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アルツハイマー患者、誘発物質が長寿者の2倍

105歳以上の長寿者と神経難病患者由来のiPS細胞(新型万能細胞)を変化させた神経細胞を比較すると、患者の細胞からでる、病気発症にかかわるたんぱく質の量は、長寿者の2倍に上ることが慶応大学の研究でわかった。

 難病発症しやすさの解明、予防などにつながる成果で、米科学誌プロスワン電子版に26日発表する。

 鈴木則宏教授と伊東大介専任講師らは、105-110歳で亡くなった2人の皮膚細胞を採取して、作製したiPS細胞を神経細胞に変えることに成功した。

 同様に、神経の難病であるアルツハイマー病とパーキンソン病の患者からiPS細胞を経て神経細胞に変化させた。

 これらの神経細胞を培養し、アルツハイマー病の発症にかかわる「ベータアミロイド」など毒性を持つたんぱく質の生産量を比べた。患者の細胞のたんぱく質は、長寿者の2倍に達した。2人の長寿者は、神経難病を発症しなかった。

開業基準の緩和継続を 訪問看護ステーション

東日本大震災の被災地では、在宅医療に不可欠な訪問看護ステーションの開業基準が従来の看護師2・5人(常勤換算)から特例として1人に緩和されている。多くの介護施設が被災し介護サービスが悪化するのを防ぐための措置だが、期限は9月末まで。新たに開業した看護師たちからは基準の撤廃を求める声が上がっている。

コーヒーの摂取は体重減少に伴うHDL-C値とTG値の改善にプラスに作用する

体重の減少による血清HDLコレステロール(HDL-C)値やトリグリセリド(TG)値の改善は、コーヒーを摂取していると、より効果的である可能性が示された。東京大学循環器内科の坂本愛子氏らが、7月19日から福岡で開催中の第44回日本動脈硬化学会(JAS2012)で発表した。

 コーヒーの摂取は脂質代謝に影響を及ぼすと言われている。しかし、体重減少が脂質代謝パラメーターに及ぼす影響が、コーヒー摂取によって変化するか否かについては明らかになっていないため、今回検討を行った。

 検討では、2007年から2009年までの2年間連続で人間ドックを受診した1268人(うち男性829人)を登録した。コーヒーの摂取量は、1日0杯の人が23.0%、1~2杯が60.1%、3~4杯が14.5%、5杯以上が2.4%だった。初回受診時の対象者の背景をコーヒーの摂取量別に比較すると、コーヒーを摂取している方が若かった。一方、BMI、腹囲、ALT、脂質値などに有意差はなかった。今回の検討では、コーヒーを1日1杯以上飲む習慣があった77.0%を摂取群、飲む習慣のない23.0%を非摂取群とした。

胃ろう、差し控えや中止も 老年医学会が新指針

日本老年医学会は27日、高齢者の終末期医療における胃ろうなどの「人工栄養」について、開始する際は慎重に検討し、差し控えや中止も選択肢とする新たなガイドラインを公表した。

 管を使って胃に栄養を送る胃ろうをめぐっては、患者に苦痛を与えたり、穏やかな最期を妨げたりする場合があるとして医療関係者らから疑問の声が上がっていた。医療や介護の現場に向け、近く学会ホームページで公開する。

 ガイドラインでは、人工栄養を開始する際は「口からの栄養摂取ができないかどうかを見極める必要がある」と指摘。その上で、延命効果が得られるかどうかだけでなく「本人の人生をより豊かにするかどうか」という観点から、差し控えも含めた最善の方法を選択すべきだとした。介護する家族の負担や、患者の生活環境についても個別に配慮するよう求めている。

 作成に関わった飯島節(いいじま・せつ)筑波大大学院教授は「医学的な妥当性だけでなく、倫理的な妥当性を目指した」と説明。「現場の声を聞き、社会情勢を考慮しながら一定期間ごとに見直していく」とした。

