歯科訪問診療の依頼は、病院では主治医や看護師、施設では相談員、居宅では患者家族や介護支援専門員などから寄せられる。そこでその当核患者の居所や要介護などの全身状態を把握することになる。その患者が通所リハビリテーション(デイケア)、通所介護(デイサービス)、施設でも短期ショートスティなどは、原則訪問診療の対象とならないため、確認をしておかなくてはならない。
また、老健の看護師の職務と特養の看護師の職務は医師の診療補助と医師への連絡調整などで、介護行為を行うために配置されていない。しかし老健の看護師は療養上の世話も含まれているため、口腔ケアについても指示をして実施してもらうことができる。
また、抜歯などの行為でリスクが高いと考えられる場合には、後方支援病院の歯科口腔外科に入院抜歯を依頼することになるが、特養であれば短期間であれば退所扱いにならないが老健では退所扱いとなり、再度入所するには時間を要することになり、入院抜歯は家族が反対することが少なくない。したがって、次回の改定では、短期入院であれば老健の場合にも、入院抜歯の場合には、退所扱いをやめていただきたい。
日本歯科医師会雑誌 VOl.64 №2 2011-5