私立大歯学部の17学部のうち11学部で、今春の入学者が定員を下回ったことが8日、日本私立歯科大学協会のまとめで分かった。17学部全体の定員充足率も昨春より10・7ポイント減の78・7%で、2学部は充足率が50%を割った。
協会は定員割れが進んだ原因について「不況で高額な学費負担ができないことや、歯科医師の過剰などのイメージが広がったため」と分析している。
協会によると、2010年度入試の募集定員は1891人(09年度より13人減)で、入学者は1489人(同213人減)だった。09年度も11学部が定員割れだったが、5学部は90%以上の充足率を保っていた。しかし、10年度は11学部全部が90%を割り、定員割れが進んだ。歯学部の定員充足率を大学別でみると、奥羽大の33・3%が最も低く、松本歯科大の43・8%、北海道医療大50・0%、鶴見大59・4%と続き、4校が6割を切った。定員を満たしたのは昭和大や愛知学院大など大都市圏の大学が中心だった。文部科学省は「大学に適正な入学定員を求めていきたい」としている。
2010年7月9日 提供:共同通信社