「認知症の人の鉄道事故は、徘徊を防がず、監督義務を怠った家族の責任」―。認知症の人の鉄道事故裁判をめぐって今年4月に示された判決は、介護者に重い責任を課すものとして波紋を広げた。特に、認知症の人の家族や医療・福祉関係者からは「介護の実情を理解していない」との批判が相次いでいる。今後の最高裁判断が注目される中、NPO法人高齢社会をよくする女性の会が27日に東京都内で開いた勉強会では、介護に当たっている当事者らから戸惑いと怒りの声が報告された。
「認知症の人の鉄道事故は、徘徊を防がず、監督義務を怠った家族の責任」―。認知症の人の鉄道事故裁判をめぐって今年4月に示された判決は、介護者に重い責任を課すものとして波紋を広げた。特に、認知症の人の家族や医療・福祉関係者からは「介護の実情を理解していない」との批判が相次いでいる。今後の最高裁判断が注目される中、NPO法人高齢社会をよくする女性の会が27日に東京都内で開いた勉強会では、介護に当たっている当事者らから戸惑いと怒りの声が報告された。
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は27日、現在第一類医薬品に区分されており、製造販売後調査が終了した第一三共ヘルスケアの解熱鎮痛薬ロキソニンS(成分名ロキソプロフェンナトリウム水和物)についてリスク区分の検討を行った。その結果、類似薬と同様に指定第二類医薬品に区分変更することを了承した。この日の会合では、同剤の副作用の発現率は、指定第二類に区分されている類似薬の「イブプロフェン」「アスピリン」と大きな違いがないことなどから、指定第二類への区分変更が適切だとして意見が一致した。ただ、参考人から「十分な情報提供が必要」などと指摘が上がったことから、厚労省は販売会社に対し、適切な情報提供や添付文書への分かりやすい記載などを求めていく考えを示した。
また同調査会は、要指導医薬品4剤についてリスク評価を行い、いずれも製造販売後調査の終了後に一般用医薬品に変更することを了承した。4剤は以下の通り。
興和のエルペインコーワ(成分名イブプロフェン/ブチルスコポラミン臭化物)▽佐藤製薬のストナリニ・ガード(メキタジン)▽エスエス製薬のアレジオン10(エピナスチン塩酸塩)▽田辺三菱製薬のアレギサール鼻炎(ペミロラストカリウム)
厚労省は今後、リスク区分の見直しについてパブリックコメントを行い、その結果などについて医薬品等安全対策部会で審議する。
2014年8月11日 ソース:専門誌ピックアップ カテゴリ:消化器疾患・一般外科疾患
文献:Lee SS,et al.Long-term Shifting Patterns in Quality of Life After Distal Subtotal Gastrectomy: Preoperative- and Healthy-Based Interpretations.Ann Surg. 2014 Jul 28. [Epub ahead of print]
胃癌患者127人の生活の質(QOL)データを基に、幽門側胃部分切除術後の健康関連QOLの長期的変動パターンを検証。患者の術前データと、年齢/性別で調整した健常者127人のデータに基づく検証結果の両方で特定された持続的QOL悪化要因は、摂食制限と身体醜形懸念だった。経済的困難が術前時に確認され、術後も36カ月以上持続した。
ハウス食品は、介護ニーズに対応し、食べる力が弱くなった要介護者に適したゼリー状食品を開発した。喉ごしのよい食感により、たん白質など不足しがちな栄養素を無理なく摂取できる。在宅介護や介護施設での活用を想定し、スーパーなどの小売りチャンネルなどを通じ、18日から市場投入した。
新開発の食品は、「やさしくラクラクケア たんぱく質5g果実のゼリー」。食欲が低下し、噛む力や飲み込む力といった食べる力の弱くなったヒトが食べやすい設計手法を導入した。食欲低下は、必要な栄養素の不足につながるため、同食品では1個65グラム当たり、たん白質5グラム、鉄3・5ミリグラム、亜鉛6ミリグラムを配合した。エネルギーは80キロカロリー。
日本介護食品協議会が制定した自主規格「ユニバーサルデザインフード(UDF)」に適合させ、UFD区分3とした。区分3は、「舌でつぶせる」柔らかさのある食品となる。ラベルには同協議会のマークを表示。
要介護者ばかりでなく、健常人の日常食としても利用できる。
毎日新聞社 2014年8月14日(木) 配信
どうすれば安全安心:急増する「逆流性食道炎」 生活習慣改善で重症化防ぐ
◇高脂肪食で胃酸が増加/暴飲暴食、夜型化も原因/ピロリ菌減った影響も
「逆流性食道炎」で病院を訪れる患者が近年、急激に増えているという。我慢できないほどではないものの、胸やけや胃のもたれが頻繁に起きるのはつらいものだ。この苦痛から解放されるにはどうしたらいいのか。豊富な治療経験を持つ医師に、治療法や予防法などを聞いた。【小林祥晃】
