全国のがん医療の中核病院でつくる全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が10月、胃がんなど五つのがんについて、加盟する28の病院別に5年後生存率を公表し、病院の参考指標の一つとして関心を呼んでいる。ただ、早期で状態の良い患者の多い病院の生存率が高めになる傾向があり、データの見方には注意も必要だ。
北海道新聞 2012.11.7
全国のがん医療の中核病院でつくる全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が10月、胃がんなど五つのがんについて、加盟する28の病院別に5年後生存率を公表し、病院の参考指標の一つとして関心を呼んでいる。ただ、早期で状態の良い患者の多い病院の生存率が高めになる傾向があり、データの見方には注意も必要だ。
北海道新聞 2012.11.7
介護保険法にはショートスティという介護サービスはありません。”短期入所生活介護”と”短期入所療養介護”という二つの介護サービスを含んだ表現なのです。短期入所生活介護というのは、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)に併設されていたり、単独型の福祉施設で提供されているサービスです。多くの場合、数日から1週間程度短期間入所して、入浴、排泄、食事の介助や、簡単な機能訓練をおこないます。一方、短期入所療養介護は介護老人保健施設や介護療養型医療施設などの医療系施設に短期間入所して、医療管理下で介護や機能訓練を受けるサービスです。二つのサービスのうち、訪問診療が可能なのは短期入所生活介護のサービスを受けている方だけです。したがって、「ショートスティへ訪問診療をお願いします」という依頼では、訪問診療が可能かどうかの判断はできないのです。
事前に短期入所生活介護、短期入所療養介護どちらのサービスを受けているかの確認が必要です。受けているサービスの一番簡単な確認方法は、ご家族、ケアマネジャーさんなど往診の依頼者に確認してみることです。ケアマネジャーさんは患者さんのケアプランを作成しており、どの介護サービスを受けているかを把握しています。患者さんの入所している施設が提供しているサービスは、インターネットで調べることも可能です。介護事業所には、新規指定時や更新時にサービス内容を公表することが介護保険法で義務付けられています。”介護サービス情報公表支援センター”のホームページで検索することが可能です。地域や事業所などで検索すると、提供しているサービスの情報が閲覧できます。1年も1度情報が更新されるので、信頼性の高い情報です。なお、医療事務に関して気をつけるのは、次の点です。
短期入所生活介護への訪問診療では介護保険の算定はできず、全て医療保険だけで請求します。介護保険の居宅療養管理指導は算定せず、歯科疾患在宅療養管理料や訪問歯科衛生指導料で算定しなければなりません。また、短期入所生活介護を利用される方は、一定期間でご自宅に戻られる方がほとんどです。自宅では介護保険を算定することになります。同じ月に短期入所生活介護と自宅への診療が混在する場合には注意点があります。介護保険の歯科医師が行う居宅療養管理指導と医療保険の歯科疾患在宅療養管理料は、同じ月に重複して算定できないので、どちらか一方の算定になるという点です。
厚生労働省は21日、全国で生活保護を受けている人が8月時点で213万1011人と、4カ月連続で過去最多を更新したと発表した。受給世帯も155万5003世帯で過去最多となった。
受給世帯の4割以上が65歳以上の高齢者世帯だが、母子世帯や障害者世帯などの受給も増加。平成20年のリーマン・ショック以降、増加傾向が続いており、厚労省は「高齢者の増加に伴って、今後も増加していく可能性が高い」と分析している。
東日本大震災の被災世帯では、9月までに計1394世帯が生活保護を受けている。
変形性関節症は関節の痛みや変形、機能の喪失などを特徴として緩やかに進行する疾患で、高齢者の身体障害の主要な原因となる。重症化リスク因子としては、肥満、関節損傷、特定のスポーツなどが報告されている。
一方、ソフトドリンクの消費量はここ数十年の間に世界中で劇的に増加しており、摂取と体重増加、2型糖尿病、心血管疾患や骨折・骨粗しょう症などとの関連が指摘されている。調査の結果、BMIが30.0kg/m2未満の男性では、清涼飲料摂取量が多いほど脛骨大腿関節腔幅(JSW)が有意に広がっていた(P<0.001)。しかし、女性とBMIが30.0kg/m2以上の男性では有意差は認められなかった。
変形性膝関節症の増悪を示す関節裂隙狭小化(JSN)スコアの増加とソフトドリンク摂取量の関連について、年齢、体重変化、ベースラインのKL分類、総エネルギー摂取量などを共変数としてCox回帰分析を行い、調整ハザードリスクを算出した。
その結果、男性のソフトドリンク飲用者では、BMIが30kg/m2未満で週2-4回摂取群ではわずかに有意差は認められなかったものの、摂取なし群に対して有意にJSNが増加していた。一方、女性ではその傾向は認められなかった。
