喫煙者は唾液がねばねばして、歯石の沈着量が多い。しかも、舌は健康な人の赤みがかった色ではなく、黄色か黒ずんでいます。オヤジ臭に似た独特な口臭があります。
よくリラックスするためにたばこを吸うという人がいますが、医学的には逆効果です。たばこを吸うと交感神経が刺激され、より緊張します。そのため、唾液が出にくく口が乾きやすくなり、唾液が出てもねばねばするのです。
口腔内のがんも見逃せません。煙の温熱刺激で舌のがんや、ニコチンやタールがたまりやすい舌顎歯肉や頬粘膜などのがんになりやすいことがわかっています。最近、禁煙補助剤としてニコチンが2ミリグラム含まれているニコチンガムが広く使われていますが、考えようによっては噛み(ガム)たばこと同じ。ガムたばこが蔓延している東南アジアでは、口腔ガンが多いことも覚えておくべきでしょう。
日刊ゲンダイ 2009.9.17