1日2回以上歯を磨く人は、1回だけの人と比べて頭から首にかけての頭頚(とうけい)部がんや、食道がんなどにかかる割合が約2割低いことが分かった。日本歯科医師会が東京都内で開いた歯の健康セミナーの中で、愛知県がんセンター研究所が報告した。
調査は、約4000人を対象に行った。同研究所の松尾恵太郎客員准教授は「たばこや飲酒、性別、年齢にかかわらず、歯磨きの回数ががんの発症と関係がある」と指摘した。1日に1回は歯を磨く人を1とした場合、1回も磨かない人は頭頚部がんや食道がんになる危険性が、7割以上高くなることも報告した。
どうして歯磨きが、がん予防に効果があるのかなどについては、同研究所で引き続き調査する予定だ。松尾准教授は「がん予防にはバランスの取れた食事や、適度な運動に加えて、食後はきちんと歯を磨くことも大切だ」と強調する。
日本農業新聞 2010.4.14