厚生労働省は4月23日、全国の認知症高齢者グループホームのうち、スプリンクラー未設置は約60%だったとの暫定集計値を発表した。設置義務のある延べ面積275平方メートル以上の事業所では約54%、275平方メートル未満では約87%が未設置だった。
厚労省は、札幌市のグループホームで3月に発生した火災を受け、全国の約1万事業所を対象に調査を実施。消火設備の設置状況や非常災害対策の実施状況、事業形態、入所者数、夜間の勤務体制などを調べた。
昨年4月に施行された改正消防法施行令で、延べ面積275平方メートル以上の施設にはスプリンクラーの設置が義務付けられた。しかし、既存の施設は2011年度末まで設置が猶予されている。
長妻昭厚労相は同日の閣議後の記者会見で、現在スプリンクラーの設置が義務付けられていない275平方メートル未満の施設や、自動火災報知設備などを補助の対象に含めることを関係省庁と検討する方針を示した。
■夜勤職員、1ユニットは1人が97%
夜間の勤務体制についての調査では、1ユニットの事業所の97%で夜勤職員が1人だった。2ユニットの事業所では83%が2人だったが、1人の事業所が17%あった。グループホームでは、原則1ユニットに1人以上の夜勤職員を配置する必要があるが、2ユニットの場合、利用者の処遇に支障がなければ、併設する他の共同生活住居の職務に従事できるため、1人の配置で足りる。
( 2010年04月23日 16:33 キャリアブレイン )