あるサラリーマン男性。50歳を過ぎたころから、油ものを食べたり、飲み過ぎたりすると、必ず胃がもたれ、胸やけするようになった。若いころは仕事も遊びもバリバリこなしていたのに、今は胃腸薬が手放せない。部下の指摘で、無意識のうちによく胸をさすっていることに気付いた――。
どこにでもいそうなこのお父さん、逆流性食道炎の可能性が極めて高い。日本医科大千葉北総病院の消化器内科部長、岩切勝彦さんによると、他にも典型的な症状として、食事の1~2時間後に「みぞおちの上がチリチリする」「げっぷとともに口の中が酸っぱくなる『呑酸(どんさん)』がある」などが挙げられるという。
さらに「胸が痛む」「のどの奥に違和感がある」「せきが出る」「声がかすれる」といった、一見胃腸とは関係なさそうな症状が出ることもある。岩切さんは「患者は近年、激増しています。消化器内科を訪れる4人に1人はこの病気。もはや国民病です」と言う。
逆流性食道炎が起きる仕組みはこうだ。食道と胃のつなぎ目の周囲には「下部食道括約筋」という筋肉があり、健康な人ではこの筋肉が食道を締め、胃の内容物が食道に逆流しないよう「弁」の役割を果たしている。ところが、暴飲暴食やきつい服装の締め付けでおなかに負担がかかると下部食道括約筋が突然緩み、げっぷなどとともに胃酸や胃酸を含む内容物が逆流、食道がただれて炎症を起こしてしまうというわけだ。「水を飲むと一時的に酸が流れるのでスッキリする。そんな人はまず、逆流性食道炎を疑って間違いないと思います」
それにしても、なぜ急増しているのか。岩切さんはまず、生活習慣の変化を挙げる。「現代人の高脂肪、高カロリーの食事は消化しにくく、結果的に胃酸の分泌を増やします。それに加えて、生活の『夜型化』が大きい。終電まで働き、寝る前にご飯を食べる、または深夜まで飲んでそのまま寝る、といった生活は最悪です」
食べてすぐ寝ると、胃の内容物が上がってきやすいためかと思えるが、それだけではなかった。「人は起きている間、20~30秒に1回ゴクンと唾液を飲み込みます。飲み込んだ後には、食道に逆流した胃酸や食べた物などを胃に押し出すような食道の動きが起きるため、少々の胃酸逆流は押し戻されます。ところが寝ている間は唾液の分泌が抑制されているため、唾液の飲み込みが起こりません。その結果、食道の動きが出現せず、逆流が起きると長時間食道が胃酸にさらされる」。そんな生活を長年繰り返していると、いつの間にか重症化してしまうのだ。
岩切さんがもう一つ指摘するのは、ピロリ菌のない人が増えていることだ。「ピロリ菌がいると胃粘膜が萎縮や炎症を起こし、胃酸の分泌が減ります。かつては『加齢とともに胃酸分泌は減る』と言われてきましたが、それはピロリ菌陽性の人が多かったから。現代は衛生的な生活でピロリ菌のいない人が増えています。そういう人は胃酸が減らないので、逆流性食道炎は今後も増えるでしょう」
治療法は、胃酸分泌を強く抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)の処方が一般的だ。軽症なら、1日1錠飲めば4、5日で症状が消える人がほとんど。ただ「薬をやめて再び症状が出るようなら飲み続ける必要がある」という。
市販の胃腸薬にも「胃酸を抑える」とうたう薬は多い。「H2ブロッカー」という成分を含む薬がよく知られているが、岩切さんは「H2ブロッカーは就寝中の酸は抑えるが、食後の酸を抑える効果は低い。逆流性食道炎には病院でPPIを処方してもらった方がいい」とアドバイスする。
重症になると、PPIが効かない患者もいる。その場合、まれに胃の一部を食道に巻き付けて逆流を防ぐ手術をするケースもある。
食生活や生活習慣と関わりが深い疾患なので、注意すれば予防することができる。岩切さんは「脂っこい食べ物だけでなく、甘い物や辛い物など胃酸の出やすい食べ物を控え、腹八分目を心がけること。そして就寝2~3時間前には食べないことです。また肥満気味の人や姿勢が前かがみになりやすい人は、胃が圧迫されて逆流が起こりやすいので、腹部を締め付けない服装や、姿勢を良くすることを心がけましょう」。軽症の人は、これら生活習慣の改善で再発を防止できることもあるという。
命に関わる病気ではないが、慢性的な胸やけは生活の質を落としてしまう。しっかり治療して健やかな毎日を送りたい。
道内の小中高生のうち食物アレルギーがある児童・生徒の割合は、9年前の前回調査と比べ、ほぼ2倍の8%前後に増えており、全国平均を大幅に上回っていることが、日本医師会や都道府県などでつくる日本学校保健会(東京)の調査で分かった。原因は特定されていないが、専門家はシラカバ花粉症との関連性を指摘。道教委はこの結果を踏まえ、対策強化を進める。
