訪問歯科診療にかかわっている方であればよく感じると思いますが、患者さんやご家族、主治医の先生方からの要望は、実のところ”歯を治してほしい”というものではなく”食べられるようにしてほしい”というものが多いのです。
「噛めない、飲み込めない」という状態は、もちろん歯だけの問題ではありません。歯科治療と並行して摂食・嚥下機能を専門的にみていくことが、今後の訪問歯科治療のあるべき姿であると考えます。
VE(嚥下内視鏡検査)による精査を行ったうえで、安全に食べられる食形態・量・姿勢を評価しています。ご家族へ指導を行う際には、このようにできるだけ具体的で明確に伝えられる指導が大切なのです。摂食・嚥下障害のある患者さんに適切かつ具体的な指導を、自信をもって行うためには、患者さんに精査を受けてもらえる環境を確保することが大切です。