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はじめての在宅介護 つるつる路面

筋力を強くするよう運動を行ったり、服装や靴を工夫しても、外出する時には多くの不 安が伴います。そんな時に頼りになるのが、滑り止めの砂です。滑りそうな場所や、タ クシーから降りる際などにササッと砂をまくと、足元の安全性がグッと上がります。
 大きな交差点や横断歩道などに設置されている砂箱の砂は誰でも自由に利用できます。
 この砂を滑りそうな場所にまいてもいいのですが、砂袋は1~3キロほどあって重いうえホコリがついていると手が汚れてしまいます。また、最近では砂が入った500ミリリットルのペットボトルが役場や福祉センターなどに置かれるようになりましたが、砂が びっしり入ったペットボトルも持ち運ぶのは負担です。
             北海道新聞 2012.11.29

介護退職ゼロ社会に

妻や親などを介護する男性が増えていく中で、必要な社会的サポートとは。「男性介護者と支援者の全国ネットワーク(男性介護ネット)」事務局長を務める立命館大の津止正敏教授(59)=地域福祉論=は17日に札幌で開かれた「介護退職ゼロ作戦フォーラム」で、だれが介護を担うのかという在宅ケアの環境変化と介護者への支援のあり方について語った。
                   北海道新聞 2012.11.22

介護ベッド使い方に注意

寝たきりで介護が必要なお年寄りや、がん末期の患者、障害のある人が自宅で過ごすために欠かせない介護ベッド。このベッド上で転落防止柵の隙間に体を挟み込むなどして死傷する事故が相次いでいる。使い方や設置場所まで、どのような点に気をつけたらいいか、関係者に聞いた。
                  北海道新聞 2012.11.22

はじめての在宅介護 つるつる路面

道内各地で初雪が降りましたね。冬道で転ばないように、身支度にはしっかり気を配りましょう。みなさんはどんな冬靴を履いていますか。スパイク機能が付いていたり、靴底のガラスやセラミック素材が練りこまれているなどさまざまな靴が販売されています。「風邪をひかせてはいけない」と、重ね着させすぎるのも要注意です。体が動きにくくなります。フリース素材の服やダウンジャケットなど、薄くて保湿性の高い衣類が量販店やスーパーで手ごろな値段で販売されています。上手に着こなしましょう。
                   北海道新聞 2012.11.22

若年認知症道サポートセンター発足

NPO法人の母体は任意団体「北海道若年認知症の人と家族の会」(会長・木村理事長、90家族)で、2006年に設立し本人、家族の交流や相談に取り組んできた。木村理事長は「道内の若年認知症の人は約1600人と推定される。【家族の会】の活動は、まだ多くの人に届いていない。6年の経験、蓄積を基に支援を全道に広げていきたい」と話す。
                   北海道新聞 2012.11.29

肺炎は老人の友:平成23年の死因統計で肺炎が脳血管疾患を上回り第3位へ -超高齢社会日本の現状-

平成24年6月5日に厚生労働省から公表された、「平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況」の内容の一部を以下に引用します。
死因 ①死因順位
  平成23年の死亡数・死亡率(人口10万対)を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物で35万7,185人、283.1、第2位は心疾患19万4,761人、154.4、第3位は肺炎12万4,652人、98.8、第4位は脳血管疾患で、12万3,784人、98.1となっている。
  肺炎は昭和50年に不慮の事故にかわって第4位となり、上昇と低下を繰り返しながら上昇傾向を示してきたが、平成23年は脳血管疾患にかわり第3位となり、平成23年の全死亡者に占める割合は9.9%となっている。以上が、「平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況」の一部ですが、過去のこれまでの死因統計の推移から将来の死因順位の動向を予測すると、今後は3大死因という用語よりは、肺炎を含めた4大死因という言葉のほうが適切となるでしょう。またご存知のように、高齢になるにつれ肺炎で亡くなる人が増加します。「肺炎は老人の友」と言われる所以です。

はじめての在宅介護 ③簡単な体操

つるつる路面で転ばないようにするには、体の柔軟性を保ち、足腰や足指の筋力を高めておくことが有効です。関節や筋肉が柔らかいと路上で滑りそうな時にバランスが取りやすくなります。また、筋力を高めておくと、転ばないよう踏ん張りが利きます。柔軟性をつけるためには、腰の周りや股関節、足首周辺の筋肉や関節を柔らかくするようにします。一例として、足首の運動を紹介します。いすに座ったまま足首をゆっくり内側や外側にグルグルと回します。爪先をゆっくり上下させる運動も手軽に行えます。
                 北海道新聞 2012.11.15

現場から考える胃ろう(4)- 口から食べてもらう努力をしているか

早期の治療・ケア・リハで食べられる

 小山氏は、急性期病院が、食べられない人をつくり出してきたと言う。
 リハビリ病院で働いていた時、急性期病院が廃用症候群をつくり出していると思った。転院のサマリには、患者の栄養についての情報は記載されていても、「食べること」についての情報はなかった。「いろいろ試したが、仕方なく胃ろうを着けた」といった報告もほとんどなかったという。
 口から食べられる機能を残すには、急性期病院での早期リハビリが欠かせないと思い、2006年に現在の東名厚木病院に移り、実績が認められ、摂食嚥下療法部の立ち上げとなった。
 同院では、脳卒中や誤嚥性肺炎の患者が入院すれば、すぐに同部に連絡が入る。それから、摂食嚥下リハビリを始めることになるが、軽度であれば、入院初日から食べることをスタートする。
 同部では、医師、看護師、リハビリスタッフ、歯科医、歯科衛生士、栄養士らによる多職種チームが、嚥下機能が低下した患者に対し、「治療」「ケア」「リハビリ」を同時に進めている。
 看護師と言語聴覚士(ST)が、早期スクリーニングと経口摂取を開始するほか、看護師と歯科衛生士による口腔ケアや、リハスタッフによる呼吸リハビリや早期離床とポジショニング(食べる姿勢)の確保も重要になる。食べやすい姿勢を保つために、専用のテーブルやリクライニングの車いすを用意することもある。患者の目線やスプーンの形状などにも気を配る。
 同療法部は、介入している患者(常時30~40人程度)の状況を毎朝チェックし、ミーティングを行う。医師、病棟看護師、リハビリ科との調整も重要だ。
 小山氏は、口から安全に食べ続けてよりスピーディに生活の場に戻るためには、多職種が協働しながら成果を出す必要がある。そのためのチームマネジメントが欠かせないという。
 小山氏は、早期に食べるための評価を行い、安全なものから少しずつ食べていけば、経口摂取ができるようになる人は何人もいると強調する。
 2007年度から10年度にかけて同院で摂食機能療法を行った患者(1707人)のうち、退院時に経口できたのは、肺炎で82.5%、脳卒中では91.8%に上る(死亡者を除く)ことがそれを裏付けている。
 しかし、治療、ケア、リハを同時に進めなければ、絶食となり、さらに寝たきりになり、気付いたときにはもう、口から食べられなくなっているという。

 小山氏は、患者が地域に戻っても、経口摂取に取り組める人が非常に少ないことが大きな問題と考えている。「胃ろうを造ったら食べさせなくなるのが、今の医療と介護。逆に胃ろうを造らなければ、何とか食べさせようと工夫するはず」
 小山氏は、口から食べる尊厳を守り、患者の願いを実現できる人材を育てていくことが、何よりも重要と考えている。

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