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歯の健康維持に効果 牛乳由来のCPP-ACP

6月4日は虫歯予防の日。虫歯を防ぐには歯磨きの習慣が欠かせないが、牛乳由来成分の「CPP-ACP」(カゼインホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム複合体)も、歯の健康維持に活用されるようになってきた。
 なぜCPP-ACPが虫歯予防に効果的なのか。まず、虫歯ができる仕組みをおさらいしてみたい。虫歯は口の中にいるミュータンス菌が食べ残しの糖質を分解して酸を出し、それが歯の表面のエナメル質を溶かすことによって発生する。この状態は「脱灰」と言われる。
 虫歯といえば、歯の表面に穴が開いて黒く変色した部分を思い浮かべるだろうが、脱灰の初期は白チョークのように白濁しているのが特徴で「隠れ虫歯」とも言われる。歯に脱灰部分ができてしまっても、程度の軽いうちなら自然に治すことができる。人間の体には、口内を中性の状態にすれば、唾液に含まれるミネラルが脱灰した部分の歯を修復する機能があるからだ。
 この機能は「再石灰化」と呼ばれる。口の中では常に<脱灰⇔再石灰化>が繰り返しされていると言われている。CPP-ACPには、この脱灰を抑制する働きがある。加えて再石灰化を促し、ミュータンス菌が出す酸に対する歯の抵抗力を高める効果もあるという。最近ではCPP-ACPを歯に直接塗りこめるペースト状の製品も発売されているが、もっと手軽に摂取したい人には、CPP-ACPを配合した牛乳やガムもおすすめだ。
               毎日新聞 2010.6.4