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胃ろう外せる患者、増える? 再び口から食事、リハビリ促す 診療報酬、4月見直し

おなかに穴を開けて管から栄養や水を入れる胃ろうは、回復すれば外すことができる。口から食べられるようにするリハビリを促し、つけたままの患者を減らそうと、厚生労働省は4月に診療報酬を改めた。外す患者の少ない病院は収入が減るため、必要な人につけなくならないかという懸念もある。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会副理事長の植田耕一郎・日本大学歯学部教授によると、リハビリは自身の唾液(だえき)をのみ込むことからスタートし、一滴の水分、ゼリー、ペースト状の食べ物へと進む。ベッドの上部を約30度起こし、あごを引いた姿勢でする。あごが固定された状態でのみ込むと、食べ物が食道ではなく気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)が減る。息を止めてのみ込むとよいという。

 植田さんは「声かけなど様々な刺激を受け、患者の感覚がよみがえり、食べたいという意欲が高まる。胃ろうにして終わりではありません」と語る。

 口から再び食べる患者を増やそうと厚労省は、胃ろう手術の診療報酬を4割下げた。一方、胃ろうが本当に必要かを調べるのみ込み機能の検査や術後のリハビリへの加算を手厚くした。

 ■患者敬遠の動き懸念

 診療報酬改定の背景には、検査せずに胃ろうにしたり術後にリハビリをしなかったりする実態がある。

 2012年度の医療経済研究機構の調査によると、検査を受けずに胃ろうをつけた患者が23%いた。口から食べられる可能性がある患者のうち、24%がリハビリを受けていなかった。

 ただ、胃ろうの手術が年50件以上の医療機関は、術後1年内に回復して外せた患者が35%以上いるなど、一定の条件を満たさないと収入が大きく減ることになる。外す患者の割合を増やすため、必要な患者にも胃ろうを避ける動きがでないか不安の声が出ている。

 国際医療福祉大学病院(栃木県那須塩原市)の鈴木裕副院長は「脳卒中などは回復しやすいが、神経難病などの患者は胃ろうをやめることはできない。口からは好きな物を楽しむ程度に食べるが、水や薬は胃ろうからという患者も多い」と説明する。条件をクリアできる医療機関は少ないとみられ、外せる可能性の低い患者を敬遠するところが出てこないかと、鈴木さんは心配する。

 胃ろう以外の主な栄養補給法には、鼻から胃まで管を通す方法や、胸の中心静脈への点滴がある。この二つに比べ、胃ろうは患者の不快感が少ない。長い期間使いやすく、食べるリハビリもしやすい面がある。

 榊原白鳳病院(津市)の笠間睦・診療情報部長は、患者や家族と一緒に、胃ろうをつけるか決めている。「外せるほどの回復は無理でも、状態が安定すると判断すれば胃ろうを勧める。栄養補給法の長所短所をよく知って、選んでほしい」と話す。

高額療養費制度 外来負担の上限廃止 政府検討、70歳以上の高額医療

政府は14日、医療費の自己負担に上限を設けている高額療養費制度のうち、70歳以上を対象とした「入院せず外来のみを受診した患者向けの特例上限額」(外来上限)について、低所得者向けを除き、廃止する検討に入った。現役世代に偏った社会保障関連の費用負担を「年齢別」から「能力別」に改め、高齢でも所得の高い人には負担を求めるとした、税と社会保障の一体改革の理念に基づく。厚生労働省は2015年度中に具体案をまとめる意向だ。

 高額療養費は、患者が医療機関で支払った窓口負担(医療費の1~3割)の1カ月の合計額に上限を設け、超えた分は公的医療保険でカバーする制度。年齢や所得に応じた自己負担上限額が設定されている。

 70歳未満の上限額は、外来も入院も、また両方かかった場合でもすべて同額(一般的な所得の人で月約8万円)。これに対し、70歳以上には入院せず外来だけを受診した場合の外来上限が別に設けられている。

