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障害ある子の成長、家族への支援重要 川崎医福大諏訪准教授が講演

障害がある子どもと家族への支援をテーマにした講演会が10日、岡山県美作市湯郷の湯郷地域交流センターで開かれた。川崎医療福祉大の諏訪利明准教授が長年携わる療育(発達支援)について語り、市民や教育関係者ら約40人が理解を深めた。

 諏訪准教授は、発達につまずきのある子どもたちとの関わりを踏まえて「成長の中で障害をマイナスに捉え、苦しむケースが多い」と説明。本人が強みを生かして前向きに力を伸ばすために「周りの大多数との違いを、家族がうまく受け入れられるよう支援することが一番のポイントになる」と述べた。

 講演会は、障害や困り事がある人を支える同市のボランティア団体「交流し理解から支援につなぐ会こりす」が主催。和田洋子会長は「幼少期の療育、関わり方の大切さを多くの人に知ってもらいたい」と話した。

消毒と滅菌の違い、実際の消毒法の対象と方法

はじめに
 「消毒」と聞いても、学生時代にはあまり勉強する機会のないテーマかと思います。しかし、いざ研修医として病棟勤務をはじめると毎日のように何らかの消毒をしているのではないでしょうか。しかし、正しい消毒の方法、消毒薬の選び方ができている研修医は多くないと思います。なぜならば、正しい知識を学ぶ機会が少ないからです。私自身も研修医のときは上級医の見様見真似でやっており、今から考えれば正しくない方法を実施していたこともあったと反省しています。

 消毒の理論・実践について、消毒法、消毒薬、注意点など、正しい知識を身につける一助となれば幸いです。

消毒の基本知識――(1)なぜ、消毒をする必要があるのか?
 患者さんはいろいろな理由で入院しますが、入院患者が原疾患の治療がうまくいって退院するまでの間、合併症との闘いになります。その合併症のうち、最も頻度が多く重症化し得るものといえば、感染症でしょう。感染合併症の最大の特徴は「予防」できるということです。この「予防」ということをわれわれ医療従事者は最大限に行う必要があります。例えば入院患者でカテーテル関連血流感染を起こすと入院日数が増え、医療コストも増えるという研究があります1)。感染合併症は起こしてよいことは1つもないといえるでしょう。

消毒の基本知識――(2)消毒と滅菌の違いは?
 消毒とはその名の通り、「毒を消す」ことです。すなわち、微生物(主に細菌)の毒性を弱め、人体にとって無害なレベルまで減らすことです。微生物が減りますが、無菌をめざすものではありません。

 滅菌とはその名の通り、「菌を滅する」ことです。すなわちすべての微生物を限りなく無菌に近く減らすことです。乾熱滅菌、高圧蒸気滅菌などの方法があります。人間の生体面ではなく、物品が対象となります。滅菌されているものは何か見分ける方法を簡単にいうと、清潔野(図1)で扱うすべての物品のうち、包装されているものです。例えば、鑷子(図2)、ガウン(図3)、メス、尿道カテーテルなどのカテーテル類、などです。これらは近年ではディスポーザブルとなり単回使用のものも多くなっています。


 微生物の数でいえば、滅菌<消毒であり、滅菌の方が微生物数は少ないです。それならすべて滅菌すればよいのではと思われるかもしれませんが、滅菌は熱したり乾かしたり強いガスを使用したりするので、生体面で行うと生体に被害が出てしまいます。そこで処置をする際に生体にとって無害なレベルまで医療従事者側も患者側も微生物を減らし、かつ生体に害が出ないように消毒をすることとなるわけです。

 実際の臨床現場では、医療従事者側の消毒、が抜けることが多いため、注意が必要です。

レセプトは“金券”です【審査委員のホンネ】

衝撃を受けたベテラン審査委員の言葉
 私がレセプト審査を担当して間もない頃に、ベテラン審査委員の先輩がおっしゃった言葉があります。「レセプトは金券です。このレセプトが何万円、何十万円、何百万円の価値を持ちます。提出する側も審査する側も覚悟を持って取り扱う必要があります」。 私は、この言葉にかなりの衝撃を受けました。

 それまでは、レセプトを提出する側のことしか知りませんでした。「現場を知らない、現役を引退した頭の硬い爺さんたちが審査をしているのだろう」や「現場は忙しいのだから、少しくらい多めに見て修正なども認めてくれても良いのに」などと思っていたものです。

“現役バリバリ”の医師が審査委員の大多数
 しかし、実際に審査する側になってみると、予想に反し“現役バリバリ”の医師が審査委員の大多数を占めていました。取りまとめをなさる先生は、さすがにベテランの先生でしたが、知識のアップデートを継続されており、感心するとともに自分を恥いることも多かったです。

 私が審査を担当するレセプトは、1万2000~1万5000件/月ほどあります。事務職員も事前にチェックしてくださっていますが、それでも通常の勤務終了後や休日などを利用しながら審査を行っています。そのような状況ですので、安易な修正の受付をする余裕はありません。

 審査する側も真剣に取り組んでおりますので、提出する側も「少しくらいのことなら多めに見てほしい」などと考えずに、きちんとしたレセプトを提出していただきたいと思います。

2型糖尿病患者のNSAID、心不全による入院リスクと関連

1998-2021年のデンマークのデータベースを用いて2型糖尿病と診断された患者33万1189例を特定し、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)短期間の使用が心不全の新規発症と関連するという仮説を立てて検証した。診断の120日以内に心不全、リウマチ性疾患、およびNSAIDの使用がない患者を分析対象とした。

 その結果、NSAIDの短期使用が、心不全の入院リスク増加と関連した(オッズ比1.43、95%CI 1.27-1.63)。特に80歳以上の高齢者(同1.78、1.39-2.28)、HbA1c高値に対して糖尿病治療薬の使用なしまたは1種類のみの使用者(同1.68、1.00-2.88)、NSAID新規使用(同2.71、1.78-4.23)で入院リスクが高かった。

【原文を読む】
Holt A, et al. Heart Failure Following Anti-Inflammatory Medications in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus. J Am Coll Cardiol. 2023; 81: 1459-1470.

