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子ども医療費、補助金減額、見直しへ 厚労省検討 独自助成の自治体

厚生労働省は、子どもの医療費を無料化するなど独自の助成をしている地方自治体に対し、国民健康保険(国保)の補助金を減額する現行の仕組みを見直す検討を始めた。減額措置には、こうした自治体に応分の医療費負担を求める狙いがあるが、少子化対策の観点から、政府の対応に批判も出ていた。医療関係者らによる有識者会議で1年かけて検討し、安易な受診の防止策を含めて来夏までに結論をまとめる。【細川貴代】

 子どもの医療費は、小学校入学前は2割、入学後は3割を自己負担する。しかし、実際には子育て支援などのため全自治体が独自に医療費を助成している。厚労省の調べでは、2014年4月時点で全国1742市区町村のうち、子どもの医療費の自己負担が無料の自治体は56・6%。残る43・4%も一部を軽減している。

 8割弱の自治体は所得制限を設けていない。対象年齢は「15歳まで」が最も多く、通院医療費を助成する自治体では53・4%を占める。「就学前まで」は19・3%、「18歳まで」は11・5%。入院助成では「15歳まで」が66・1%に上る。

 独自に医療費を助成する自治体に国が補助金を減額するのは、患者の自己負担が減れば病院に行く人が増え、医療費全体も増えるという考え方に基づいている。13年度に減額された補助金は総額114・9億円。都道府県別で最多は東京都の17・4億円で、愛知県9・2億円、千葉県6億円と続く。

 これに対し、全国知事会など地方側は減額措置の見直しを要望してきた。厚労省は、軽症でも休日や夜間に安易に救急外来に行く「コンビニ受診」の防止策などをあわせて検討し、医療費増に一定の歯止めをかける方針だ。

NST勉強会

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薬剤誤飲事故、高齢者に多発で警鐘

消費者庁が9月16日に発表した高齢者の誤飲・誤食事故情報で、薬剤の包装に絡む事例が最多を占めることが分かった。同庁が発足した2009年からの約6年で計165件の事故情報が寄せられ、このうち41.8%(69件)が内服薬のPTP包装シートなどの誤飲によるものだったという。同庁では、PTP包装シートを1錠単位で切り離さないなど、事故防止へ注意を呼び掛けている。

 消費者庁に65歳以上の高齢者が食品以外のものを誤飲したという事故情報は、2009年9月‐15年7月に165件寄せられ、このうち25件は入院治療を要したという。年代別では75‐79歳、80‐84歳で事故が多く見られ、内服薬などの包装を誤飲した事故69件のうち、53件はPTP包装シートを占めた。他には、洗剤や洗浄剤26件、部分入れ歯17件、乾燥剤11件などと続いた。

 PTP包装シート誤飲の具体的な事例では、60歳代の女性が夕食後に内服薬をシートごと誤飲し、嚥下時の違和感が続くため医療機関に訪れて内視鏡で除去したが、経過観察のため入院した。別の事例では、90歳代の男性が朝食後に家族が切り取って渡した内服薬をシートごと飲み込み、喉につかえた感じがあったため救急車で来院し、胃カメラで食道から回収した。

 同庁では、PTP包装シートを飲み込むと喉や食道、腸などの人体内部を傷つけたり穴を開けたりして重大な傷害を招く危険性や、検査をしてもX線を透過するため、発見が遅れて重症化する恐れがあると指摘している。高齢者は視覚、味覚などの身体機能や判断力の低下などで誤飲、誤食リスクが高まる可能性があるとして、薬のPTPシートを1錠ずつ切り離さないことや食品、薬とそれ以外のものは分けて保管することなど、事故防止策を講じるよう注意を喚起している。

誤嚥性肺炎を見極めるX線読影【研修最前線】

世の中の肺炎で一番多いのは、実は誤嚥性肺炎だと思います。Common diseaseなので今日は誤嚥性肺炎の診断について少し詳しく述べます。配布プリントを見てください。まず、誤嚥性肺炎の患者の場合には寝たままポータブルで撮らなくてはならないことが多く、CTまで撮れないことも多いです。そのため劣悪な条件の胸部単純X線を読影しなければなりません。誤嚥した物は重力に従って下に落ちますのでS10という内側最下部に影が出る事が多いです。

 また誤嚥性肺炎は過去に何回も繰り返している事がほとんどです。つまり滲出機転が働いて水浸しで辺縁が不鮮明な浸潤影だけではなく、線維化した所見を示す辺縁が鮮明な斑状影や線状影がスーパーインポーズしている場合が多いです。また胸水も多く見られる所見です。これは誤嚥するような人は、低栄養で漏出性胸水を呈する人が多い、常に誤嚥を繰り返して肺炎のための胸水貯留する人がいる、心臓が悪くて心不全を合併する人が多い事によると思います。

