて「(死刑にならないように)嘆願書を」と。また5月の衆院厚生労働委員会に参考人として招かれながら「コミュニケーションに時間がかかる」という理由で、意見陳述の機会を奪われた岡部宏生は「社会の構造の問題」と言った。

 言葉を自由に操れない障害者は例外なく、あらゆる場面で非人道的な扱われ方をされている。だから、この日本社会は、この事件の容疑者と大して違わない思いを抱いている人だらけで、この男だけを責めても何も解決しないということだ。

 事件発生から1週間がたったが、事件の全容が見えない。襲われた津久井やまゆり園の関係者や遺族の気持ちを思うといたたまれずつらくなるが、障害者たちが施設の中でどのように共同生活していたかが知りたい。いくつかの障害を併せ持つ「重複障害」の人を殺りくしたというが、重複にもいろいろある。一人一人の障害がどうであったのか、どんなコミュニケーション手段を取っていたか、私は知りたい。

 だが、被害者の情報提供がタブーになっている。個人名も明かされないという事情。収容施設の対応である。社会や家族から隔離された重度障害者の状況が、社会からドロップアウトして、ここに逃げ込んできたこの男の心の闇を増幅したのではないか。

 私も一時期、冒頭で述べたように、意思疎通ができない人の生存が無意味に思えて仕方なかった。だが、重度障害があっても地域で介護を受けて自由に伸び伸び暮らしている人たちと知り合い、疲れて傷んだ心が癒やされ考え方が一変した。一緒に街に出かけたり、宴会をしたりという、普通の暮らしを共にする中で、彼らの個別固有の障害に対して、的確な介護で応えたい気持ちがむくむくと湧いてきた。そして、意思疎通が難しい人の気持ちを必死で読み取るようになっていた。他者との共生の楽しさに目覚めた。

 この事件はまれに見る凶悪犯罪で許しがたいが、重度障害者や認知症高齢者になるくらいなら、死んだほうがましというのは、よく聞く話だ。でも、重度障害者から見れば、その本質は容疑者の思想とそう変わらない、共生を否定した差別である。自分の心の闇にも目を凝らしてみたい。

平成28年度 成年後見制度普及啓発講演会

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上記講演会が添付ファイルにて開催されます。
是非ご参加ください。

在宅医療推進に向けた課題解消へ

在宅医療推進に向けた課題解消へ 厚労省・全国在宅医療会議

 厚生労働省は全国在宅医療会議を開催した。地域医療構想の実現と地域包括ケアシステムの構築が喫緊の課題であるなか、両者の接点である在宅医療の提供体制を実効的に機能させることを目的に行われる会合で、在宅医療推進のための基本的な考え方やその実現のための各種諮問ワーキンググループ(WG)の開催なども予定している。

 国策として医療計画や地域医療構想、介護連携推進、診療報酬による誘導を行ってきた一方、生活者に対して在宅医療が生活の質の向上に資する具体的な効果を提示できてこなかったことや、医療従事者側に存在する在宅医療に対する固定観念や不信感が払拭されていないことが課題とされている。さらに在宅医療については、これまで医師がけん引してきた関係で、サービス提供者によって、さまざまな手法が存在しており、また小規模な組織で在宅医療が提供され、24時間対応は求められる激務であることから、研究体制が構築できずに、全国組織の連携も十分でないなど、課題が山積しているのが現状だ。

 こうした課題と現状を打開するため、会合では関係者が一体となって協力体制を構築したうえで、連携しながらエビデンスの蓄積を推進する。このほかに複数の「重点分野」を定め、入院医療とは異なる在宅医療の特性を踏まえた適切な臨床評価指標を充実する。また在宅医療に関する普及啓発のあり方などに関しても検討を重ねる方向。重点事項に関しては今秋開催予定のWGで議論し、定期的に在宅医療会議に報告する運びとなっている。

舌下免疫療法の仕組み解明 

スギ花粉症などのアレルギー疾患の治療法として注目され、健康保険適用の薬も登場した「舌下免疫療法」が免疫系に働く仕組みを動物実験で明らかにしたと、東北大などのチームが発表した。

 この療法は、アレルギー原因物質を舌の下の粘膜から吸収させ、症状の軽減を目指す。実験では、粘膜が原因物質を検知すると「樹状細胞」と呼ばれる免疫細胞が、あごの下にあるリンパ節まで物質を運搬し、そこでつくられる別の免疫細胞「制御性T細胞」がアレルギー症状を抑えるのを確認したという。

 チームは「樹状細胞の機能を高めれば効果を増強できるかもしれない」としている。

超高額な「夢の新薬」は、国を滅ぼしかねない!

4月4日(月)財政制度等審議会財政制度分科会の会合で、がん治療薬「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)が話題に上った。

 財政政策を議論する審議会で、なぜ特定の1つの薬だけが取り沙汰されるのか。この会合における、日本赤十字社医療センター化学療法科の国頭英夫部長の講演が問題提起の契機となった。

 オプジーボは、日本で開発された画期的な免疫療法薬で、悪性黒色腫のほか肺などのがんへの適応拡大も期待されている。いわば「夢の新薬」といえるかもしれない。しかし、1人の患者がオプジーボを使うと、年に3,500万円かかるとされる(体重60キロの患者が1年間26回使用を想定)。画期的な新薬は以前にもあったが、これほど高額の薬代がかかる新薬は類を見ない。

