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空間除菌剤の誤飲で呼吸困難

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会は7月26日、Injury Alert(傷害速報)欄に新たに「ウイルス除去と称されている製品による中毒(No.40)」を掲載した。「空間除菌」をうたうウイルス除去剤の中身を1歳9カ月の男児が誤飲し、メトヘモグロビン血症を起こした事例だ。一時はPICUでの呼吸管理が必要な重体に陥るも、以後は回復し、約1週間で後遺症なく退院している。

 委員会は、製品の仕様に問題があるため改善が不可欠と提案している。使用開始時、顆粒をゲル状にするために15分ほどボトルの蓋をせずに放置する必要があり、今回はこの15分間で母親が目を離した隙に誤飲が起こった。改善案として、ゲル化のために蓋を開ける必要をなくしたり、子どもの気を引くような色や匂いを付けたりしないことなどを挙げている。

 製品に含まれる二酸化塩素は水中で亜塩素酸塩、塩素酸塩、塩素イオンに分解する。うち亜塩素酸塩がメトヘモグロビン血症を来すことが知られている。なお、次亜塩素酸塩ナトリウムを含み、首にかけて使用するウイルス除去剤「ウイルスプロテクター」は化学熱傷を起こしたことから、消費者庁が使用中止を勧告している。

唾液介して感染、EBウイルス

EBウイルスが感染する経路と潜伏するメカニズムをもう少し詳しくお話しましょう。まず、ウイルスはだいたい口を通じて唾液から入り、上咽頭の粘膜に付着します。そこで、咽頭の粘膜と、そこのB細胞に感染します。B細胞は中でさかんにウイルスを作って、ウイルス粒子を排出します。これらの細胞は細胞障害性T細胞(CTL:Cytotoxic T Lymphocyte)のターゲットになり、排除されていきます。

 EBウイルスの感染症によって「伝染性単核球症」が生じると、末梢血中にリンパ球がかなり増えます。増えているリンパ球ってどちらだと思いますか。B細胞でしょうか。T細胞でしょうか。実はCTLなんですね。T細胞です。B細胞ではなくて、CTLによって免疫反応が起こっているのです。この免疫反応が肝臓の炎症を起こしたり、強い発熱を起こしたりする原因になり、身体を傷害するのです

化学物質過敏症、便利さのひずみ 症状苦しむ女性、呼吸困難も

映画「奇跡のリンゴ」の主人公の妻と同じ、化学物質過敏症で苦しむ女性が福井県鯖江市にいる。普段から重厚なマスクが手放せず、食事制限も厳しい。女性は「化学物質は世の中を便利にした一方で、多くの犠牲者を生んでいる。どんな未来、生き方を選ぶか、考える参考にして」と話している。

 同市新横江2丁目の高橋直恵さん(42)。34歳のとき、介護士として勤務した新築の施設でシックハウス症候群の症状が現れ、立ちくらみしたり、肌が赤く腫れたりした。2年後に嫁いだ住宅で揮発性のシロアリ防除剤によって悪化、化学物質過敏症と診断された。現在は夫の協力を得て実家で暮らす。

 夏場の農薬散布時期に薬を吸い込むと全身が硬直する。田畑から1キロ離れても呼吸困難になるため、散布日の未明に山に逃げ、午後に家に戻る。なるべく無農薬栽培の野菜を食べ、塾講師の仕事中も活性炭入りのマスクが手放せない。香水、たばこ、洗剤、整髪料…。街にあふれる化学物質が体をむしばむ。

 もともとおしゃれ好きで、カップラーメンが好物だった。喫煙もした。今では化粧はもちろん、白髪染めすらできない。

 「健康を顧みず、好きなだけ美容や飲食を楽しんだ。農薬やハウスダストだけが原因でなく、体に負担をかけ続けてきた自分にも責任がある」と高橋さんは考えている。

 手製のチラシなどで化学物質の危険性を訴える中、数多くの過敏症患者と知り合った。「軽度の方を含めれば患者は決して珍しくなく、年々増えている印象。世の中が便利になるのと同時に化学物質が増加しているのだと思う」。現代社会の“ひずみ”に怖さを感じているという。

めったにしないお代わりで…給食アレルギー死

東京都調布市の市立小学校で昨年12月、食物アレルギーのある5年生の女子児童が給食後に死亡した事故を受け、再発防止策を議論してきた同市の検討委員会は23日、教職員の研修強化などの対策を盛り込んだ報告書を長友貴樹市長らに提出した。