 このような所見を呈する誤嚥性肺炎X線を的確に診断するには、シルエットサインの確認は重要です。下肺野内側の陰影、胸水はシルエットサインの異常として出やすいです。症例によってはシルエットサイン陽性が唯一の所見である場合もあります。誤嚥性肺炎が疑われる人のX線では、特にシルエットサインよく見てください

百歳以上、初の6万人突破 45年連続増、87%女性 敬老の日前に厚労省調査

全国の100歳以上の高齢者は過去最多の6万1568人に上ることが11日、敬老の日を前にした厚生労働省の調査で分かった。6万人を超えたのは1963年の調査開始以来初めて。昨年より2748人多く、45年連続の増加となった。女性が87・3%を占めた。

 住民基本台帳を基に、かつて敬老の日だった「老人の日」の15日時点の100歳以上の人数を、自治体を通じ1日現在で集計した。

 男性は7840人(前年比254人増)、女性は5万3728人(同2494人増)。2015年度に100歳になった人と、なる予定の人は計3万379人(前年度比1022人増)だった。

 国内最高齢は東京都渋谷区の女性で、1900(明治33)年3月生まれの115歳。男性の国内最高齢は名古屋市守山区の小出保太郎(こいで・やすたろう)さんで、1903(明治36)年3月生まれの112歳。小出さんは男性の世界最高齢としてギネス・ワールド・レコーズ社から認定されている。

 人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は48・45人。都道府県別では島根が90・67人と3年連続最多で、高知85・37人、鹿児島80・40人が続いた。一方、最少は26年連続埼玉で28・68人、次いで愛知32・10人、千葉36・00人。都市部への人口流入と地方での過疎化の影響もあるという。

 100歳以上の高齢者は調査を始めた63年には153人だったが、98年に1万人を超え、07年に3万人、12年に5万人を突破した。厚労省は100歳を迎える人に首相が贈る純銀製の「銀杯」を、経費節減のため、来年度から銀メッキなどに変える方針。今年は純銀製が贈られる。

 日本人の平均寿命(14年)は女性86・83歳、男性80・50歳。

つんく♂さん「楽しく生きる」…声帯摘出し手記

喉頭がん治療のために声帯を摘出したミュージシャンのつんく♂さん(46)が、手記「だから、生きる。」(新潮社、10日発売)の刊行を前に、読売新聞社の単独インタビューに応じ、がんの発覚から、手術を経て声を失った現在までの心境を明かした。

 4月に母校の近畿大の入学式で病状を公表して以来、その言葉が公の場に出るのは初めて。

 告知を受けた時の衝撃、以来ずっと胸を離れることのない「僕はあと、どのくらい生きられるのだろうか」という不安、懸命に支えてくれる家族への感謝……。つんく♂さんは、生と死の間で揺れ続けたこの1年半の思いを、キーボードに打ち込むことで“語った”。

 今は「歌に頼らずに、自分には何ができるのか」と模索している段階だといい、命には限りがあるとはっきり意識した上で、「残りの人生を楽しく生きる」と決めているのだという

介護様子、ブログで赤裸々 業者とヘルパーに賠償命令

介護されている様子を訪問ヘルパーにブログで赤裸々に紹介され、プライバシーを侵害されたなどとして、東京都内の高齢の男性が、介護業者とヘルパーに損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は4日、介護業者に130万円、ヘルパーに150万円の賠償を命じた。

 判決によると、業者は2013年5~6月、男性宅にヘルパーを派遣。ヘルパーは同年6月と9月、自分のブログに男性の実名を載せ、朝食や着替えの手伝いなど、身の回りを介護する様子を細かく書いた。

 松村徹(まつむら・とおる)裁判長は「他人に知られたくない私生活を公表しており、プライバシー侵害や名誉毀損(きそん)に当たる」と指摘。ブログの内容は業務で知ったものであり、プライバシー保護の指導を怠っていたとして、業者の賠償責任も認めた。

【北海道】がん死亡率20%減、達成困難 北海道が見通し、女性は減少率低く

道は2日、道がん対策推進計画で掲げた「2017年度までに、道内のがん死亡率を(05年対比で)20%減少させる」という全体目標について、達成が難しいとの見通しを示した。札幌市内で同日開いた、知事の付属機関「道がん対策推進委員会」で明らかにしたが、原因には言及しなかった。

 がん死亡率は、1年間に人口10万人当たり何人ががんで亡くなったかを示す指標。道は08年度に始まった同推進計画で、当時の最新データだった05年のがん死亡率「男性132・2、女性69・2」を基準に、17年度末までにこれを20%減らして、男性は105・7以下、女性は55・3以下にするという目標値を掲げた。

 道によると、最新の13年のがん死亡率は男性が113・0、女性は68・0。とくに女性は基準からの減少率が2%にとどまっている(男性は同14%)。道の担当者は「目標の20%減にはほど遠いという感覚がある」と同委員会で述べた。委員からは「罹患(りかん)の多いがんを分析し、検診を進めていく必要がある」といった指摘が出ていた。

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