雨の日のランチタイムは外に出るのが億劫。外に行っても、今度は手頃な店がどこも混んでいたり……。そんな時、手作り弁当があれば、おいしくって、安くって、とっても合理的!お弁当は、ご自分の健康状態に合わせたオーダーメイドという意味でもお勧めです。
でも、梅雨時から夏にかけては、お弁当をこれから始める人には危険な季節。そこで、料理研究家の友人に梅雨時のお弁当づくりのコツを聞きました。食中毒を防ぐ調理のコツは、きっちり下ごしらえをすることだそうです。
まず、おかず。主菜となる肉類を買ってきたら、すぐに火を入れておくか、酒・塩・こしょうなどをふりかけて軽く下味を付け、半調理してから冷蔵もしくは冷凍します。魚なら、塩を振って水を切り、劣化するのを防ぎます。
副菜も、茹でただけの食材や生野菜を詰めるのは厳禁です。腐敗の原因は水分ですから、根菜は油で揚げるか、十分汁気(しるけ)が飛ぶまでから煎りするか。
ご飯は完全に冷ましてから弁当箱に詰めましょう。急ぐときは冷蔵庫に入れるのもいい方法。暑い日はすし飯にしたり、ゴマ塩やふりかけをご飯に振りかけて塩を効かせたりするのもいいですね。炊き込みご飯は傷みやすいので、夏場のお弁当に入れるのは止めましょう。
常備しておけるお惣菜としては、ブタのかたまり肉やトリのモモ肉を、水と酒を同量にして煮たものを保存しておき、焼豚、焼き鳥、揚げ物などに。肉団子はボイルしてから冷凍し、使う時にはそのまま油で揚げるか、鍋で甘辛く煮付けます。
ハンバーグは焼いてから冷凍します。手作りシュウマイも、お弁当用には野菜をたっぷり入れておけば、醒めてもふっくらしています。おむすびが好きな人は、焼おむすびにして、味噌や醤油でこんがりと焼き色をつけるのもおすすめです。
そして、この時期のおばあちゃんの知恵といえば、梅干し!
梅のクエン酸は、暑くて湿気の多い日本の夏バテ対策に効果的。消化を助け、疲労の原因になる乳酸の働きまで抑えてくれる優れものです。梅干しを一粒加えてご飯を炊くと、ご飯がすえてしまう時間が半日は違うそうです。自家製の梅酒でおかずを煮つめてもいいでしょう。
持ち運びが重くなりますが、簡易保冷バッグや保冷シートをうまく使えば、サラダやディップも楽しめます。熱がこもらないアルミのお弁当箱も、この季節に向くお弁当箱です。昔ながらの竹や籐で編んだ篭(かご)に、心をこめて握ったおむすびだけ、というのもオシャレかもしれませんね。
コラムニスト 鈴木 百合子