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看護職の9割が介護職の喀痰吸引に賛成―全老施協調査

口腔内の喀痰吸引を介護職員の職務範囲に含めることに、看護職員の9割が賛成していることが、全国老人福祉施設協議会(中田清会長)などが公表した調査報告書で分かった。

 調査は「特別養護老人ホーム入所者への医療対応と職務連携のあり方に関する調査研究事業」の一環。昨年10月に全国の特別養護老人ホーム500施設を対象に実施し、介護職員1184人、看護職員761人から回答を得た。

 それによると、現在違法行為とされている介護職員による口腔内の喀痰吸引を、介護職員の職務範囲とすることに賛成の看護職員の割合は90.7%で、反対は5.1%だった。介護職員自身の賛成は77.6%、反対は19.6%で、介護職員よりも看護職員の方が前向きに考えていることが明らかになった。
 賛成の理由については、看護職員では「リスクが少ないから」が37.5%、介護職員では「対象入所者が多いから」が34.4%でそれぞれ最多となった。同会の福間勉事務局長は、「看護職の業務にしなくていい、切り離していい、という現場の感覚に基づくのではないか」としている。

 一方、咽頭より奥の喀痰吸引については、看護職員の賛成が37.5%、反対が55.6%、介護職員の賛成が38.1%、反対が58.3%と、共に反対が賛成を上回り、口腔内の喀痰吸引に比べ、介護職員の職務範囲にすることには慎重な姿勢が見られた。

 介護職員が胃ろうの管理をすることについては、看護職員の賛成は67.0%で、反対は27.6%。一方、介護職員の賛成は43.2%、反対は52.3%だった。賛成する理由として、「リスクが少ない」と考えている看護職員は24.7%、介護職員は16.0%だった。

 経鼻経管栄養の管理については、看護職員の賛成が40.7%、反対が52.4%で、介護職員の賛成が34.9%、反対が59.9%となり、いずれも反対が過半数を占めた。