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避難生活 歯・口健康に 水不足で磨けず歯垢増え、肺炎も

虫歯菌がつくる酵素が口に残った食べかすに含まれる糖分からネバネバした物質をつくり、虫歯菌などを取り込んで歯垢(バイオフィルム)になる。歯や入れ歯だけでなく舌の表面にも付き「舌苔」と呼ばれる。歯垢のほとんどは細菌で1ミリグラムあたり1億~10億個含まれるという。
 唾液には殺菌成分も含まれているが、年を取ると食べたり、飲んだりしていないときの唾液の量が減り、口の中を洗い流す機能があまり働かなくなる。お年寄りが水や食べ物をうまく飲み下せないと、誤って食べ物と一緒に細菌も肺に入ってしまい、誤嚥性肺炎になる危険が高い。疲れやストレスから抵抗力が弱りやすい避難生活ではなおさらだ。
 食べるときだけではない。寝ている間に、唾液を誤嚥することも。唾液はのどを伝って気管に入っても、体温に近い温度のため刺激が少なく、むせずに肺に入ってしまうからだ。誤嚥性肺炎の予防には寝る前が特に重要で、ブラッシングし、口をすすぐだけでよい。ただし、飲み下す力が弱いお年寄りの場合は、うがいは要注意。口腔ケア用のティュシュで軽くぬぐってもよいという。
                  2011.5.17 朝日新聞