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歯科用金属、3割値上げ 虫歯1本で110円増も

虫歯治療の詰め物などに使う歯科用貴金属が、10月1日から約3割値上がりする。使用量にもよるが、最も使われている金銀パラジウム合金を虫歯1本に2グラムかぶせた場合、患者負担(原則3割)は約110円増える。

 値上げは2年ぶり。2008年のリーマン・ショック以降の株式市場の低迷などで「安定資産」とされる金への投資が人気を集め、金など素材の市場価格が上昇したことが主な要因だ。

 公的医療保険では、医療行為や薬、材料ごとに価格を決めており、歯科用貴金属は市場価格の変動が一定幅を超えた場合、半年ごとに公定価格も改定する仕組みになっている。

 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)が、歯科治療で使われる貴金属のうち9割以上を占める金銀パラジウム合金の価格を、10月から1グラム当たり619円から802円に引き上げることを7月に決定。差額の183円の3割に当たる55円だけ患者負担が増える計算だ。

 中医協は、1グラム当たりの価格を08年10月に106円値上げして808円としていたが、09年4月以降は600円台前半に引き下げていた。
2010年9月30日 提供:共同通信社