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介護施設で 口腔ケア広がる リハビリで  肺炎を防ぎ食事しっかり

高齢者の介護施設や、がん、脳卒中などの治療現場で、口の中を清潔にしたり飲み込む機能を高めたりする口腔ケアが広がりつつある。
 歯科医師や歯科衛生士を中心とした口腔ケアチームが担い手で、地域の歯科医らとも連携、患者の「口と全身の健康」を支えている。
 口腔ケアには、口の「機能回復を中心とするケア」と、口の中を清潔に保つ「清掃を中心とするケア」がある。
 東京都リハビリテーション病院(墨田区)歯科の永長周一郎歯科医師は「歯が健康で口腔機能が良いと、食べた物を咀嚼(そしゃく)し、食道や胃に送り込む嚥下(えんげ)動作をスムーズに行える。好きな物を食べられることで生活の質(QOL)を高める効果もある」と語る。
 脳卒中患者や認知症が進んだ高齢者の多くは、こうした機能が損なわれるため、口をすぼめるなどの口唇訓練や、下、頬(ほほ)の筋肉を動かす訓練などを通じて口腔機能回復をめざす。