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誤嚥性肺炎「経験的な抗菌薬を」

臨床賛否両論「誤嚥性肺炎『すぐ抗菌薬』必要か」では、誤嚥性肺炎に対して、経験的な抗菌薬の投与を必要と考えるかを投票で聞いた。回答医師の6割が必要と回答しており、多数を占めていると分かった。

 投票者数は772人(投票期間2013年7月26日-8月1日)。「誤嚥性肺炎『すぐ抗菌薬』必要か?」との問いに対して、「必要である」と回答した医師が63%と多数に上った。「不要である」と回答した医師は15%にとどまった。「どちらとも言えない」と回答した医師は21%だった。

骨粗しょう症の診断基準改訂 寝たきり予防へ早く治療を

 転倒などの衝撃を受けたことも痛みもない。なのに、いつの間にか背骨が折れていた…。そんなありそうもないことが、高齢女性に多い骨粗しょう症では珍しくない。それ自体も不都合だが、より怖いのは、寝たきりに直結する、次の骨折のリスクが跳ね上がることだ。日本骨代謝学会などは今年、骨粗しょう症の診断基準を約12年ぶりに改訂した。狙いの一つは、こうした「隠れ骨折」を少しでも早く治療につなげることだ。

 静岡県の女性(69)は定期健診で「骨密度が低い」と指摘され、浜松市の聖隷浜松病院を訪れた。活動的な生活をしており、自覚症状は何もなし。しかしエックス線検査で、背骨の一部分がつぶれる圧迫骨折が見つかった。骨密度は若年成人の40%。骨粗しょう症でもろくスカスカになった背骨が、上半身の重みで押しつぶされたのだ。

●痛みがない

 診察した同病院骨・関節外科の森諭史部長によると、こうした背骨の骨折は女性の場合、60代後半から増えてくる。「長期間かけて徐々に骨がつぶれるため、3人に2人は痛みがない」という。

 この女性は、骨を丈夫にするカルシウムやビタミンDを食事で多めに取る、適度な運動をするなど、生活改善の指導を受けた上で、骨を強くする薬剤の服用を始めた。「つぶれた骨は残念ながら元の形には戻らないが、治療によって新たな骨折の危険は確実に減らせる」と森さんは話す。

 骨粗しょう症は、骨を「作っては溶かし、また作る」という新陳代謝のバランスが老化などで崩れ、溶かす方が優位になり起こる。国内の患者数は閉経後の女性を中心に推定1280万人。

 背骨、手首、腕の付け根、股関節の4カ所が折れやすくなることが知られているが、特に股関節の骨折は歩行が難しくなって寝たきりに直結する恐れが強いため、いかに防ぐかが大きな課題だ。

 対策の基本は食事と運動。知らないうちに症状が進行していることが多く受診は遅れがち。治療を受けているのは200万人程度にとどまる。

●リスク3~5倍

 海外の研究によれば、背骨の骨折があると、その後に股関節を骨折するリスクは3~5倍に急増する。背骨の骨折を少しでも早く見つけて治療につなげれば、少なくとも寝たきりの予防に役立つと期待されている。

 冒頭の女性のように外見からは骨折が分からないケースもあるが、背骨の前方がつぶれるため、背中が丸くなる人が多い。内臓が圧迫され、胃酸などが逆流して食道に炎症が起きる「逆流性食道炎」になる人もいる。

 今年1月に公表された骨粗しょう症の新しい診断基準は、背骨に骨折が見つかったら直ちに骨粗しょう症と診断し、治療を始めるべきだとした。診断基準改訂の中心になった宗円聡・近畿大奈良病院教授(整形外科)は「身長が2~3センチ縮んだら、老化などと片付けず、ぜひ整形外科で受診を」と話している。

高齢期の住み替え術 専門誌や相談窓口活用

センター長を務める「あんしん住まいサッポロ」は高齢者の住み替えや住宅のリフォーム、売却など、住まいに関する相談を無料で受けています。相談に応じるのは建築士や社会福祉士、ケアマネジャー、看護師、民生委員など。昨年度は電話を含め1260件の相談を受けました。「老老介護が大変。ケア付きではどんな住宅が?」「病院を退院しますが、自宅生活は不安」-など内容はさまざま。月-金曜日の午前10時から午後4時までで、電話は011・210・6224です。(西原桂子=あんしん住まいサッポロ、センター長)
                                北海道新聞 2013.8.1