調査は2013年度、全国すべての公立小中高校を対象に行われ、食物アレルギー症状があると把握している児童・生徒数について、小中高それぞれの割合を出した。前回調査は04年度。
道内の食物アレルギーのある児童・生徒の割合(13年度)は、小学生7・7%(全国平均4・5%)、中学生8・5%(同4・7%)、高校生7・4%(同4・0%)で、前回調査(04年度)の小学生4・1%(同2・8%)、中学生4・2%(同2・6%)、高校生3・3%(同1・9%)と比べ、それぞれ約2倍に増えた。都道府県別では前回に続き今回も、小中高とも全国で一番高い。前回と比べた伸び率も高く、全国平均との差が開いた。
一方、複数の医療機関によると、道内に多いシラカバ花粉症は、症状がある人の1~2割にリンゴやモモなどでアレルギー症状が出るとされる。オホーツク管内美幌町で6月末、小中学生ら94人が給食のリンゴを食べ、口のかゆみなどを訴えた事例があり、シラカバ花粉症のある子が反応したとみられている。
講師 渡辺一彦小児科医院 院長 渡辺一彦氏
1.食物アレルギーとは、
原因食物により、免疫機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象のことであって、食物不耐症、食中毒、仮性アレルゲンなどは含まれない。原因食物は多くあり、学童から成人にかけては、甲殻類、魚類、小麦、そば等が目立つが、近年になって、北海道で特に多いものに果物アレルギーが目立つ。北海道ではシラカバ花粉症が多く、シラカバ花粉と抗原が交叉するバラ科植物に果物(リンゴやビワなどの)口腔アレルギーが目だっています。
2.食物アレルギーの症状としては、
○皮膚粘膜症状
・皮膚症状 ?痒感、じんましん、湿疹等
・眠症状 粘膜充実・浮腫、?痒感、流涙等
・口腔咽喉頭症状 口腔・口唇・舌の違和感等
○消化器症状 腹痛、悪心、嘔吐、下痢、血便
○呼吸器症状
・上気道症状 くしゃみ、鼻汁、鼻閉
・下気道症状 呼吸困難、咳嗽、端鳴
○全身症状
・アナフィラキシー 多臓器の症状(二つ以上の臓器に症状が出る)
・アナフィラキシーシヨック 頻脈、虚脱状態(ぐったり)・意識障害・血圧低下
3.食物アレルギーの原因(抗原)と頻度は、
○抗原は年齢によって異なる
乳幼児では、1位は鶏卵、2位は牛乳であり、学童期からは、甲殻類がおおくなってきていたが、最近では果物が多くなってきている。
○頻度は乳幼児期が高く、高齢者で低い
乳幼児では消化機能が発達してないので、タンパク質などの抗原をアミノ酸等まで消化分解できず、抗原のまま吸収して血中に入り、アレルギー症状を起こす。
○歴史的変遷があり、近年は増加傾向にある化学物質(食品添加物や空気の汚染等)に囲まれた現代生活が影響しているのか
○地域差がある(北海道のOAS)
北海道には果物アレルギーが多い
OAS:口腔アレルギー症候群
4.食物アレルギーの診断
○問診(症状と抗原の摂食、摂取、吸入などの聞き取り)が重要。非即時型では困難
○一般的な皮膚テスト、特異的1gE抗体検査は的確ではない。即時型アレルギーの診断ではかなり有用だが、それでも擬陽性、擬陰性がある。
○非即時型では細胞免疫の関与が主で、リンパ球刺激反応が特異的といえるが、検査機関がきわめて限定的で広まっていない。
5.アナフィラキシー
○アナフィラキシー(エピペン治療対症)
全身性(複数臓器異常に渡る)の急激な重傷なアレルギー反応
○アナフィラキシーショック
(この段階ではエピペン治療は遅すぎる)
血圧低下、意識障害、呼吸困難など生命を脅かす状態
○アナフィラキシーの主なリスク要因食物:札幌市では、ソバ、ピーナツ、ビワは学校給食で使用しないことになっている
毒液:スズメバチなど昆虫
薬剤:ペニシリンシヨック等
ラテックス:手術用手袋等
アナフィラキシー発現から心停止までの時間は、薬剤では5分、ハチ毒では15分、食物では30分と言われている。
6.エピペン
アナフィラキシー症状が現れたら、速やかにエピペンを使用すること。アナフィラキシーを起こした人のそばにいた人が、患者にエピペン使用後不測の事態になっても罪には問われない。逆に、アナフィラキシーを起こしているのに、使用しないで死亡となった場合には、裁判の対象になることもあるという。
「今後10年で最も需要が伸びる診療科」「海外で学会を開催してほしい都市」「接待の時に食べたい料理ジャンル」「最も好きな医療ドラマ」。個々人によって、考え方や嗜好はさまざまだろう。今回は、m3.comの医師会員に対して、多岐にわたるジャンルの質問に回答してもらい、ランキングを作成するアンケートを企画した(調査期間:2013年8月1日から6日)。回答者は、勤務医318人、開業医184人、その他4人の計506人。その結果を、随時掲載する。