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「40歳未満も負担」提案へ 介護保険料、一体改革で 厚労省、急増の費用確保 「社会保障と税」

厚生労働省は4日までに、社会保障と税の一体改革で、介護保険サービスの費用増大に対応するため、保険料負担の対象年齢を現行の40歳以上から引き下げることを提案する検討に入った。

 保険料支払い対象を「40歳未満」に拡大し、介護保険財政を安定させて、サービスの維持を図る狙い。12日に予定される一体改革の「集中検討会議」(議長・菅直人首相)に提出する厚労省改革案に盛り込む方針だが、与党から負担増に対し反発も予想されるため、実現するかどうかは不透明だ。

 介護保険の費用は、高齢化に伴い、2025年度には10年度の3倍近い最大23兆円が必要になる見込み。

 保険料は、サービスを利用する65歳以上と、40~64歳に分けて徴収しており、厚労省の試算では、65歳以上の月額保険料が12年度には5千円前後と、現在の全国平均(4160円)を約千円上回る見通し。省内では、今後65歳以上の保険料のさらなる引き上げには慎重な意見が根強く、サービスの低下を招かないためには、現役世代の負担増の検討はやむを得ないとの考えが大勢となった。

 12年度の介護保険制度改正をめぐっても、厚労省がいったんは同様の年齢引き下げ案を示したが、議論されることなく立ち消えに。一体改革で消費税率引き上げによる財源に期待したが、東日本大震災の復興経費に配慮する必要が出たことから、引き下げ案が再浮上した。
2011年5月6日 提供:共同通信社