何らかの原因で指しゃぶりがやめられないと、習癖として残ることがあります。習癖となる原因はいくつか考えられますが、咀嚼機能がうまく発達せず、よくかむことができない場合があります。また、心理的な要因、ストレスなども関与するといわれています。このストレスは、第二子の誕生や転居などの育児環境の変化による不安などからも起こります。指しゃぶりはこれらのストレスを鎮静させるために無意識に行う動作と考えられます。以上のことから、まずは指しゃぶりがやめられなかった原因を考え、その原因が残存するのであれば可能な限り除去してあげたいものです。また、思い当たる原因がない場合、お子さん本人に指しゃぶりをしていることを自覚させることも大事です。指しゃぶりの習慣化により、食べる・話すといった口の機能の発達を妨げる可能性が高くなりますと、摂食や発育の障害を引き起こすこともあります。
福島民報 2011.6.20