県内の小中学生、高校生1人当たりの虫歯の平均本数が10年前の半分程度に減ったことが、県教委の調査で分かった。就学前の歯磨き指導の普及による意識向上、歯磨き用品の改良などが背景とされる。一方で歯周炎など歯茎の病気は虫歯に比べてまだ関心が低く、対策も「まだまだ」(専門家)の状態。だが、食生活が乱れがちな高校生を中心に症状が出ている児童・生徒は相当数いるとみられ、県も「次の課題は歯茎」として啓発に力を入れる。
子供の虫歯が全体的に減ってきたことで、虫歯が児童虐待の早期発見につながるサインとしても注目されている。虫歯の多い児童はネグレクト(育児放棄)などの虐待の結果、歯磨きの習慣がなかったり、歯の治療を受けていない可能性もあるためだ。実際、東京都や岩手県の歯科医師会の調査では、虐待で保護された児童は虫歯の本数が平均より多かった。
上毛新聞 2010.8.5