人類に近いチンパンジーやボノボ以外の霊長類には見られない行動で、人類は200万年以上前から、花嫁を迎えるような特性を持っていた可能性を示すという。
研究グループは、南アフリカの洞窟で発見された約240万~170万年前の猿人のアウストラロピテクス・アフリカヌスと、パラントロプス・ロブストスの計19体の歯の化石を調査。
化石に含まれる放射性ストロンチウムの同位体の割合を分析した結果、歯が小さく女性とみられる9体のうち、5体は数キロ~数十キロ以上離れた場所から移住してきたとみられるのに対し、男性は10体のうち1体だけだった。
放射性ストロンチウムは岩石の中に含まれ、その土地の特徴によって、含まれる同位体の割合が微妙に異なる。歯のエナメル質は子どもの時に暮らした土地の特徴を保持しているとされ、エナメル質や周辺の土地の放射性ストロンチウムを比べることで初期人類の移動が推測できたという。