新型コロナに罹ったら何日休む?

5類移行後、新型コロナに罹ったら外出できないの?

 新型コロナに感染しても法律に基づく外出自粛は求められません。外出を控えるかどうかは、個人で判断することになります。ただ、その判断の目安として、厚生労働省は発症日を0日目として5日目までは外出を控えることを推奨しています。症状が続く場合は、軽快から24時間は控えるよう呼びかけています。検査による陰性証明は必要ありません。

ウイルスは変わらないのに大丈夫?

 厚労省は国立感染症研究所のデータなどから、「発症2日前から発症後7~10日間は感染性のウイルスを排出している」として、発症後10日目までは不織布マスクを着用するなど、周りに拡げないための配慮を求めています。高齢者らリスクの高い人との接触も控えるよう呼びかけています。

濃厚接触者はどうすればいい?

 保健所などが濃厚接触者を特定し外出自粛を要請することも基本的にはなくなります。ただ、厚労省は同居家族らが発症した場合は7日間は高齢者らとの接触を控えるよう推奨しています。

 また、季節性インフルエンザなどと同様に、医療機関や高齢者施設で感染が広がった場合は、今後も疫学調査が行われる可能性があります。

Chat-GPTが第117回医師国試で合格点

株式会社MICINは4月25日、金沢大学医学類の学生および同大融合研究域融合科学系の野村章洋准教授らの研究グループと共に実施した研究に関する成果を報告する論文をオンラインで公開したことを発表した(詳細については論文を参照)。

 この研究は、2023年2月に実施された第117回医師国家試験の画像なし問題262問を、昨今注目を集める生成AIによる対話型サービス「Chat-GPT」のGPT-3.5およびGPT-4に解かせるという内容だ。

 その結果、Chat-GPT(GPT-4)は必修問題(合格最低ラインは80.0%)で82.7%、基礎・臨床問題(合格最低ラインは74.6%)で77.2%のスコアを獲得し、合格最低ラインを満たした。

 研究グループは第117回医師国家試験の問題を解かせる前に、まずは第116回医師国試の画像なし問題を用いて入力プロンプト(Chat-GPTから解答を得るための指示文)を検討し、GPT-3.5を用いた第116回医師国試の当初の検証では52.8%という正答率を得た。

 その後、プロンプトを平易な英語に翻訳した上で要約をすることや、基礎・臨床といった質問タイプごとにプロンプトをチューニングするといった調整を行うことで、正答率が向上した。

 こうした調整を経て、第117回医師国家試験の問題を解かせた結果、262問中206問で正解した。必修問題と基礎・臨床問題ともに、合格最低ラインを満たした。

 研究グループは不正解となった56問について、なぜ不正解となったのか要因を分析している。その結果、不正解となった56問のうち33問(58.9%)では「医学知識の不足」が、17問(30.4%)では「日本特有の医療制度情報」が、4問(7.1%)では「数学的誤り」が要因となっていたことが分かった。

 論文において研究グループは「医学の文脈において時代遅れ、決定的に間違っている解答もあった」としたほか、「医療保険分野における日本の薬事法、厚労省の指導、ガイドライン、公衆衛生に関する問題についてChat-GPTは適切に答えることができなかった」としている。

従業員にマスク着用求めず ローソン、5類移行で

ローソンは25日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月8日から5類に引き下げられることに合わせ、従業員のマスク着用を「推奨」から「個人の判断」と変更し、求めないと発表した。レジに設置しているビニールカーテンや入店時のアルコール消毒も不要とする。

 マスク着用を巡っては3月、政府が原則として個人の判断に委ねるとしたことを受け、顧客には求めないこととし、店舗従業員には「励行」から推奨へと変更していた。

障害児の健康づくり尽力 医療功労賞を受賞、郡山の岡本さん

 地域医療や保健福祉に長年尽力した人に贈られる「第51回医療功労賞」の中央(全国)表彰を受けた元県作業療法士会長の岡本宏二さん(62)=郡山市、ふくしまをリハビリで元気にする会理事長=は19日、県庁を訪れ佐藤宏隆副知事に会い、「みなさんの期待に応えられるように活動を続けてきた」と、これまでの取り組みについて語った。

 岡本さんは作業療法士として、県内の病院で病気やけがをした人のリハビリを担ってきた。東京電力福島第1原発事故が発生し屋外での遊びが制限されるようになると、県内各地の体育館などを利用して発達障害児らに屋内での遊びの機会を提供する「あしかの遊びの会」の活動を展開し、子どもの健全育成に尽くした。

 岡本さんは「私たちが子どもたちから元気をもらった面もある。もっとできることを増やしていきたい」と話した。佐藤副知事は「県民の健康づくりをどう進めるかが大きな課題となっている。子どもの頃から健康づくりの意識を高めていただいた」と活動をたたえた。

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