 現在、日本の医療費は約40兆円で、そのうち薬剤に使われているのが約10兆円である。もし患者(少なく見積もって)5万人を対象に、オプジーボを1年間使うとすると、3,500万円×5万人=1兆7,500億円の薬代が今後必要となる。

▼ 詳しくは ▼
http://toyokeizai.net/articles/-/116360

65歳以上、4人に1人超す 高齢化、社会保障に影響 働く女性、増加は小幅 15年国勢調査の抽出速報

総務省が29日発表した2015年国勢調査の「1%抽出速報」によると、総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は、1920年の調査開始以来最高の26・7%となり、初めて高齢者が4人に1人を超えた。前回の10年調査から3・7ポイント上昇した。15歳未満は0・5ポイント下がり、12・7%で最低を更新。少子高齢化が一段と進み、社会保障の財源確保や地域の維持に大きく影響しそうだ。

 働いていたり、職を探していたりする女性の割合(労働力率)は、ほとんどの年代で前回から上昇したものの小幅にとどまり、子育て世代は落ち込む「M字カーブ」は依然として残ったままだ。1人暮らしの世帯は過去最多となった。

 高齢化率は22・4%のイタリアや21・2%のドイツなどを引き離し、世界で最も高い水準。逆に15歳未満の割合は最低の水準となっている。

 都道府県別では、高齢化率は前回に比べ全都道府県で上昇。41道府県で25%を超え、うち12県は30%以上だった。最高は秋田の33・5%で、高知32・9%、島根32・6%と続いた。秋田は前回より4・0ポイント上昇した。四国4県はいずれも30%以上だった。

 25%を切ったのは埼玉、東京、神奈川、愛知、滋賀、沖縄の6都県。ただ全国最低の19・7%だった沖縄県でも65歳以上の人口が15歳未満を超えたことで、全都道府県で65歳以上が15歳未満より多くなった。

 女性の労働力率は49・8%で前回から0・2ポイント上昇。年代別で見ると、25~29歳は80・9%で、比較可能な50年調査以降で初めて80%を超えた。ただ出産や子育ての時期と重なる人が多いとみられる30~39歳は、前後の年代に比べて下がっているのが特徴だ。

 世帯人数は1人暮らしが32・5%で最多。若年層を中心に未婚者が多いことに加え、高齢者の単身世帯も増加傾向で、65歳以上では男性の8人に1人、女性の5人に1人が1人暮らしだった。

診療明細活用し医療費抑制 「データヘルス」道内100市町村超

 国民健康保険を運営する市町村が、診療報酬明細書(レセプト)などの情報を活用し、医療費の抑制や住民の健康づくりに役立てている。保健師らが、住民の通院歴や健診の結果を分析し、生活習慣の改善を指導するほか、医療機関の受診を促して重症化を予防する。広島県呉市の取り組みが全国に広がり、道内でも岩見沢市や函館市など100を超す市町村が着手している。

■生活習慣病の予防も

 「血糖値が正常になった。体調もいい」。糖尿病を患う岩見沢市の大島英敏さん(74)は昨年、市の「重症化予防プログラム」に参加した効果を実感する。

 14年前に糖尿病と診断され薬を飲み始めたが、生活習慣は変えなかった。昨夏、市の保健師からプログラム参加を促された。「糖尿病が進行すると、腎臓機能が低下し人工透析が必要になると言われ、困惑しました」。半年間の改善指導を受け、禁酒や運動に取り組んだ。終了時には体重が8キロ減の66キロになった。

 市は国保加入者約30万件のレセプトから病状や薬の種類、通院歴を分析。糖尿病が悪化する危険の高い人を昨年度までの2年間で計542人選び、プログラム参加を打診した。うち49人が応じ、多額の費用がかかる人工透析を全員回避できているという。

 レセプトや、メタボリック症候群を予防する特定健診の結果を健康づくりや医療費の削減に生かす取り組みは「データヘルス」と呼ばれる。レセプトなど医療データの電子化が普及したことで可能となった。

 岩見沢市は2014年度に着手した。重症化予防プログラムのほか、健診で異常が見つかったのに放置する人に受診を勧めたり、安価なジェネリック医薬品(後発薬)への切り替えを促したりする対策を行った。市は国保会計の累積赤字が3億円に達している。市国保医療助成課の背戸田巧主査は「医療費抑制は大きな課題。人工透析を受ける人が減れば意味がある」と話す。

 岩見沢市が参考にしたのが、10年度にデータヘルスを全国の自治体で初めて導入し、成果を上げる呉市。政府も13年に閣議決定した「日本再興戦略」で、国保を運営する市町村などにデータヘルス計画を14年度以降に作成するよう求めた。

 道の調査によると、15年10月末時点で道内の国保では53保険者(自治体)が計画を策定済み。63保険者が15年度中に策定予定と回答した。函館市は15年度に策定。後発薬の利用を促した分だけでも年間4千万~5千万円の歳出削減効果があるという。石狩市も16年度から重症化予防を実施、札幌市は16年度中の計画策定を目指す。

 道内先駆けの岩見沢市では課題も浮上。重症化予防プログラムの参加を昨年促された患者は「なぜ自分が選ばれたか分からず不気味」と感じて参加を断ったという。

 データの扱いについて、厚生労働省は「レセプトなどの情報は保険者が管理しており、広報などで被保険者(住民)に事前周知すれば、活用するのは問題ない」とする。ただ、東北大大学院の辻一郎教授(公衆衛生学)は「保険者は事業の趣旨や効果などを丁寧に説明し、理解してもらう努力が必要」と助言する。

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