食物アレルギー対応の研修会 エピペン使い模擬訓練

食物アレルギー疾患のある児童生徒の緊急時に的確に対応しようと、市教委は5日、市役所で市内小中学校の養護教諭、栄養教諭などの専門教諭を対象にした食物アレルギー対応の研修会を開いた。参加者はアレルギー症状を緩和する自己注射薬エピペンの練習器具を使った訓練などに取り組んだ。

 市教委は2005年度、「学校給食における食物アレルギー対応マニュアル」を作成。今回の講習会は東京都調布市の小学校で昨年、アレルギーを持つ女児が給食後に亡くなった事故が発生したことを受け、より実践的な対策を進めようと、開催した。

 研修会では、市保健所の上原里程保健医療監が食物アレルギーについて講演。参加した教諭約180人は、アレルギーやエピペンについて学んだ後、練習用エピペンを使い、打つ練習などを行った。

認知症の食事介助

①脳血管障害を原因とする認知症
 飲み込む機能が落ちているケースが多いためVF/VE検査して飲み込む機能を確認して飲み込みやすい食事(食形態、食事姿勢)を用意する
②レビー小体型認知症
 幻視が現れる。手足が震える振戦が起きることがある。介助している人は、手を支えて安定させる。食器の下にマットを敷いて滑らないようにする
 頭がはっきりしたときに食事の時間が来るように生活リズムを作る
③アルツハイマー型認知症
 一皿ずつ出す。箸やスプーンがうまく使えない場合は、おにぎりやサンドウィッチを用意する。口の中にため込む場合は、飲み込んでから次の食材を入れる。口が開かなくなった場合は、下唇にスプーンを触れると口の動きが出る。
 北海道新聞 平成25年7月4日

朝食抜きは心臓発作の危険 米研究、発症率27%高い

45歳以上の人で朝食をいつも食べない人は、食べる人に比べ心臓発作を起こすリスクが27%高いことが22日、米ハーバード大学の研究者らの調査で明らかになった。研究は循環器雑誌に掲載された。

 朝食を抜くとなぜ心臓発作のリスクが高くなるのかは明らかではないが、研究者らの推定によると、朝食を取らない人はあとで空腹感が強まり昼食や夕食でより大量の食事を摂取する傾向にあり、この結果、体が短時間に大量のカロリーを処理しなければならず、血糖値が急速に上昇、動脈の梗塞を招く可能性があるという。

 研究者らは1992年に45歳以上の2万7000人近くを対象に食習慣を調査、その16年後の経過を比較検討した。その結果、喫煙、飲酒、ダイエット、高血圧などの要因も加味すると、朝食を取らない人は取る人に比べ心臓発作を起こす可能性が27%も高いことが明らかになったという。

生活保護の減額始まる 下げ幅、過去最大 集団訴訟の動きも

生活保護費の基準額が国の予算で1・5%引き下げられ、1日から新たな額での支給が始まった。引き下げは2004年度以来で、食費や光熱費など日常生活の費用に充てる「生活扶助」が対象。15年度までに予算を計670億円(6・5%)減らす。下げ幅は過去最大。

 受給者の一部は反発しており、引き下げは不当として行政不服審査法に基づく審査請求を1万人規模で申し立てる動きが出ている。請求が却下されれば、集団訴訟を起こす方針だ。

 生活保護の支給は毎月1~5日の自治体が多い。金融機関の口座への振り込みや、福祉事務所の窓口などで受け取る。

空間除菌剤の誤飲で呼吸困難

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会は7月26日、Injury Alert(傷害速報)欄に新たに「ウイルス除去と称されている製品による中毒(No.40)」を掲載した。「空間除菌」をうたうウイルス除去剤の中身を1歳9カ月の男児が誤飲し、メトヘモグロビン血症を起こした事例だ。一時はPICUでの呼吸管理が必要な重体に陥るも、以後は回復し、約1週間で後遺症なく退院している。

 委員会は、製品の仕様に問題があるため改善が不可欠と提案している。使用開始時、顆粒をゲル状にするために15分ほどボトルの蓋をせずに放置する必要があり、今回はこの15分間で母親が目を離した隙に誤飲が起こった。改善案として、ゲル化のために蓋を開ける必要をなくしたり、子どもの気を引くような色や匂いを付けたりしないことなどを挙げている。

 製品に含まれる二酸化塩素は水中で亜塩素酸塩、塩素酸塩、塩素イオンに分解する。うち亜塩素酸塩がメトヘモグロビン血症を来すことが知られている。なお、次亜塩素酸塩ナトリウムを含み、首にかけて使用するウイルス除去剤「ウイルスプロテクター」は化学熱傷を起こしたことから、消費者庁が使用中止を勧告している。

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