 胃ろうは本来、口からの栄養摂取ができなくなった患者が、回復するまでの栄養補給が目的。しかし、回復の見込みがない高齢者にも使われるケースが増え、問題となっていた。

※胃ろう

 口からの食事ができなくなった患者の腹部に小さな穴をあけ、流動食や水分を胃に直接送り込む方法。管理が比較的簡単で、不要になった場合は閉じることもできる。在宅介護の増加や技術の進歩を背景に、ここ10年ほどで急速に普及した。人工的に栄養を送る方法には、血管から点滴で注入する「静脈栄養」や、鼻から管を入れる「経鼻栄養」などもある。

高齢者って何歳から? 65歳で線引き、見直しへ 「支え手」不足背景に

「65歳以上は高齢者」という常識がもうすぐ変わるかもしれない。国の検討会が3月、この年齢で一律に高齢者とする考え方の見直しを提言。政府が近く閣議決定を目指す新しい「高齢社会対策大綱」に盛り込まれる見通しだ。65歳以上は2055年に人口の4割に達するとみられ、現役世代だけで支えていけるのか心配されている。高齢者像が変われば、元気な人は働いて「支え手」に加わってもらう政策につながりそうだ。社会はどう変わるのだろうか。

 何歳から高齢者と言えるのか。専門家によると統一基準はないが、65歳以上とされたきっかけは、国連が1959年にまとめた報告書の年齢区分だという。55年時点の日本人の平均寿命は男63・60歳、女67・75歳で「65歳=高齢」に違和感はなかった。65歳はその後、基礎年金支給や介護保険の利用、多くの高齢者施策の対象年齢になった。

 ところが高齢化で事情は激変。2010年の平均寿命は男79・55歳、女86・30歳。内閣府が09年、60歳以上に実施した調査では、65歳以上を高齢者と考える人はわずか11%。総務省調査(07年)では65~69歳の男性の半数が働いている。

歯肉炎による歯の損失が多いほど、関節腫脹のリスクが大

歯周炎は歯を失う主要な原因とされるが、関節リウマチ(RA)の発症リスクが高いRA患者の1親等血縁者(FDRs)を前向きに追跡したところ、歯の本数が少ない人ほど、関節腫脹を発症するリスクが高いことなどが示された。6月9日までベルリンで開催されていた欧州リウマチ学会(EULAR2012)で、イタリアHopitaux Universitaires de GeneveのAxel Finckh氏らが発表した。

入試で北海道勤務枠 医師不足対策、札幌医大

札幌医科大医学部(札幌市)は12日、来春の一般入試定員75人のほぼ半数にあたる35人を、卒業後9年間は道内の医療機関に勤務することを求める「北海道医療枠」とすると発表した。

 深刻化する道内の医師不足対策の一環。札幌医大によると、国公立大学の医学部で地域枠を設けている例はあるが、一般入試の半数近くにまで広げた例はないという。

 北海道医療枠は道外からも受験可能だが、出願の際に確約書の提出を求める。通常の入試との併願もできる。確約書に法的拘束力はない。

 札幌医大医学部は既に、道内の高校出身者を対象に「一定期間北海道の地域医療に従事する確約」を求める特別推薦枠も設置している。

 黒木由夫(くろき・よしお)医学部長は「道立医大として、地域医療へのモチベーションが高い学生を確保したい」と期待を寄せている。

旭川地区在宅ケアを育む会  第57回 定例会開催ご案内

日時:平成24年6月20日(水) 午後7時~8時45分
場所:旭川市市民活動交流センター ココデ旭川 1階大ホール
旭川市宮前通り東  TEL0166-74-4151

1部:「無菌調整について」
旭薬みどりがおか薬局  沼野 達行さん
2部:「夕張医療センター在宅訪問実務研修会について」
   調剤薬局ツルハドラック豊岡12条店 橋場 剛さん

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