 この際、亡くなった女児の両親のメッセージが、調布市職員によって涙ながらに代読された。

 メッセージでは、死亡の原因となった料理の「お代わり」について、同級生から聞いた話として、クラス全体で目標にしていた残飯を出さない「給食完食」に貢献するため、めったにお代わりをしない女児が、お代わりの呼び掛けに手を挙げたという。余っていた料理は人気がなく、希望者がほとんどいなかった。

 女児は、体調不良を訴える直前、級友に「給食の完食記録に貢献したかった」と話していたといい、両親は「何かできることがあれば周囲の役に立ちたいという思いが、このような結果を引き起こすことになろうとは。残念でなりません」とした。
読売新聞 7月23日(火) 配信

死亡率の上昇受けて始まる「ストップ肺炎」キャンペーン

1980年代半ばから、日本人の死因は1位が癌、2位が心疾患、3位が脳血管疾患という状態が続いてきた。しかし、80年代に入って増加に転じた肺炎が、じわじわとその数を増やし、2011年にはついに脳血管疾患を上回り、死因の3位に躍り出た。
「健康寿命」の延長を狙う
 そんな現状に対する危機感から実施されるのが、日本呼吸器学会の「『ストップ肺炎』キャンペーン」だ。

 ただし、このキャンペーンは、肺炎による死亡者数を減らすこと自体を目的としているわけではない。仮に高齢者が最終的には肺炎で死亡するとしても、それまでの期間は肺炎に罹患することなく健康寿命を全うできるようにする─。それが「ストップ肺炎」キャンペーンの目指すところだ。
 この点について、キャンペーン推進委員会委員長の長崎大学病院院長の河野茂氏は次のように語る。

 「肺炎について一般の人は、抗菌薬で治る病気くらいにしか考えていないが、高齢者では重篤な疾患となり得る。実際、肺炎で亡くなる人の96%以上が65歳以上の高齢者だ。今後も高齢化が進む以上、肺炎による死亡そのものを減らすことは困難だが、誤嚥性肺炎を繰り返してつらい思いをするような例は予防によって防げる場合もある。そのための啓発活動を一般の人と医療従事者の双方に行っていく」

半身まひ 夢があるから頑張れる

モヤモヤ病は、脳の血管が挟まってしまう原因不明の病気です。そのせいで私は2000年に脳梗塞を起こしました。手術で頭蓋骨を一部切除したので、頭はへこんでいます。10年には脳出血を起こし、右半身がまひ。右脚を引きずるようにしか歩けず、細かい手作業が苦手です。時々言葉もうまく出ません。右半身の頭の先から足先までびりびりとしたしびれが絶えずあります。父が見舞いに来て「おまえ、車いすになって帰ってきたら家に入れないぞ。絶対歩いて帰ってこい」って大きな声を出すんです。怒られても、私には最高の励ましでした。
 病気になって、たくさんの人に支えられていることが分かりました。喫茶店を持っていたころは、世界は自分を中心に回っているかのように思っていました。あのころの自分が恥ずかしいです。最近、夢ができました。バリアフリーの飲食店を開くことです。
                        北海道新聞 2013.7.10

熱中症対策 しっかりと

1.気温、湿度、風速などの環境条件を把握しておく
2.水分を小まめに取る。休憩は30分に1回程度が目安
3.汗で失われた塩分の補給が大切。100ミリリットル当たり40~80ミリグラムの塩分を含むイオン飲料を飲む
4.熱中症は7月下旬から8月上旬に集中するので、除々に暑さに慣らす
5.体力のない人、肥満の人、暑さに慣れていない人は要注意
6.吸湿性や通気性のよい素材のウエアを選ぶ。直射日光は防止で防ぐ
7.具合が悪くなったら早めに運動を中止し、必要な措置を取る

90代の認知機能、10年前より良好

デンマークで1905年生まれ2262人(93歳時)と1915年生まれ1584人(95歳時)を対象に、認知および身体機能を生年コホートで比較。1915年生まれは1905年生まれに比べ、ミニメンタルステート(P<0.0001)、複合認知機能(P=0.0003)、日常生活動作(P<0.0001)の検査スコアが有意に良好だった。

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