◇血管撮影装置で3D画像
旭川医大病院は今月から、最新型ロボット式X線血管撮影装置を備えた最先端のハイブリッド手術室の運用を始めた。国立大学病院では初めての導入で、手術中に撮影した三次元(3D)画像を見ながら、血管内を経由した治療と外科手術を連携させて進められるのが特長。10月から稼働予定の救命救急センターでも活躍が期待され、吉田晃敏学長は「立体的で高精細な画像の利用が可能となり、より高度な医療を地域へ提供できる」と話す。【横田信行】
◇緊急時、検査と手術並行に 多様な角度から全身撮影
同大学は約3億円かけ、ドイツ・シーメンス社製の撮影装置を導入し、手術室を改修した。従来は事前に撮影したCT画像を利用していたが、この撮影装置では、さまざまな角度からほぼ全身を撮影でき、患部の立体的画像を映し出せることから、視野が広がり、末しょう血管まで鮮明に分かるようになった。
緊急時には検査と手術を並行してできることから、治療の精度も向上。大動脈瘤(りゅう)に対する、ステントといわれるバネ状の金属を取り付けた新型の人工血管を血管から挿入する治療法や、脳腫瘍(しゅよう)などを中心にさまざまな分野の手術への利用が期待されている。
平田哲・手術部長は「患者の負担が軽減できるうえ、詳細な画像を見ながら手術が行えるので医師も安心できる」と話す。
2010年9月4日 提供:毎日新聞社