三重県四日市市の近鉄線踏切で昨年12月、乗用車に自転車が追突され、電車にはねられ死亡した医師中本勝昭(なかもと・かつあき)さん=当時(40)=の父親(76)が、乗用車の歯科医池田哲(いけだ・てつ)被告(47)=公判中=に約1億4800万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、津地裁四日市支部(神吉康二(かんき・こうじ)裁判官)で開かれ、池田被告側は請求棄却を求めた。
原告側は「研修医だった中本さんは突然の事故で小児科医になる夢を断たれた。肉体的苦痛は大きく、一人息子の成長を楽しみにしていた父親の悲しみも計り知れない」と主張。池田被告側は「原告側の主張を踏まえて反論していきたい」とした。
訴状などによると、中本さんは昨年12月30日午後、近鉄線の踏切で、自転車に乗って踏切待ちをしていた際、持病のてんかん発作で意識を失った池田被告の自動車が追突、電車にはねられ死亡したとしている。
中本さんら2人を死亡させたとして自動車運転過失致死傷罪に問われた池田被告は公判で「運転中に発作が起こるとは思っていなかった」として事故の予見可能性を否定、無罪を主張している。