これらの結果からLu氏は、「ソフトドリンクの摂取量は、男性において変形膝関節症の独立した増悪因子だった」と結論し、「今後はソフトドリンクの影響について、生物学的メカニズムを解明するためさらなる研究が必要だ」とまとめた。
ノロウイルスなどの感染により、嘔吐や下痢などの症状を呈する「感染性胃腸炎」の本格的な流行が迫っている。国立感染症研究所感染症情報センターによると、患者報告数は10月29日-11月4日の週まで3週連続で増加しており、この週の報告数は過去10年の同時期で2番目に多かった。例年の流行のピークは12月中旬ごろで、厚生労働省では、これから患者が急増する恐れがあるとして注意を呼び掛けている。
北欧デンマークでは、認知症の高齢者や家族をサポートするために、高齢者専門の精神医療と情報共有体制がきめ細かく構築されているという。9月下旬に同国を訪れた札幌の財団法人「つしま医療福祉研究財団」の対馬輝美理事長(58)に、認知症の高齢者が地域生活を送っている実態について聞いた。
北海道新聞 2012.11.1
厚生労働省は15日、生活保護の見直しを衆院選後に先送りする方向で検討に入った。来年度予算案の越年編成が確実な情勢になったことに加え、国民の信任を得た新政権の意向を反映させる必要があると判断した。
厚労省は、厚労相の諮問機関である社会保障審議会の部会で、生活保護費のうち光熱水費、食費などに充てる「生活扶助」の水準と低所得世帯の支出を比較し、支給額が妥当かどうか5年に1度の検証作業をしている。結果を受け基準額を改定することになる。
同時に生活保護制度の見直しと困窮者支援を盛り込んだ「生活支援戦略」も策定中で、いずれも当初は年内に結論を出す予定だった。
生活保護をめぐっては、自民党が保護費の削減方針を打ち出しているほか、日本維新の会も医療扶助(医療費)に自己負担を導入する考えを示している。新政権の枠組みによって、厚労省が現在検討している政策が見直しを迫られる可能性がある。
厚生労働省医道審議会分科会は11月14日、刑事事件で有罪が確定するなどした医師、歯科医師計60人の行政処分の諮問を受け、44人(医師25人、歯科医師19人)の行政処分を答申、決定した。残り16人は、「厳重注意」14 人、「不問」2人。処分の発行は11月28日。
今回の処分では、2006年に奈良県で発生した医師宅放火殺人事件で、犯人である長男の供述調書の内容や心理検査の結果などをフリージャーナリストに漏らし、秘密漏示罪で有罪となった精神科医の崎濱盛三氏も対象。崎濱氏は2012年2月に、懲役4カ月、執行猶予3年の判決が確定しており、医業停止1年の処分となった。
処分が最も重い免許取消は5人で、医師2人、歯科医師3人という内訳。医師のうち1人は覚せい剤取締法違反の罪で2009年11月に東京地裁で懲役1年6カ月の有罪判決を受けた男性医師。男性医師は、2007年にも同法違反で執行猶予付きの判決が出ていた。もう一人は、病院内での未成年に対する3件の強制わいせつ、児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの罪で、2011年12月に懲役2年6カ月、執行猶予4年となった男性医師。歯科医師3人のうち1人は、神奈川県内の大学から受け取った投資名目の出資金約5000万円を横領の罪などに問われ、2011年8月に懲役4年の判決を受けた男性歯科医師。残る2人は、強制わいせつや強制わいせつ致傷の罪で有罪となった男性歯科医師。
医業関連での処分を見ると、診療報酬の不正請求で、詐欺罪となったケースも処分の対象になった。2011年10月に詐欺罪で懲役2年、執行猶予4年となった男性医師で、医業停止3年。判決によると、クリニックの患者2人に対して、診療と投薬した事実がないのに、診療報酬を請求し、約18万6000円をだまし取った。悪質さなどが重視され、刑事事件に発展したとみられるが、厚労省は「詳細は不明」としている。そのほか、診療報酬の不正請求による処分は9人で、内訳は医師2人、歯科医師7人。いずれも医業・歯科医業停止3カ月。金額は122万円から654万円だった(金額未確定が1人)。
また、婦人科および美容皮膚科の診療所を経営する男性医師が、診療報酬による売り上げの一部を除外して所得を秘匿するなどして、2年間で8000万円以上を脱税し、所得税法違反の罪に問われ、懲役1年、執行猶予4年などの有罪判決を受け、医業停止1年の処分となった。医療事故で業務上過失致死罪に問われ、有罪になり、処分された事例はなかった。
アルコールによる道交法違反を見ると、酒気帯び運転の罪が確定した3人(医師2人、歯科医師1人)は、いずれも医業・歯科医業停止1カ月。酒気帯び運転に加えて、人身事故を起こした自動車運転過失致傷やひき逃げの罪が重なったケースの4人(医師3人、歯科医師1人)は、停止期間が3カ月から1年と長くなる傾向があった。
行政処分は、年2回実施される。過去数年の動向を見ると、2007年度111人、2008年度104人、2009年度91人、2010年度70人、2011年度89人。今回の処分は2012年度の1回目で44人であり、処分人数には大きな変動はない。