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冬の一番風呂、ご用心

急激な温度変化、脳出血の原因に…浴室暖め、足からかけ湯

 入浴時の急激な温度変化が原因で脳出血などを引き起こす「ヒートショック」で、神戸市消防局に2009年に救急要請した人は619人に上り、3人に1人が救急車の到着時で死亡したり重症だったりしたことが分かった。
症状を訴えた人の8割は高齢者で、同消防局は通報が増える冬場を前に、浴室が暖まった状態で入浴する「二番湯」の利用などを呼び掛けている。
ヒートショックは、寒い浴室などから熱湯を張った浴槽に入り圧が急に下がった時に起きやすい。
入浴20-30分後に意識がもうろうとして脳内出血を起こした男性(64)や、入浴直後に激しい頭痛と嘔吐(おうと)に襲われ、くも膜下出血になった女性(76)などのケースがあり、血管などの機能が衰えた高齢者の発症が多いとされる。
619人のうち、救急車到着時にすでに死亡していたのが95人、重症だったのは114人。また、77%の479人が65歳以上の高齢者で、半数以上の383人が冬場(1-3、11-12月)の要請だった。
ヒートショックによる救急要請の統計の発表を始めた07年は322人、08年は349人で、09年はほぼ倍に増えている。
同消防局によると、増加の原因は不明。ただし、気象庁のデータによると、09年の冬場の平均気温は平年値より高めで、冷え込みの厳しい時期でなくても油断は禁物といえそうだ。

 では、どうすれば防げるか。

 同消防局によると、〈1〉服を脱ぐ前に浴室内を暖め、湯船との温度差を小さくする〈2〉入浴前には足元から上半身に向かって順番にかけ湯をし、湯船の温度も39-41度にとどめて長湯をしない--ことが基本だ。

 特に高齢者は、家族と同居している人は、浴室が暖まった状態で入浴できる二番湯を利用し、一人暮らしの人は蛇口ではなく、蒸気の出るシャワーで湯を張ると良いという。同消防局は「ヒートショックと感じた場合はいち早く119番を」と訴える。(岡本久美子)
2010年11月15日 提供:読売新聞