 外来上限の月額は所得に応じ3区分ある。月収28万円以上の「現役並み所得者」4万4400円(入院費を含む通常の上限月額は約8万円)▽一般の所得者1万2000円(同4万4400円)▽住民税非課税の低所得者8000円(同2万4600円か1万5000円)――で、どの所得層も、外来上限は通常の上限額より大幅に抑えられている。

 70歳以上の外来上限は、今の後期高齢者医療制度の前身、旧老人保健制度から引き継がれた。「外来のみでも、高い薬を複数処方された場合などは自己負担が膨らむ」との理由からだ。しかし、70歳未満にはない特例で、厚労省は年齢を基準に負担を決める旧来の手法を見直す観点から廃止する意向。ただし低所得者については、外来上限を廃止し通常の上限額に一本化すれば負担が2~3倍になることから、上限の存廃を検討する

皮肉屋は認知症リスク3倍に 【米国神経学会】

フィンランドの研究者は、平均年齢71歳の1449人を対象に認知症のテストと皮肉っぽさの度合いを測るアンケートを実施。アンケートでは「ほとんどの人が出世のために嘘をつくと思う」などの文章について、どの程度同意できるかを回答してもらい、そのスコアに基づいて、不信感の強い皮肉屋である度合いを「低、中、高」に分類した。

 622人が2回の認知症テストを受けた。2回目のテスト実施時期は平均で研究開始の8年後であり、この間46人が認知症の診断を受けた。高血圧、高コレステロール値、喫煙などの認知症リスクに影響し得る要素を調整すると、不信感が強く皮肉屋である度合いが高い人は、低い人と比べて認知症発症率が3倍であることが分かった。

 また、この研究では皮肉屋である度合いと早期死亡との関係にも着目。1146人を平均10年間追跡調査したところ、当初は皮肉屋である度合いの高さと早期死亡に関連性があるかと思われたが、社会・経済的状況や喫煙、健康状態などの要素を考慮すると、皮肉屋であることと早期死亡との間には関連がないと判明した。

 研究者は「皮肉っぽさといった個性が認知症リスクにどのように影響するかが分かれば、認知症リスクを抑える方法について重要な見解が得られるだろう」と述べている。

混合診療、大幅拡大へ…患者・医師合意で

政府は9日、公的な医療保険を使うことが認められる医療と、認められない医療を併用する混合診療を受けやすくするため、「患者申出療養」(仮称)を来年度にも創設する方針を固めた。混合診療について〈1〉患者の希望に応じ、幅広い分野の医療を受けられるようにする〈2〉受診できる病院数を全国的に増やす〈3〉申請から2-6週間以内に受診可能にする--ことが柱。政府は今月決まる新成長戦略に盛り込み、来年の通常国会に関連法案を提出する。

 安倍首相が10日、田村厚生労働相、稲田行政改革相と調整し、東京都内の病院を視察した後、こうした方針を表明する。

 現在の混合診療は、国があらかじめ決めた「先進医療」や「差額ベッド」など17種類しか認められていない。受診までの審査期間も、過去に治療例がない場合は6-7か月程度かかる。

 一方、新制度は、患者が申し出て、医師が同意した治療内容であれば、混合診療の対象となりうる。

要介護リスク、やせた男性は太った人の2倍

高齢者になると、やせた男性は太っている人と比べ、介護が必要になるリスクが約2倍高いとする調査結果を東京都健康長寿医療センター研究所のチームがまとめた。栄養の低さが健康に悪影響を与える可能性が示されたとしている。12日の日本老年医学会学術集会で発表する。

 チームは2002~12年、群馬県草津町の高齢者(12年時点で平均74歳)計1620人を昨年6月まで追跡調査した。最初の健診時で介護が不要だった1546人のうち、82人が死亡し、202人が介護サービスを受ける必要があると認められた。

 体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割った体格指数BMIと、肉や魚を多く食べると増えるたんぱくのアルブミン値、総コレステロールなど四つの指標で栄養状態を評価し、それぞれを高い順に4グループに分けて比較した。

