顎(がく)関節症という病気を聞かれた方も多いと思います。あごにだるさを感じたり、疲れたりすることから始まり、そのだるさがひどくなってあごを動かす時に痛みを感じるようになります。また、口が途中までしか開けられなくなったり、カクカク、シャリシャリなどの雑音がしたりすることもあります。あごだけに限らず頭痛やめまい、耳鳴り、肩こりなどの症状を伴ったりするケースもあります。
この原因にはいくつかありますが、常に上下の歯が触れている、頬づえ、睡眠中の歯ぎしり、くいしばりなどの癖が要因となり、それが積み重なって症状が出ます。また、抜けた歯をそのままにしておいて片側だけで噛んでいたり、合わない義歯を使用していると、顎関節や咀嚼(そしゃく)筋に過度の負担がかかります。精神的ストレスがあると筋が過剰に緊張したり、大口を開けるなど不自然な力が顎関節に加わると発症につながったりします。顎関節症は決して珍しい病気ではなく、日常生活のちょっとしたタイミングで起きてしまうことがあります。
福島民報 2011.1.24