北海道は9月1日までに、新型インフルエンザに感染した利尻町在住の40歳代の女性保健師が死亡したことを明らかにした。女性は発症の1週間前に調査のために新型インフル患者などと面談を行っており、道などはこの際に感染した可能性もあるとみて調査を行っている。厚生労働省によると、新型インフルに感染した医療従事者の死亡は初めて。
道によると、女性は稚内保健所利尻支所に勤務する保健師で、先月21日に利尻富士町の中学校での集団感染の調査のために、感染した教員1人、生徒の保護者1人と、マスクと手袋を着用して面談を行った。同28日にせきがあり、翌29日夕に稚内保健所管内の医療機関を受診。簡易検査でA型陽性となったため、タミフルの投与を受けた。
入院の必要はないと診断され、ホテルに宿泊したが、翌30日午後にホテルの従業員が意識のない女性を発見。医師が死亡を確認した。31日にPCR検査で新型インフルに感染していたことが確認された。同日行った病理解剖によると、死因は急性心不全で、新型インフル感染と死亡の因果関係は特定できなかった。女性には高血圧症の基礎疾患があった。
道などは患者らとの面談で感染した可能性もあるとみて調査しているが、発症が面談から7日後だったことから、道の担当者は「潜伏期間としては少し長く、(面談の際の感染とは)違うとは思っている」としている。このほかの接触歴としては、先月23日に参加した運動イベントの参加者の中に、後に簡易検査でA型陽性と判明した人がいるという。
女性は24-28日にも勤務していたが、31日夕の時点で同僚に症状はなかった。
更新:2009/09/01 12:15 キャリアブレイン