ライオンは、中高年の口臭の原因を明らかにするため、川口陽子教授(東京医科歯科大学大学院健康推進歯学分野)と共同研究を進めた結果、足の不快な臭いで知られる「イソ吉草酸」など、揮発性低級脂肪酸が主要因になっていることを明らかにした。
今回の研究ではまず、中高年に特徴的な口臭成分を特定するため、口腔内の細菌が産生する臭気物質を分析した。一般的な口臭細菌37種を培養し、産生する揮発性化合物を分析した結果、加齢により増加が認められたプレボテラ属の細菌やポルフィロモナス・ジンジバリ菌が、2-メチル酪酸、イソ吉草酸などの揮発性低級脂肪産を産生することが分かった。
臨床試験を行った結果、年齢と口気中のイソ吉草酸の量との間に、有意な相関関係が認められた。加齢に伴って口腔内にプレボテラ属の細菌が多くなることによって、イソ吉草酸の産生量も増加する結果が得られている。
薬事日報 2009.11.27