青森県の弘前大の松原悦朗准教授(神経内科)らの研究グループは26日、アルツハイマー病の原因とされる、たんぱく質だけを攻撃する抗体を開発し、発症予防の可能性があることを突きとめたと発表した。
松原准教授によると、アルツハイマー病は、原因とされるたんぱく質が脳に沈着、凝集し、記憶障害を起こすと予想されている。
研究グループでは、このたんぱく質だけに反応する抗体を作り出すことに成功し、実験で週1回ずつ計36週にわたり、記憶障害発症前のマウスに投与し、投与しないマウスと比較したところ、記憶学習能力が保たれていることが分かったという。この結果、アルツハイマー病の原因が、このたんぱく質にあることも裏付けられたとしている。
松原准教授は、実験を踏まえ「マウスの段階だが、アルツハイマー病は予防可能な病気と考えていいのでないか」と指摘している。今回の研究成果は3月、米科学誌に掲載された。