歯がほとんどなく入れ歯も使っていない高齢者が4年間で認知症になるリスクは、20本の歯がある人の1・9倍になるとの研究結果を、厚生労働省研究班(班長・近藤克則(こんどう・かつのり)日本福祉大教授)が21日発表した。
あまりかめない人のリスクは、何でもかめる人の1・5倍、かかりつけ歯科医院のない人は、ある人の1・4倍だった。
担当した神奈川歯科大の山本龍生(やまもと・たつお)准教授は「歯を失う原因の多くは虫歯と歯周病で、知らない間に進行する。定期的に歯科で口の中のチェックを受け、かむ力を保つために入れ歯を入れたほうがよい」と話している。
山本准教授らは2003年、愛知県に住む65歳以上の健康な人4425人に歯の状態をアンケートした上で、その後4年のうちに認知症を発症したかどうか調べた。4年間で認知症を発症したのは220人だった。
2011年1月24日 提供:共同通信社