 男性では、BMIが最も低いやせグループ(15・9~21・0)は、最も高いグループ(24・9~39・9)よりも、介護が必要になるリスクが1・9倍だった。アルブミンやコレステロールなどでも、栄養状態を示す数値が最も低いグループは、最も高いグループに比べ、リスクが高かった。

 女性は、BMIでは男性のような差が出なかった。理由ははっきりしないが、太っていることによる膝(ひざ)や腰への影響が男性より出やすいのではないかという。

 研究所の新開省二・研究部長は「体力低下やかむ力の衰えなど様々な要因で、高齢者は栄養不足になりがちだ。太ることを気にして動物性たんぱく質を敬遠せず、バランスよく食べてほしい」と話す。

「 知っていますか?小規模多機能型居宅介護 」< トークセッション >

旭川地区在宅ケアを育む会
第67回定例会開催ご案内
謹啓
新緑の候、時下益々ご静祥の段、お慶び申し上げます。
さて、今回は「知っていますか?小規模多機能型居宅介護」と題して今回は、これからを語り尽くす(トークセッション)を実施します。ご多用とは存じますが、皆様お誘い合わせの上ご参加くださいますようお願い申し上げます。
謹白

日時:平成26年6月11日(水) 午後7時~8時45分
場所:旭川市市民活動交流センター ココデ旭川 1階大ホール
旭川市宮前通り東  TEL0166-74-4151
・小規模多機能型居宅介護とは?
・小規模多機能型居宅介護ならこんなことも可能です!
・今後の展望etc…
◎出演 : ※只今数箇所、出演交渉中…
◎進行 : 旭川地域小規模多機能型居宅介護事業所連絡会
事務局 : グレイス 布重 勝彦

生活保護世帯、160万を超す 47%が65歳以上

3月の生活保護の受給世帯は過去最多の160万2163世帯となり、前月より3345世帯増え、初めて160万世帯を超えた。厚生労働省が4日、速報値を公表した。65歳以上の「高齢者世帯」が2万世帯以上増え、全体の数を押し上げた形だ。

 受給者は前月より4758人多い217万1139人で、こちらも過去最多を更新した。

 受給世帯の内訳をみると、「母子世帯」や「傷病・障害者世帯」、働ける世代を含む「その他世帯」はいずれも前月より減った。高齢者世帯の増加が目立っている。全体に占める割合でも高齢者世帯が47%を占めている。

 同省保護課の担当者は「雇用状況の改善で、高齢者以外は働き口を見つけて受給者は減少傾向にある。高齢者は仕事が少なく、受給世帯を減らすのは難しい」とする。無年金や低年金で生活保護を受けるようになった高齢者が、貧困から抜け出せない問題が深刻になっている。

北大訴訟 説明義務違反を認定 控訴審判決、大学側に慰謝料660万円

北海道大学病院(札幌市)で受けた手術で、下半身などの感覚まひなど深刻な後遺障害を負ったとして、さぬき市の女性と夫が大学側に計約2億4000万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、高松高裁であった。三木勇次裁判長は1審・高松地裁の判決を変更。1審判決が認めた夫に対する慰謝料は認められないとしたが、女性に対する説明義務違反を認定し、大学側に慰謝料660万円の支払いを命じた。

 また、女性側は「手術を変更したことで症状が悪化した」と主張したが、三木裁判長は「女性に対する説明義務違反と後遺障害などとの相当因果関係をいまだに認めるに至らない」とした。

 判決によると、女性は1996年9月、難病の「脊髄(せきずい)動静脈奇形」の治療のため、同病院で手術を受けたが、十分な説明がされず、事前の説明とは違う手術が施された。

 判決後、女性の夫は「不適切な治療によって症状が悪化したということに対する損害が認められなかったことが不満」と話し、同病院は「内容を精査して、適切に対応したい」とした。

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