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介護様子、ブログで赤裸々 業者とヘルパーに賠償命令

介護されている様子を訪問ヘルパーにブログで赤裸々に紹介され、プライバシーを侵害されたなどとして、東京都内の高齢の男性が、介護業者とヘルパーに損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は4日、介護業者に130万円、ヘルパーに150万円の賠償を命じた。

 判決によると、業者は2013年5~6月、男性宅にヘルパーを派遣。ヘルパーは同年6月と9月、自分のブログに男性の実名を載せ、朝食や着替えの手伝いなど、身の回りを介護する様子を細かく書いた。

 松村徹(まつむら・とおる)裁判長は「他人に知られたくない私生活を公表しており、プライバシー侵害や名誉毀損(きそん)に当たる」と指摘。ブログの内容は業務で知ったものであり、プライバシー保護の指導を怠っていたとして、業者の賠償責任も認めた。

【北海道】がん死亡率20%減、達成困難 北海道が見通し、女性は減少率低く

道は2日、道がん対策推進計画で掲げた「2017年度までに、道内のがん死亡率を(05年対比で)20%減少させる」という全体目標について、達成が難しいとの見通しを示した。札幌市内で同日開いた、知事の付属機関「道がん対策推進委員会」で明らかにしたが、原因には言及しなかった。

 がん死亡率は、1年間に人口10万人当たり何人ががんで亡くなったかを示す指標。道は08年度に始まった同推進計画で、当時の最新データだった05年のがん死亡率「男性132・2、女性69・2」を基準に、17年度末までにこれを20%減らして、男性は105・7以下、女性は55・3以下にするという目標値を掲げた。

 道によると、最新の13年のがん死亡率は男性が113・0、女性は68・0。とくに女性は基準からの減少率が2%にとどまっている(男性は同14%)。道の担当者は「目標の20%減にはほど遠いという感覚がある」と同委員会で述べた。委員からは「罹患(りかん)の多いがんを分析し、検診を進めていく必要がある」といった指摘が出ていた。

「健康寿命」日本が首位 英誌に188カ国調査

【ロンドン共同】世界188カ国の2013年の「健康寿命」を調べたところ、日本が1位だったとする調査結果を米ワシントン大(西部ワシントン州)などの研究チームが27日付の英医学誌ランセットで発表した。健康寿命は介護が必要だったり、日常生活に支障が出る病気にかかったりする期間を除き、自立して過ごせる期間を示す。

 同チームによると、日本の健康寿命は男性が71・11歳、女性が75・56歳で、男女とも健康寿命は1位だった。この年の日本人の平均寿命は男性が初めて80歳を超え、女性は86歳台だった。

 健康寿命の男女平均で2位は72・1歳のシンガポール。アンドラ、アイスランド、キプロスが続いた。

 日本以下は、男性はシンガポール、アンドラ、アイスランド、イスラエル。女性はアンドラ、シンガポール、フランス、キプロスの順。

 同チームは1990年のデータも算出。世界では90年~2013年に、平均寿命が65歳台から71歳半ばまで延び、健康寿命も57歳から62歳台に延びた。背景としてエイズウイルス(HIV)やマラリアなどの感染症対策が進んだことなどを挙げた。

 健康寿命は、単に寿命を延ばすのではなく、健康に長生きすることを重視する考え方に基づき、世界保健機関(WHO)が00年に提唱した。

 ※健康寿命

 健康上の問題で日常生活が制限されることなく過ごせる期間。平均寿命と健康寿命の差は「不健康な期間」とされる。今後、平均寿命が延び、健康寿命との差が拡大すると医療や介護の費用がかさむ恐れがある。健康寿命を延ばせば、個人の生活の質の低下を防ぐとともに、社会保障費の抑制も期待できるため、政府は2020年までに健康寿命を1歳以上延ばす目標を掲げている。自治体や企業も生活習慣病の予防などに取り組んでいる。

認知症「レビー小体型」知って 患者の樋口さん 症状や不安 本に

幻視や抑うつ症状などが出る「レビー小体型認知症」の当事者、樋口直美さん(53)=千葉県=が、病気に気付いてから実名で病を公表するまでの日記をまとめた「私の脳で起こったこと」を出版した。

 樋口さんは41歳で「うつ病」と誤診され、約6年も誤った薬物治療を続けた。2012年9月、インターネットなどで調べて若年性のレビー小体型認知症を疑い、同10月に専門医を受診。13年6月に正式な診断を受け治療開始。今年1月に東京の会合で実名で体験を語った。本はこの2年4カ月の日記をまとめている。

 レビー小体型ははっきりした幻視、手足の震えなどの症状が現れるが、日によって症状の変化が激しい。物忘れ、場所や時間が分からなくなるなどの認知障害が、出ないこともある。認知症の中では「アルツハイマー型」「血管性」に次ぎ3番目に多く、約2割を占めるが、あまり知られていない。

 40年間、日記を書き続けている樋口さんは病気の不安も生々しく記録している。いるはずのない虫や人間が見え、仕事でミスが続く。「私はいつ病気に脳を乗っ取られるのだろうか」「死ぬことは恐(こわ)くない。理性を失うこと、言葉を失うことが恐ろしい」(12年10月)

