記事一覧

介護サービス利用者451万人、過去最高を更新―厚労省

厚生労働省は7月30日、昨年度の「介護給付費実態調査結果の概況」(昨年5月-今年4月審査分)を発表した。昨年度に一度でも介護予防サービスか介護サービスを利用したことがある人は451万6400人で、前年度比14万6000人(3.3%)増加し、2001年の調査開始以降、過去最高を更新した。厚労省では、「大きな制度改正はなかったため、高齢者の自然増による影響」としている。

 調査は、各都道府県の国民健康保険団体連合会が審査したすべての介護給付費明細書や給付管理票を集計対象とし、厚労省の大臣官房統計情報部が集計を行った。

 調査結果によると、昨年度の介護サービス受給者は367万300人で、前年度比4万200人(1.1%)増加した。
 内訳は、居宅介護サービスが266万9100人で2万2700人(0.8%)増、地域密着型介護サービスは29万5600人で3万4300人(13.1%)増、施設介護サービスは108万600人で5100人(0.4%)増加した。
 居宅介護サービスでは、通所介護が125万5700人で3万9600人(3.2%)増、福祉用具貸与も130万3400人で8万5400人(7.0%)増加したが、訪問介護は116万1000人で4万8200人(3.9%)減少した。
 施設介護サービスでは、介護福祉施設が51万4900人で1万2600人(2.5%)増、介護保健施設が46万4100人で4800人(1.0%)増となった。その一方で、介護療養施設は15万9200人で1万5600人(8.9%)減少した。厚労省によると、「11年度末までに予定されている介護療養病床の廃止が、影響の一つとして考えられる」という。

 また、介護予防サービスを利用した人は109万9700人で、6万5200人(5.2%)増えた。

 このほか、今年4月審査分の介護サービス受給者1人当たり費用額(利用者負担を含む)は18万1200円で、前年同月比2万1000円(1.1%)増えた。居宅介護サービスは11万3900円で2900円(2.7%)増加したが、地域密着型介護サービスは21万9500円で1500円(0.7%)減少した。
 都道府県別に見ると、最も高かったのは高知の20万5400円で、以下は沖縄19万9000円、石川19万8100円と続いた。一方、最も低かったのは岩手の16万7700円で、秋田の17万1100円、埼玉の17万1800円も低かった。
更新:2009/07/31 14:53   キャリアブレイン