厚生労働省の宮島俊彦老健局長は3月6日、東京都内で開かれた日本介護経営学会のシンポジウムで講演し、国が実現を目指す介護従事者によるたん吸引などの医行為について、「今回は一つの取っかかり。(厚労省の検討会で論点に挙がっている)専門介護福祉士の議論を早くやってもらう必要がある」と述べた。
宮島局長は、介護保険の長期的な課題に「介護の質の確保」を挙げ、▽医療ケア▽リハビリテーション▽認知症ケア―を柱とした専門性が介護現場では求められていると指摘。特に医療ケアに関しては、介護福祉士らがたん吸引と経管栄養を行える体制の整備を足掛かりに、「医療・介護の垣根を低くしていく中で、どちらかというと介護福祉士サイドが医療を吸収していくことになるだろう」との見通しを示した。
また、介護職の在り方について、利用者と多く接するホームヘルパーと介護福祉士が専門性を高める努力を継続する必要があると主張。その促進策として、「専門性の多寡を介護報酬に反映することが、(将来の)介護(分野)の1つの姿だろう」と語った。さらに、ケアマネジャーもこの専門性に対応できるように養成し、評価するしくみが求められるとした。
( 2011年03月07日 12:00 キャリアブレイン )