 一般的に、認知症の人は家族の顔まで忘れる、人格も失うなどのイメージが強い。体調が改善するにつれ「認知症という言葉は、深く誤解され、既に広く侮蔑(ぶべつ)的に使われている」(13年11月)「脳の機能の一部を失ったからといって、知性を失う訳ではない。記憶を失ったとしても思考力を失う訳ではない」(14年8月)など、病への無理解を嘆き、憤る。

 現在、血圧や心拍数が安定しない自律神経障害は残るが、幻視などはなく家事や講演もこなす。「毎日楽しく笑って過ごせば、どんな薬よりも効くのだ」(同10月)「周囲の誰もが味方で、心安らぐ『ホーム』の環境にあれば、妄想も生まれない、少なくとも周囲を困らせるような妄想は生まれないのではないか?」(同12月)と記す。

 樋口さんは「当事者を追い詰めているのは周囲の無知。多くの人が正しく病気を理解し、誰もが自然に受け入れられる社会なら、当事者のストレスは軽くなるはず」と訴えている。

「地域医療」ラジオCMで 旭川医大生の作品、FMで放送

全国の大学生や専門学校生を対象に、自分の学校の魅力をアピールするラジオCM原稿を募集する「JFN学生ラジオCMコンテスト」で、旭川医大4年の遠藤ゆきのさん(21)が「北海道・東北ブロック賞」を受賞した。道内からの入賞は2人目。地域医療に携わる喜びを表現しており、医療を学ぶ学生の受賞は珍しいという。主催した全国FM放送協議会(JFN、全国38局)に加盟するAIR―G’(FM北海道)が16日まで、遠藤さんの作品を基に制作したCMを放送した。

 コンテストは、学生にラジオの魅力を認識してもらう狙いで、4回目の今回は約2500通の応募があった。参加者は40秒か20秒のCM原稿を応募。書類による2次選考を通過した学生の原稿を使い、JFN加盟局がCMを制作。最終選考で、漫画家の弘兼憲史さんらがCMを審査し、遠藤さんは最優秀、優秀各賞に次ぐ北海道・東北ブロック賞に選ばれた。

 作品は故郷の病院で働く男性医師が、幼少期を回想しつつ「このマチに恩返しをしたい」と誓う内容。最後に「地域医療のプロになろう。旭川医科大学」というナレーションが流れた。

女子大生、人工呼吸で回復 沖縄、溺れて一時意識不明

13日午前10時20分ごろ、沖縄県竹富町・西表島にある星の砂海岸で、シュノーケリングをしていた東京都の私立女子大生(18)が溺れた。一時意識不明に陥ったが、一緒にいた友人や教員らが心臓マッサージや人工呼吸をした結果、意識を取り戻した。県警八重山署によると、命に別条はないという。

 大学生は宿泊研修で沖縄を訪問。教員や友人ら25人でシュノーケリングをしていて、海岸近くの水深1~2メートルで溺れた。監視員はいなかった。

介護利用、588万3千人 14年度、過去最多

 2014年度に介護予防と介護サービスを利用した人が過去最多の計588万3千人だったことが6日、厚生労働省の介護給付費実態調査で分かった。13年度を22万2500人上回り、本格的に調査を開始した03年度と比べて約1・6倍に増えた。高齢化が進み、利用者数は右肩上がりの状態が続いている。

 介護サービス別の内訳では、通所介護が前年度比9万7千人増の184万5千人、訪問介護が2万8千人増で142万人だった。施設サービスの利用者は、特別養護老人ホームが62万人、老人保健施設は53万9千人といずれも増加する一方、介護型療養病床は10万5千人で、前年度から7千人減った。

 受給者1人当たりの給付費(今年4月審査分)は、介護予防サービスが4万1千円、介護サービスが19万1300円。都道府県別で見ると、介護予防サービスは福井の4万4千円が最も高く、介護サービスは沖縄の21万2400円が最高だった。

生活保護世帯が最多更新 5月、厚労省調査

厚生労働省は5日、全国で生活保護を受けている世帯は5月末時点で162万2525世帯となり、過去最多を更新したと発表した。前月比1601世帯増で、これまで最多だったことし3月を超えた。受給者数は前月比1972人減の216万1442人だった。

 世帯別(一時的な保護停止を除く)では、65歳以上の高齢者世帯が増え続けており、79万3658世帯と1年前と比べて5・6%伸びた。全体の約49%で、厚労省によると単身が約9割を占めるという。

 働ける世帯を含む「その他の世帯」は1年前と比べて3・2%減の27万4398世帯だった。厚労省は受給世帯が増える一方、人数が減った原因について「増加している高齢者世帯の単身化が進み、それ以外の世帯が雇用状況の改善などで減少傾向にあることが影響している」と分析。

 生活保護に至る手前の新たなセーフティーネットとして生活困窮者自立支援制度が4月から始まったが、影響は分からないとしている。

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